急ピッチで進む 急増する訪日ムスリム観光客の受け入れ体制整備:東武鉄道、埼玉・川越のムスリム向け観光マップを作成

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東武鉄道株式会社は、フードダイバーシティ株式会社と埼玉県川越市と連携し、2018年12月1日よりムスリム訪日外国人観光客に対し観光マップ「KAWAGOE COEDO MAP for MUSLIMS」を発行しています。日光・鬼怒川エリアにおける「NIKKO GUIDE MAP for MUSLIMS」に次いで2例目となる東武グループのムスリム観光客対策として、注目が集まります。近年急増しているムスリム訪日客の現状と対策促進の必要性をふまえ、東武鉄道が実施するムスリム観光客に対する最新のインバウンド対策を見ていきましょう。

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ムスリム訪日客の対策促進の必要性と現状

▲「訪日ムスリム旅行者対応のためのアクション・プラン」より引用

イスラム教を信仰するムスリムの多い、マレーシアインドネシアなどの東南アジア諸国からの訪日外国人観光客が近年増加傾向にあります。ムスリム人口は、2010年時点で世界人口の23%を占めており、今後も割合・人数ともに他の宗教に比べさらなる伸びが予測されています。ムスリムの多い国々の経済規模も急速に拡大していることから、日本でもムスリム対応を推進するためのアクション・プランが策定されました。

2017年の訪日外国人観光客数は、マレーシアから前年比12%増の約44万人、インドネシアからは前年比30%増の約35万人と大きく増加しています。2015年にはムスリムおもてなしガイドブック」観光庁が作成し、飲食店宿泊施設、地域が連携したムスリム観光客の受け入れ体制の整備が推進されるようになったとはいえ、実際の訪日ムスリム観光客からの評価はいまだ厳しい状況です。


▲「訪日ムスリム旅行者対応のためのアクション・プラン」より引用 

平成29年に実施された訪日外国人消費動向調査によると、ムスリムが多いとされる訪日マレーシア人観光客の72.3%と訪日インドネシア人観光客の68.1%が、訪日前に「日本食を食べること」を期待していたと回答しています。一方、実際に訪日経験のあるムスリムや、ムスリム向けツアーを扱う旅行会社からは、「食べ物やその成分の表示が不十分で困っている」「食事ができるお店が少なく困っている」といった声が上がっているのが現状です。食事面だけでなく、礼拝の対応やムスリム対応施設の情報提供も求められています。まだまだムスリム対応が十分とは言えない日本において、東武鉄道が作成した埼玉県川越市のムスリム向け観光マップの内容と取り組みを、次項で紹介します。

ムスリムメニューや祈祷室の提供施設の情報を掲載

▲TOBU NEWS RELEASE (2018年11月28日発行)より引用 

「KAWAGOE COEDO MAP for MUSLIMS」は、埼玉県川越市とムスリム向けの情報発信に取り組むフードダイバーシティと連携して作成されました。川越市の施設や東武東上線川越駅、東武東上線池袋駅、東武ツーリストインフォメーションセンター池袋にて、12月より配布を開始しています。対応言語は英語です。掲載内容は主に以下の2点になります。

  1. 川越エリア観光スポット紹介
  2. 川越エリアのムスリム向け施設の計9か所の紹介

川越の名所案内はもちろん、ムスリム向けの食事を提供する飲食店やお土産店、祈祷室を備えた施設の場所と営業時間を写真付きで紹介しました。掲載施設は、川越市等が主催したムスリムフレンドリー勉強会などに参加し、豚肉を食べず酒類は飲まないムスリムの要望に応えたメニューを提供しています。

東武鉄道の訪日外国人観光客用ディスカウントパスもPR

▲「TOBU JAPAN TRIP」Helpful trip informationより引用

「KAWAGOE COEDO MAP for MUSLIMS」には、東武鉄道が発売している訪日外国人観光客専用のディスカウントパス「KAWAGOE DISCOUNT PASS Premium」と「KAWAGOE DISCOUNT PASS」の情報も掲載されています。

ディスカウントパスは、東武東上線の池袋駅川越または川越市駅までの往復割引乗車券と、お土産やさんやレストラン、着物レンタルショップなど計10か所の店舗で割引が受けられるといった内容です。東武鉄道を利用し、より多くの訪日外国人観光客川越へ誘致する取り組みの1つとして、「KAWAGOE COEDO MAP for MUSLIMS」にも情報を掲載しPRを実施します。

まとめ:急増するムスリムの訪日客の受け入れ体制整備は急務

ムスリム観光客が訪日前に期待することとして「日本食を楽しむこと」を挙げている一方で、実際に日本に来てみたら対応が不十分といった現状では、リピーター獲得は難しいと言えます。東武鉄道の例のように、地域との密接なつながりを活かせる鉄道会社や民間企業、自治体などが連携し、積極的にムスリム対応に取り組む必要があります。

すでに勢いを増しているムスリム訪日客に対する受け入れ体制の整備は、日本が実施するインバウンド対策の中でも、ただちに取り組むべき課題の1つと言えるでしょう。

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<参考>

観光戦略実行推進タスクフォース:訪日ムスリム旅行者対応のためのアクション・プラン

東武鉄道:TOBU NEWS RELEASE (2018年11月28日発行)

日本経済新聞 電子版:東武鉄道、埼玉・川越のムスリム向け観光マップ

TOBU JAPAN TRIP:Helpful trip information


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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

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  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
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  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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