歌山県にある世界遺産「高野山・奥の院」とは、空海(弘法大師)がまつられた御廟(ごびょう)として知られている日本仏教の聖地です。
この記事では、奥の院が訪日外国人から人気となった理由やインバウンド対策の事例をご紹介します。
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高野山奥の院とは?なぜ訪日外国人に人気なのか?
2004年の世界遺産登録に続いて、2009年にはミシュランのグリーンガイド日本版でも最高ランクの3つ星に認定され、現在は日本を代表する国際観光地としてインバウンドを先導する存在となっています。
ミシュランやメディアでの露出により認知度も向上し、実際に訪れた外国人による口コミの評価も高いことが人気に繋がっています。
高野山奥の院とは?
高野山は標高約850mの高地にあり、和歌山県伊都郡高野町の中心をなす山上の集落です。高野山に居住する2500余人のうち、僧侶の数は約700人となり3割近くが僧侶という宗教都市です。
奥之院は国指定史跡地域に指定されおり、一の橋から御廟までの道のり約2キロメートルには20万基を越える諸大名の墓石や祈念碑、慰霊碑が数多く立ち並んでいます。
外国人に人気の観光地”7位”にランクイン
トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 2018」において、高野山奥の院は7位にランクインし、訪日外国人から人気高いスポットとして認知されています。同様のランキングにおいて、2016年は12位、2017年は10位と徐々に順位を上げており、トリップアドバイザー内の旅行者評価は満点の”5”を獲得しています。顧客満足度が高い理由として、奥之院で「お逮夜ナイトウォーク」として、提灯を持って奥之院へ30分程歩き、奥之院でお経を聞いて帰るといった無料体験などが挙げられます。
なぜ訪日外国人に人気なのか?
世界遺産の認定やミシュラン3つ星獲得などにより、外国人にとって日本の観光旅行でランキング7位にランクインした高野山奥ですが、「なぜ訪日外国人に人気なのか?」気になるところ。実際に、高野山奥の院を観光で訪れた外国人がどのような感想を抱いているのか旅行者の口コミを紹介します。
「穏やかで最高の景観を満喫できる、美しい場所。」
「半日墓地を散歩して過ごしたが時間が足らなかった。夜間も歩いてみたい。」
「今までで最も素晴らしい場所の1つ。 墓地は別世界のよう。」
「昼と夜の両方で素晴らしい。特に夜の墓は美しく、複雑で、繊細であり、高野山に欠かせない。」
荘厳で平和的な雰囲気や美しいお寺だけでなく、とりわけ夜間観光も人気の理由として挙げられています。奥之院では無料のナイトウォークや有料のナイトツアーなどが実施されており、それらの施策も外国人から人気の背景ともいえるでしょう。
高野山奥の院のインバウンド対策
高野山奥の院は、国内外から多くの観光客が訪れます。とりわけ、インバウンド対策において重要といえる、インフラ整備などにもしっかり対応しています。ここでは、高野山奥の院インバウンド対策を紹介します。
ホームページの多言語対応
![▲[高野山HP外国語 トップページ]:高野山 HPより引用 ▲[高野山HP外国語 トップページ]:高野山 HPより引用](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/2046/main_image1.png?auto=format)
高野山HPは日本語のほか英語・フランス語のページが設けられています。フランスで発行された「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」においてミシュラン3つ星を認定され、フランスからの観光客も多いためフランス語にもしっかり対応しています。
インバウンド受け入れのインフラ整備
日本語と英語を併記した案内板や洋式トイレ、Wi-Fi環境の整備など外国人受け入れ対策がなされています。スマートフォンで情報収集するさいに、外国人にとってはWi-Fi環境は非常に重要なポイントとなるので、その需要にしっかり対応しインバウンド対策をしています。
外国人受け入れに積極的な宿坊も
高野山には、外国人受け入れに積極的な宿坊「恵光院」が設けられており、英語表記やWi-Fi環境を充実させ、インターネット宿泊予約に対応するなど、さまざまな環境整備をしています。宿泊オプションとして、簡易な修行法である「写経」や「阿字観(あじかん)」といった密教の瞑想法が体験できます。
インバウンド向けツアーの実施
インバウンド向けに、外国人向けの「奥之院ナイトツアー」も実施されています。冒頭で紹介した、「お逮夜ナイトウォーク」とは異なり、有料ツアーとして高野山在住の”金剛峯寺境内案内人有資格者”がガイドとなって、夜間の幻想的な奥之院を散策することができます。公式HPは日本語と英語の二カ国語対応で、そのままサイトから予約を申し込むことができます。
まとめ:高野山奥の院、実は訪日外国人に大人気だった
高野山奥の院は、世界遺産やミシュラン認定、観光ランキングなどメディアでの露出により、人気の観光地として知られるきっかけとなり、実際に訪れた外国人による口コミ評価が高いことが人気に繋がっています。また、高野山の町の最大の特徴である、町のほとんどが金剛峯寺の境内という“寺内町”である点を活かし、町全体でインフラ整備などの協力をしてインバウンド受け入れ体制をとっています。それらのインバウンド対策が更なる訪日外国人の増加や外国人に人気の観光地ランキングにつながっているといえます。
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<参考>
- TripAdviser:高野山 奥之院
- 高野山準別格本山宿坊恵光院
- TripAdviser:旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 2018
- LIFULL HOME'S PRESS:【高野山のまちづくり②】外国人観光客であふれる高野山。今、密教の聖地で何が起きているのか
- 高野山真言宗総本山金剛峯寺
- 高野山奥之院ナイトツアー
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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
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この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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