2019年 中国・ショートムービー市場動向を分析/1億超「いいね」のTOP3インフルエンサーとユーザー属性からみる最新トレンド

2019年 中国・ショートムービー市場動向を分析/1億超「いいね」のTOP3インフルエンサーとユーザー属性からみる最新トレンド

こんにちは、クロスシー編集部です。

日本でも広がる中国発ショートムービーアプリの「TikTok」ですが、中国版の「Douyin」(抖音)では、日本版とは異なりECへのリンクも開始されています。前半では中国版TikTokにおけるインフルエンサーランキングを紹介し、後半ではその機能を紹介します。

TikTok最新のユーザー動向とインフルエンサーTOP10 ~男性&地方都市の比率が上昇~

まずは現在のTikTokのユーザー数等のデータを確認してみましょう。10月に中国のビッグデータ分析大手のMiaozhenと海馬雲ビッグデータが共同で出した「2018TikTokレポート」によれば、2018年10月現在でTikTokの全世界ユーザー数は5億超、DAUは1.5億、MAUは3億であり、現在最も人気のショートムービープラットフォームであることが伝えられています。

※DAU=デイリーアクティブユーザー、MAU=マンスリーアクティブユーザー

このレポートでは中国の主要なショートムービーサービスの「美拍」「火山」「秒拍」「快手」と話題性とユーザー数を総合した指数で比較したグラフが作成されています。これを見ると2017年の終わりからTikTokが一気に知名度を上げユーザーを増やしている様子がわかります。


▲ネットでの話題性とユーザー数を総合した指数グラフ
▲ネットでの話題性とユーザー数を総合した指数グラフ

ユーザーの構成比では、昨年よりも男女比の開きが徐々に縮まり、2018年3~5月の時点で女性:男性が59:41です。また年齢別構成比では26歳以上の比率が高まっています。居住地域では、2級都市以下の規模の小さな都市での増加が目立ちます。

▲2017年3-5月のユーザー構成比と、2018年3-5月のユーザー構成比の比較
▲2017年3-5月のユーザー構成比と、2018年3-5月のユーザー構成比の比較

インフルエンサートップ3、上位に「猫」がランクイン

一方で、ユーザーに注目される情報の発信者は21~25歳の北京在住のユーザーに多いことがわかっています。実際にはどのようなクリエイターの作品が多く見られているのでしょうか?

APIによりTikTokのデータを利用し、人気コンテンツなどのランキング等を紹介している「TooBigData」より、12月17日時点のKOL(インフルエンサー)ランキングを紹介します。

▲TikTokのKOL(インフルエンサー)ランキング
▲TikTokのKOL(インフルエンサー)ランキング

1位「陳赫」、2位「Dear迪丽热巴」、3位は「❤会说话的刘二豆❤」…と続きます。ファン数は1位、2位は4800万超、3位~5位が4000万超、5位以上はすべて獲得した「いいね」の数が1億を超えており、最も多いものでは3.6億にも達しています。

それぞれどんなアカウントなのか、上位3者を簡単に紹介しましょう。

陳赫は福建省出身、85年生まれの俳優で、ラブコメディ「愛情公寓」シリーズへの出演でその名を知られています。映画監督のチェン・カイコーの親戚です。

2位のDear迪丽热巴(英語名:Dilraba)は92年生まれ、現在26歳の女優・モデルです。ウルムチ出身のウイグル族で、そのビジュアルは中央アジアの民族らしい目鼻立ちのはっきりした美女として知られています。先日の物議をかもした「ドルチェ&ガッバーナ」のアジア太平洋地区の専属モデルでしたが、この事件を受け即日契約を解除したことでも改めて注目を集めた人物でもあります。

3位の「話ができる猫さん」は、2匹のスコティッシュフォールドを登場させ、アテレコでお笑いを構成します。動物、とくに猫のウケが良いのは、日本も中国も変わらぬネットの常識となりつつあるようです。

