2018年11月に、観光庁が行った「訪日外客数(2018年11月推計値)」によると、訪日外国人観光客の数は、前年同月比3.1%を上回る245万1千人と発表されています。2017年11月が237万8千人だったのに比べ、約7万人増の過去最高を記録しています。
また、「平成29年訪日外国人消費動向調査」では、日本を訪れる外国人観光客のうち61.4%が、訪日回数2回目以上のリピーターとなっています。訪日回数が増えるほど、地方を訪れる割合が高く、「日本のお酒を飲むこと」「温泉に入ること」といった癒しを求める観光客が増えています。
こうした流れを受け観光庁では、日本版DMOを推進しています。今回は、地方創生の足がかりとなる日本版DMOの支援内容や地方の事例についてご紹介しましょう。
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観光庁が推進している日本版DMOとは?
日本版DMOとは、「Destination Management Organization」の略で、行政と民間が連携しながら地元の観光地を盛り上げる施策・組織のことを指します。国土交通省観光庁によると、平成30年12月21日時点で広域連携DMO2件、地域連携DMO42件、地域DMO77件を合わせて合計121件が登録しているとしています。
地方都市を訪れる訪日リピーターが増えている状況を考えると、2020年開催の東京オリンピックに向けてさらなる観光客の増加が予想されます。そのため、地方と行政の連携が今後より重要になるでしょう。
日本版DMOの支援内容
(1)観光地域のブランド確立支援
より魅力的な観光地域を掘り起こすために、「観光地域づくりプラットフォーム」による地域独自の「ブランド」確立に向けた取り組みの支援が挙げられます。
観光客の滞在プログラムの企画、観光ガイドの育成、宿泊サービスの改善・向上に関するコンサルティングなどです。
(2)ふるさとの名物、名産品を支援
最近はふるさと納税が話題を集めています。お肉や野菜、フルーツといった地元ならではの特産品の支援を行うというものです。地方の魅力をPRするひとつとなります。
(3)スポーツを活用した地域活性化を支援
「地域スポーツコミッション」の活動に対して支援を行い、スポーツを観光資源とした地域活性化を支援するという方法です。
スポーツツーリズムという言葉がありますが、スポーツにより交流人口の拡大やキャンプの誘致によって、国際交流の促進にも繋がります。
地方活性化の鍵を握る日本版DMO3つの事例・取り組みを紹介
(1)広域連携DMO「せとうちDMO」
せとうちDMOは、瀬戸内ブランドの確立による地方創生を目指し、プロモーション、マーケティング、プロダクト開発支援を行い、瀬戸内地域の観光産業活性化に取り組む官民が連携した組織です。2013年に、瀬戸内を囲む7県(兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県)が合同し、瀬戸内全体の観光ブランド化を推進するための「瀬戸内ブランド推進連合」が結成され、瀬戸内全体での観光地マーケティングやプロダクト開発を推進してきました。
同組織は、更なる推進体制の強化に向けて2016年3月に(一社)せとうち観光推進機構に発展改組され、地元の金融機関等の出資により設立された(株)瀬戸内ブランドコーポレーションと密接に連携し、両者が一体の「せとうちDMO」として、瀬戸内エリアのブランド価値向上に取り組んでいます。
(2)地域連携DMO「ふらの観光協会」
ふらの観光協会は「富良野・美瑛」のブランディングを目指し、6市町村の行政と各観光協会を中心に交通・食関連事業者など27団体で構成されたDMOです。
「富良野・美瑛」のブランディングを目指して、DMOの母体となる「富良野美瑛広域観光推進協議会」が平成6年に発足。6市町村の行政と各観光 協会を中心に交通・食関連事業者など27団体で構成し、お客様に快適に周遊・滞在していただくためのパートナーシップ関係を構築しています。 平成25年度には「富良野・美瑛観光圏」が観光圏整備実施計画の認定を受 け、地域が一体となってブランディングの強化に取り組んでいます。
宿泊や体験プログラムの予約から決済まで、一括 管理・販売ができるシステムを導入し、ワンス トップ窓口を構築。SNSの運用にあたっては、外国 人の専門スタッフを配置し多言語(英語・中国・ ハングル)での情報発信を実施しています。
このほか、地元の外国語の出来るボランティアガイドを対象 に、地域の観光情報、自然に係る基礎知識や、 高い接客技術を習得させることで、従来のガイド から脱皮したコンシェルジュ的人材(スキー ホスト)として育成しています。
(3)地域DMO「NPO法人 阿寒観光協会まちづくり推進機構」
阿寒観光協会まちづくり推進機構は、阿寒湖温泉地区の観光客減少に危機感をもった住民が主体となってつくられたNPO法人によるDMOです。
阿寒湖温泉地区は、バブル崩壊後も団体周遊の拠点として客足は伸びていましたが、時代の流れとともに客層が団体客から個人へと移るにつれ、宿泊客数、遊覧客数、おみやげの売上げが徐々に低迷していました。こうした危機感を背景に、住民主体で「阿寒湖温泉再生プラン2010」を 策定し、その推進体制として地区内の多様な主体によって構成するNPO法人 阿寒観光協会まちづくり推進機構を設立しました。訪日外国人観光客が分かりやすいよう、Wi-Fiを完備した循環バスの運行にも同基金を活用しています。
日本版DMOの拡大によって地域のインバウンド観光を盛り上げるきっかけとなる
インスタ映えによる拡散を狙い、SNS・ソーシャルを活用してインバウンド対策を行っているDMO団体も多数存在します。SNSツールを使えば、写真と動画だけでその土地ならではの魅力を低予算でプロモーションすることができます。インバウンド誘致のひとつの施策として、今回ご紹介した事例を参考にしてみてください。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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