QQ(テンセントQQ/騰訊QQ)は、8億人を超えるユーザー数を誇るインスタントメッセンジャーツールです。アバター機能などがあり、中国国内ではWeChatと比較すると、よりプライベートなSNSとして利用されています。
QQは日本国内でも、訪日中国人観光客へのプロモーションにおいて大きな役割を果たすことが期待されています。
この記事では、QQの主な機能やQQを活用したインバウンド対策、またQQと提携している日本のサービスについて解説します。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
QQとは
QQ(騰訊QQ/テンセントQQ)とは、中国のインターネット企業「テンセント(騰訊)」が開発・運営するインスタントメッセンジャー(IM)ツールです。
QQは単なるメッセンジャーではなく、非常に豊富な機能を備えており、enjoy Japanの2021年1月に発表された中国10大SNS最新ユーザー数まとめによると、月間アクティブユーザー数は約7億8,000万人です。
日本ではWeChatほどは知られていませんが、中国社会ではよく知られたツールです。機能を見てみるとLINEとの類似点が多いことがわかります。
日本語版のアプリもGoogle Play やApple Storeからダウンロードすることができます。
QQの主な機能|ほとんど無料で利用できる
QQは、メッセージの送受信や音声通話、ビデオ通話や写真・ファイルなどの送付が主な機能です。
これらの機能は全て無料で使えるため、中国で急速に広まりました。
QQスキン/着せ替え機能
QQにおける特徴的な機能の一つが「QQスキン」です。
QQスキンは、画像アイコンやステータスメッセージの画面を自分好みにカスタマイズできる機能です。
ほかにもトークルームの自体をアレンジすることもでき、背景のアレンジと組み合わせてオリジナルのトークルームを作成することが中国の若者を中心にブームとなりました。
QQ秀/アバター機能
アバター機能「QQ秀」もユーザーから人気です。
オリジナルのQQアバターには、自分好みの洋服を組み合わせることができます。
QQ運動/万歩計機能
QQには万歩計機能もついています。
一日の運動量に応じて「紅包(ラッキーマネー)」をもらうことができ、仲間同士で歩数を競い合うことができます。
WeChatでも、連絡先の繋がっている人と自分の歩数を比べる機能がついています。
QQ绿钻/音楽視聴
QQ绿钻(グリーンダイヤモンド)は音楽視聴サービスです。高品質の音楽が楽しめます。
他にも、同じ趣味の人が集まるコミュニティの形成や、オンラインゲームサービス、ミニブログの公開などの機能があります。
QQPay/決済機能
QQでは、「QQ Pay」という決済機能も利用できます。これは、インバウンド対策を行う事業者にとっても注目すべき機能の1つです。
近年では、旅行スタイルの変化としてモノを大量に購入し消費する「モノ消費」から、現地でできる体験などに消費を行う「コト消費」に転換しつつありますが、
観光庁の2020年1-3月期における訪日外国人消費動向調査によると、依然として訪日中国人は買物代にもっとも多くの金額を割いています。
ドラッグストアや百貨店、ショッピングモールなどの小売店がQQ Payに対応していると、訪日中国人は両替の必要がなくなり、より商品購入へのハードルが下がると考えられます。
QQとWeChatの違い|QQはプライベート用
中国人にとってWeChatは連絡手段、QQはSNSという感覚です。以下でそれぞれの機能の違いについて紹介します。
WeChatの機能として、以下のものがあげられます。
- テキストメッセージでのやり取り
- 音声メッセージでのやり取り
- 音声通話
- 決済機能(WeChat Pay)
- タイムラインへの投稿
などがあり、すべて無料で利用できます。
しかしWeChatには、QQで利用できた以下の機能がありません。
- アバターの作成
- コミュニティへの参加
- 音楽や動画の共有
- オンラインゲーム
- ミニブログ
そのため多くの中国人が、
WeChat:ビジネス
QQ:ビジネスとプライベート
のように使い分けを行っています。
そのため、多くの中国人のスマートフォンにはWeChatとQQの両方がダウンロードされています。
よって、QQを用いたインバウンド対策も、訪日中国人客に対して高い効果が見込まれます。
QQと提携している日本のサービス|インバウンド対策にも使える
日本の大手企業のなかにも「QQ」と提携している企業がいくつかあります。インバウンド対策にも有用なサービスが開発されているため、以下で紹介します。
QQお出かけ日本|デジタルガレージ
2017年10月、デジタルガレージは、テンセントとともに訪日中国人向けコンテンツ「QQお出かけ日本(QQ出行日本)」を開発しました。
QQお出かけ日本は、都道府県ごとの食事・買物・観光情報を掲載しており、訪日中国人ユーザーは地図機能により目的地までのルート検索や周辺検索ができます。
訪日中国人が日本で困ったこととして、交通情報が手に入らない、飲食店の予約ができない、中国語に対応していないことがあげられますが、このサービスを使うことによりそれらの問題を解決することが出来ます。
また、インバウンド消費の拡大を狙う国内の小売やメーカー企業が、訪日中国人ユーザーに対して広告配信を行うことも可能です。

モバイルQQ for au|KDDI
KDDIが提供している「モバイルQQ for au」で、日本でも手軽にQQを利用できます。QQ番号やニックネーム、メールアドレスから、QQに登録している友人を探すことも可能です。
さらに、中国人向けの日本情報サイトを集めたリンクが用意されているため、日本を訪れる訪日中国人の情報収集の手段としても活用できます。また、日本人向けの中国情報サイトのリンクも用意されています。
au Marketからダウンロードでき、料金は無料。Androidを搭載したauスマートフォン全機種で利用可能です。
QQ音楽|ソニー・ミュージックエンタテインメント
ソニー・ミュージックエンタテインメントでは、音楽を楽しめるサービスをQQで提供しています。
ソニー・ミュージックレーベルズとテンセント(騰訊)の音楽配信子会社が提携し、アニメソング配信を中国でスタートしたのです。
日本のアニメは中国でも高い人気を誇っており、アニメソングも多くの中国人から注目されています。
さらにテンセントの高い配信力によって、中国人へのアニメソング認知拡大が見込まれています。
QQPayを活用した事例|大丸松坂屋
株式会社大丸松坂屋百貨店(以下、大丸松坂屋)は、2016年4月からQQ Payを導入しています。 札幌、東京、梅田、心斎橋、京都、神戸、上野、名古屋の計8店舗の化粧品売り場で導入されるようになりました。QQ Payの導入も後押しとなり、2017年12月度J.フロント リテイリング百貨店事業売上速報によると、2017年度の免税対象である商品の売上は、対前年比で64%増加しています。
QQ Payの導入によってさらなる集客や消費アップが期待できるといえます。
メッセンジャーだけじゃないQQを活用して訪日中国人観光客へのプロモーションを
月間アクティブユーザーが6億人を超えるQQは、中国を代表するのSNSの一つです。
訪日中国人向けのインバウンド対策を検討している際には、QQを活用したプロモーションを検討するのも一つの手でしょう。
<参照>
enjoy Japan:【2021年1月更新】中国10大SNS最新ユーザー数まとめ
観光庁:訪日外国人消費動向調査
J.フロントリテイリング:2017年12月度百貨店事業売上速報(日本基準)
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!