▲「❤会说话的刘二豆❤」のコンテンツの1シーン
▲「❤会说话的刘二豆❤」のコンテンツの1シーン

タオバオ、Tmallへのリンク機能が一般ユーザーへも提供開始される

中国版TikTokでは3月からECサイト「タオバオ」との提携が進んでいました。3月の時点では、アパレルをメインに、メイクアップ化粧品、楽器、文具、デジタル用品、テーブルウェアや調理器具がTikTokにおける広告を利用し、売上拡大に成功しています。

▲TikTok上のタオバオ広告
▲TikTok上のタオバオ広告

その後、TikTokユーザーの画面にタオバオへのリンクを設定する「ショッピングカート機能」が6月より試験的に導入されています。この試験期間はTikTokで100万以上のフォロワーを持つ「視頻達人」(視頻はビデオの意味)のステイタスが条件となっていました。

タオバオのショッピングカート機能の利用申請をし、設定を完了するとタオバオの商品がTikTok上で表示されるようになります。12月までの半年間で6万人以上のインフルエンサーにこの機能が実装されていたといいます。

▲ショートムービーの視聴画面で、右上のカートボタンをタップすると、タオバオに遷移する
▲ショートムービーの視聴画面で、右上のカートボタンをタップすると、タオバオに遷移するq

そして今月、このショッピングカート機能が一般ユーザーにも開放されたとのニュースが公式に発表されました。フォロワー8,000以上の実名認証を完了したアカウントで、10件以上の動画の公開が完了している場合に利用申請ができると言われています。

一方で、この手順を実際に確認したユーザーの動画では「条件:フォロワー3,000以上」の表示があり、条件は日々調整されていることが考えられます。

TikTokからリンクする先はタオバオまたはTmall(天猫)です。申請が受理されると、これらのECにリンクするメニューとして、個人のページに「商品ウィンドウ」「ビデオショッピング」「ライブショッピング」の3つの機能が出現します。

▲12月に正式にスタートしたショッピングカート機能。赤く囲われた部分からタオバオまたはTmallの商品ページに遷移する
▲12月に正式にスタートしたショッピングカート機能。赤く囲われた部分からタオバオまたはTmallの商品ページに遷移する

TikTok、日本での秋冬広報戦略も前のめり

TikTokを運営するバイトダンスは、大型の非上場企業「ユニコーン」として注目が集まっています。11月にはソフトバンクグループのファンドを含め30億ドルの資金を調達、その企業価値は750億ドル(8兆4千億円)とも言われています。

12月には日本でも上戸彩さんを起用したテレビシーエムが放映されているほか、11月には各大学での学園祭のスポンサーにつくなど、その広告及びPRの手腕も非常に洗練されている印象です。日本も重点市場としてとらえているというTikTokは、日本における広告事業の展開にも力を入れています。

▲TikTok日本における広告出稿一例
▲TikTok日本における広告出稿一例

まとめ ~実装されたEC機能で地方ユーザーの消費を変えていく~

TikTokのインフルエンサーの場合、フォロワー数に比例して「いいね」数も増加するという特徴があります。Weiboの場合はフォロワーの数が多くてもリアクションの少ない有名人やKOLのアカウントも存在します。

TikTokはフォロワーのアクションが活発という傾向が見て取れます。TikTokはこうしたユーザーの利用をAIで分析し、ターゲットによりマッチさせたレコメンドを可能にしています。

TikTokショッピングカートのテストリリース期間でもあったダブルイレブン(11月11日の大型セール)には、売上8,000万元(約13億2,000万円)、350万元(約5,775万円)といった記録や、口紅10万個の販売達成といった驚異的な数字も見られました。※1人民元=16.5円で換算

ユーザー層の地方への拡大も見られる中、今後ますますTikTok内でのEC利用が広がっていくことも考えられます。「ショートムービーコマース」という新しいECの手法が確立される可能性もあり、注視していくべきでしょう。

<参考>

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この記事の筆者

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株式会社クロスシー

株式会社クロスシー編集部。中国語圏向けに日本情報の提供をするインターネットメディア運営・レップ事業を展開すると共に、訪日観光客向けのマーケティング・ソリューションを提供しています。日本の観光立国を実現すべく、メインターゲットとなる中華圏への観光情報、サービス、商品について、日中間の情報格差を埋め、観光客にとって最高の日本体験の提供を目指しています。