3つの「交流」から日本文化発信・インバウンド誘客を/神田明神「EDOCCO」誕生の背景とは

THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ- アーカイブ無料配信中
完全無料 訪日ラボ会員 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

訪日客にも人気の秋葉原からほど近い神田明神の境内に、神田明神文化交流館「EDOCCO」が2018年12月15日にオープンしました。2029年に創建1300年を迎える神田明神ですが、モダンな造りが特徴の日本文化の新たな発信拠点として、訪日客の誘客を目指します。EDOCCO誕生の背景をふまえ、神田明神が伝統を守るために革新を起こした、インバウンド誘客に向けた取り組みを見ていきましょう。

インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる

訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)

3つの交流からインバウンド誘客も目指すEDOCCO

▲神田明神文化交流館「EDOCCO」公式ウェブサイトより引用

神田明神の境内に造られたEDOCCOは、4階建てのモダンなデザインが特徴です。地下1階には訪日客向けの日本文化体験スペース、1階には飲食・物販エリア、2〜3階には着席400人・立席700人が収容できる大きなホール、4階には多目的ラウンジスペースを完備しています。

EDOCCOが交流拠点として掲げる目標は以下の3つです。

  1. 神道文化の発信による文化の交流:訪日客に向けて神社神道の文化を中心に発信
  2. 伝統芸能・工芸による価値の交流:日本古来の価値観を伝え、日本および東京の文化への興味関心を高める。
  3. 江戸のおもてなしによる精神の交流:江戸から根付く「意気」という美意識の精神でおもてなしをし、精神的な交流を目指す。

3つの"交流"から、訪日客日本文化の魅力を発信することで、日本ファンを増やすことが期待されます。

伝統×革新をテーマに訪日客を魅了


▲神田明神文化交流館「EDOCCO」公式ウェブサイトより引用

神田明神の宮司である大鳥居信史氏が、2029年に創建1300年を迎えるにあたり、記念事業の一環として日本の伝統文化発信地となるような取り組みをしようと構想したのがきっかけです。2013年9月に東京オリンピックの開催が決定したことから、訪日客の注目を集め日本文化を発信するチャンスを活用するために、前倒しで計画が実行されました。

EDOCCOとは「 EDO Culture COmplex」の略です。江戸の賑わいを連想する雰囲気や風景を単純に再現するのではなく、現代との調和も意識した施設となっています。訪日客だけでなく参拝客やビジネスマンなど日本人も含め幅広い層が気軽に立ち寄れる空間を目指しました。

伝統が時代の流れとともに消え失せてしまわないよう、革新的なものにも挑戦し取り入れることで、次の伝統へ繋ぐといった大鳥居信史氏想いが込められています。神田明神はこれまでもアニメや野球のコラボレーションなど、革新的な取り組みを実施してきました。神道に興味を持つきっかけとして、神社とは一見縁のないような物も受け入れ、新たな伝統を発信する神田明神の取り組みはまさに革新的な例と言えるでしょう。

日本の食文化と江戸文化を"体験"によってPR

▲「EDOCCO CAFE MASU MASU」公式ウェブサイトより引用

地下1階に造られたスタジオでは、食事を楽しみながら伝統芸能などのショーを鑑賞できるだけでなく、訪日客向けに着物や和食、サブカルチャーなどのワークショップも実施しています。コト消費の需要が高まるインバウンド市場において、EDOCCOのような文化体験の提供は訪日客を惹きつける上で効果的と言えます。

1階の飲食エリアは、昼間はカフェ、夕方からはおでんを提供する居酒屋として営業します。神社とエール(声援)を掛け合わせたすりおろし生姜入りのジンジャーエールなど、神社ならではのメニューが充実しています。物販エリアでは神棚や賽銭箱、盛り塩セットまで陳列しているほか、神道に触れるきっかけ作りとなるよう書籍の販売もあります。お守りやおみくじ代は、SuicaやPASMOといったICカードでの支払いも可能です。キャッシュレス決済の導入は、訪日客受け入れ体制整備における工夫の1つと言えるでしょう。

まとめ:日本の文化発信・交流拠点としてさらなるインバウンド誘客の促進に期待

神田明神文化交流館「EDOCCO」は、新たな日本文化発信・交流拠点として、さらなるインバウンド誘客の促進に期待が集まります。伝統をそのままにしておくのではなく、革新的なことにも挑戦し新たな伝統を生み出すといった取り組みは、他の文化財などにおいても応用できる点ではないでしょうか。今後も「 EDOCCO」におけるインバウンド誘客への取り組みから目が離せません。


インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる

「翻訳・多言語化」を資料で詳しくみてみる

「多言語サイト制作」を資料で詳しくみてみる

「多言語化表示サービス」を資料で詳しくみてみる

「テレビ電話型通訳サービス」を資料で詳しくみてみる

「訪日外国人向け道案内」を資料で詳しくみてみる

<参考>

EDOCCO 神田明神文化交流館:公式ウェブサイト

東洋経済ONLINE:神田明神が目指す「らしくない」神社の姿

東京新聞:神田明神から日本文化発信 交流拠点、15日開業

【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介


外国人観光客の爆発的増加に伴い、スタッフの人手不足に直面する宿泊・観光業界。
さらには多言語対応やあらゆるサポートも求められ、キャパシティが限界状態にある事業者も少なくはないでしょう。

そこで訪日ラボでは、「人手不足を補いながらインバウンド対応を強化する」実践策を紹介するセミナーを開催します。

DXによる業務効率化や自動化、多言語対応の仕組みづくり、24時間・22言語対応の医療通訳付きオンライン診療、そして多言語での口コミ・MEO対策の無理のない運用方法まで、“少ない人員でも安心して外国人観光客を受け入れられる仕組み” を解説します。

<セミナーのポイント>

  • 人手不足の現場でも実践できる、インバウンド対応・業務効率化のヒントがわかる!
  • 多言語対応や医療連携など、“安心・安全な受け入れ体制”を整える具体策が学べる!
  • 集客から滞在サポートまで、インバウンド受け入れを総合的に学べる!

詳しくはこちらをご覧ください。

【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介

【インバウンド情報まとめ 2025年11月前編】中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に10月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

訪日ラボ会員にご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか:インバウンド情報まとめ【2025年11月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

訪日ラボの会員限定コンテンツ「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!

その他、訪日ラボの会員になるとインバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い教科書コンテンツやインバウンドを分析したレポート、訪日ラボのコンサルチーム登壇のセミナーなど役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 訪日ラボ会員 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに