中国の旅行会社Ctrip(携程/シエチェン)とは | 国内最大のOTAサイト携程旅行网・国際版Trip.com・日本での評判、戦略、取り組みも解説

公開日:2019年06月06日

中国では年々海外旅行に出かける人が増えており、長距離ではアメリカやヨーロッパ、近距離では日本やタイ、ベトナムや韓国が人気目的地となっています。特にアメリカは世界の中心ともいえる国際連合の本部事務所や、雄大な国立公園など見どころも多く、中国人にとってあこがれの旅行先でもあります。

ところが、5月末の報道によれば、米中貿易摩擦が影響し、中国人の訪米旅行者数はなんと15年ぶりに減少に転じました。アメリカファンの中国人は今後、異なる地域への興味関心を高めていく可能性もあるでしょう。

中国人が国内・海外旅行の際には、オンライントラベルエージェンシー(OTA)を利用するのが一般的です。最もメジャーなサービスの一つがCtrip(携程/シエチェン)です。

Ctripは中国・上海市に本拠地を置くオンライン旅行会社ですが、中国国内だけでなく、日本を含む海外向けのサービスTrip.comCtrip国際版)も展開しています。

この記事ではCtripのサービスについて、Ctripを運営する企業の特徴や会員数、取り組みについて紹介していきます。 

Ctripとは?Trip.comって?

▲Ctrip(携程/シエチェン)トップページ
▲携程旅行网(Ctrip)トップページ

Ctrip(携程/シエチェン)は中国最大級のオンライントラベルエージェンシー(OTA)です。

中国語の名称は「携程旅行网」で、コーポレートカラーは青、イルカのマークが目印です。

CEOの孫潔は女性で、企業では女性の妊娠や出産に関する福利厚生が手厚いことでも有名です。25,000人の従業員を抱え、2003年にナスダック株式市場に上場しています。

CtripのようなOTAは、航空券や宿泊先の手配をオンライン上で完結させるサービスを提供していますが、これは中国だけでなく世界中で普及しているサービスです。日中の就業等の理由で、店舗型旅行代理店(トラベルエージェンシー)に足を運ぶのが難しい層の需要を取り込むことに成功しています。日本でいえば、楽天の「楽天トラベル」やリクルート「じゃらん」といったサービスがこれにあたります。

海外向けサービスはTrip.com(Ctrip国際版)

CtripTrip.comという旅行予約サイトも運営しています。これはCtrip(携程/シエチェン)同様のオンラインサービスで、中国国外のユーザーに向けて提供されるもので、日本語のサイトも存在します。

Ctripは2017年、アメリカのOTATrip.com」を買収しました。これに伴い、中国国外でのサービス名称をTrip.comに改称しています。

会員数は中国国内だけで3億人

Ctripの会員数は3億人にのぼり、全人口の4~5人に1人がCtripを利用している計算になります。実際に旅行に行く可能性のある人口でいえばもっと割合は高くなるでしょう。

サービスを開始した当初は団体客の利用が多かったのですが、中国人旅行客に対する各国のビザの発給要件緩和や、中国国内の経済成長を受けて、現在では個人旅行の目的てCtripを利用する人も多くなっています。

訪日中国人で言えば、8割Ctripを利用しているとのデータもあります。

日本語のカスタマーサービス、中華圏の取扱い施設多数、安い価格設定

日本を含む世界各国に展開している、国際版CtripTrip.comでは、航空券予約やホテル予約はもちろん、パッケージツアー、ビザ手配、通貨の両替、旅行先の店舗で使用できる商品券の配布なども行っています。

中国発の旅行サイトということで不安に思う人もいるかもしれませんが、日本語でも提供されている充実したカスタマーサービスも存在し、ユーザーの心理的障壁の解消に努めています。

中国だけでなく、香港、マカオ、台湾のホテルのラインナップが充実しており、他の類似サービスでは予約できないホテルも取り扱っています。もちろん、中華圏以外の国への旅行にも利用できます。

ユーザーからは、航空券、宿泊施設、ツアーなどが他の旅行サイトよりも安い価格設定になっているという評価があります。

Trip.com(国際版Ctrip)の評判は?トラブル多い?

インターネットでのCtripTrip.com(国際版Ctrip)の評判は、悪評やトラブルなどが関連キーワードに現れることから、不安を感じる場合も多いでしょう。

これまでに明らかになっている情報をまとめます。

「予約されてなかった」との声も/ネット上での悪評判は本当

Ctripの悪評について詳しく調べてみると「事前決済したにもかかわらず予約がされていなかった」ケースや「宿泊施設に料金の支払いが行われていない」ケースがあったという口コミが散見されます。

一方で、他サイトよりも格安の価格設定であり予約も問題なくされていたという情報もあります。Trip.com(旧Ctrip)を利用して快適な旅行を満喫できたという声も多くあります。

様々な口コミの指摘を総合的にとらえてみると、実際にはTrip.com(旧Ctrip)を利用して予約ができていなかったケースの中には、宿泊施設側が手続を誤った場合もあるようです。

日本の観光庁が日本法人Ctrip Japanに立ち入り検査

しかし、決済をしているにもかかわらず予約が取れないという悪評は後を絶たず、2018年12月にはCtripの日本法人Ctrip Japanに対して、観光庁による立ち入り検査が行われることとなりました。

そこでは既に満室となっている宿泊施設を「空室あり」と表記し、予約を受け付けていた実態がありました。

実際には空室はなく、キャンセル待ちの状態であるにもかかわらず、そのことについて消費者側には通知しないだけでなく、キャンセル待ちのリクエスト予約の場合であっても事前決済、返金不可という条件で予約を成立させていたのです。

立ち入り検査を経てもなお、日本法人のCtrip Japanに対し、観光庁はこの事態への責任追及はなされませんでした。同社はサイトの運営に関わっておらず、すべて中国に籍を置くCtripによって運営されていたことがその理由です。

観光庁は中国のTrip.com(国際版Ctrip)に対し、OTAガイドラインに沿って日本の法を順守した上で運営するよう注意勧告をしています。しかしながら直接管轄する対象ではないため罰則等を設けることはできず、現状ではウェブサイトにて日本人利用者側に注意を促すにとどまっています。

悪評判は「中国の会社だから」?

こういった事態が起きているものの、他の予約サイトでも同様のトラブルが全く起きないということはありませんTrip.comの場合、中国発のサービスであることを理由に不安視するユーザーが存在し、実際にトラブルを体験した人の口コミが広まりやすい可能性もあります。

日本でのTrip.com(国際版Ctrip)の戦略・取り組み

運営するCtrip自身も、こうしたネガティブなイメージがTrip.comの日本における普及を阻害していることを理解していおり、評判を上げるべく戦略を立て様々な取り組みを行っています。

以下では、Trip.com(国際版Ctrip)が行っている対策について紹介していきます。

1. 「ぐるなび」と提携、飲食店の無断キャンセルを減らす

気軽に飲食店のネット予約が可能になった現在、予約客が無断でキャンセルをしてしまう「ノーショー」が飲食店業界における大きな問題となっています。

そこでTrip.comの事前決済方式を活かして、ぐるなびと連携し、予約後の無断キャンセルをなくすための取り組みを始めました。

ネット上で予約を完結できるサービスにより、予約客の拡大を実現しつつも、こうしたサービスには無断キャンセルのリスクが常に付きまとっていました。こうした飲食店に対して、Trip.comのが提供する事前決済システムを利用してもらいます。

2. 「スカイスキャナー」買収/日本人の取り込みにも注力

2016年にCtripはイギリスの航空券予約サイトであるSkyscannerを買収しています。

この買収は、Skyscannerを通じて新規顧客を開拓することを狙ったものと言われています。日本人若年層では航空券予約の際にSkyscannerを利用する人が多く、日本人利用客の増加を狙ったものと考えられます。

翌年2017年にはアメリカの旅行予約サイトTrip.comを買収し、顧客規模の拡大を目指しています。

中国国内では圧倒的な利用率と見られるCtrip(携程/シエチェン)の「携程旅行网」ですが、日本人利用者はまだそこまで多くないため、同社は日本市場の開拓を今後の課題ととらえているようです。

中国人の圧倒的支持集める「Ctrip」訪日市場でも注目

日本人ユーザーからは抵抗感も抱かれがちなTrip.com(国際版Ctrip)ですが、中国国内では最大規模のOTAであり、信頼されるサービスとなっています。

日本向けのサイトでも、料金設定や予約可能な宿泊施設の豊富さなど、実際には良質なサービスを提供している面もあります。

Ctrip(携程/シエチェン)が中国で展開する旅行サイト「携程旅行网」を通じて訪日旅行の情報を集めたり、実際に航空券、宿泊施設、ツアーを予約する人も多いため、現在の流行を調べたり、集客のための広告出稿やプロモーションを展開するにも適した媒体です。訪日中国人を対象とした商材を扱う場合には、理解しておくべき中国企業、サービスだと言えるでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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