シンガポールは国土がとても小さい国でありながら、1980年代以降急激に発展し、東南アジアを代表する経済大国となりました。
発展とともにインターネットも普及し、現在は人口の84%がインターネットを利用しており東南アジアでは最も高い普及率となっています。さらに、SNSの利用率も79%と高水準です。
この記事では、インバウンドでも重要な位置を占めるシンガポールのSNSの利用状況や一番人気のFacebookを使ったインバウンド対策の事例について紹介します。
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シンガポールのインターネット事情・利用状況
インバウンド市場の需要喚起や集客には、インターネットを利用した施策は欠かせません。まずはシンガポールのインターネット事情や利用状況はどのようになっているのかをご説明します。シンガポール人の84%がインターネットを利用
「Digital 2019」によると、583万人いるシンガポール人のうち、84%(約492万人)がインターネットを利用しています。前年と比べると利用率は1.9%増加で微増となっています。まだ人口の16%のシンガポール人はインターネットを利用していないということになりますが、今後この層へのインターネットが普及していくスピードは緩やかなものであると考えられます。
また、携帯の契約率は148%で、一人で複数の回線を持っている人がいるということが分かります。
ソーシャルメディアプラットフォームの利用率は79%
ソーシャルメディアプラットフォームにはソーシャルネットワーキングサービスとメッセンジャーの2種類が含まれます。シンガポールのインターネットユーザーのうち、ソーシャルメディアプラットフォームをアクティブに利用している割合は、79%(約420万人)です。
昨年と比べて4.2%利用率は低下していますが、インターネットユーザー自体は増えており、シンガポールにおいては昨年はソーシャルメディアがダウントレンドであった可能性がうかがえます。
シンガポールで人気のSNSトップ3とマーケティングへのヒント
続いてはインターネットユーザーによく利用されているSNS、メッセンジャーについて解説します。
1. Facebook
1位は日本でもお馴染みの「Facebook」です。シンガポールでは82%の利用率と、かなり普及していることがわかります。
世界全体では20億人以上のユーザーがおり、1番多くのユーザーを持っています。
WhatsAppやFacebook Messengerなどのメッセンジャーアプリとの違いとしては、情報の拡散や情報収集ができるということが挙げられます。また、多くの企業がビジネスに利用しています。
2. Instagram
2位はインスタ映えという言葉が話題になっている「Instagram」です。世界では近年利用者数が10億人を超えました。写真や動画といったコンテンツをメインに、テキストを投稿できます。若者や女性が利用することが多いと言われており、こうした属性の人々が好むサービス設計であるようです。
画像を投稿するシステムになっているので文字より興味を惹きやすいことが特徴です。Instagram上でつながりあった友達同士とつながったり、コンテンツのビジュアルで世界観を読み取り、共感できるユーザーをフォローして投稿をチェックするといった使い方がされています。
シンガポールのインターネットユーザーのうち、アクティブな利用をしている割合は59%です。Facebookには追い付きませんが、5人のうち3人が利用しているので、それなりに普及していると言えるでしょう。
3. Twitter
日本では非常に利用率の高い「Twitter」は、シンガポールでは3番目に利用率の高いSNSとなっています。シンガポールのインターネットユーザーのうちおよそ3人に1人、34%がアクティブに利用しています。
FacebookやInstagramと比べるとかなり少なくなっており、Twitterが備える匿名性や、情報が流れて行ってしまうサービスの構造を必要とする層があまりシンガポールには多くないのかもしれません。
Twitterには他人の投稿を自分のアカウントで紹介できるリツイートという機能があり、また自身がフォローしているかどうかにかかわらず、他人のリアクションでコンテンツがタイムラインに表示されるような仕様になっています。Twitterは他のSNSに比べ拡散力が強いといわれる面もあり、Twitterのシンガポールのインターネットユーザーにおける利用率はそれほど高くありませんが、活用の仕方(トピックやコンテンツの選定)によってはその拡散力により一定の効果が見込めるでしょう。
Facebookを利用したマーケティング事例
シンガポールでは、Facebookが最もよく利用されているSNSであることがわかりました。最後にFacebookを利用したインバウンド向けのプロモーション施策について紹介します。
1. 澤の屋旅館
「澤の屋旅館」は、東京都台東区にある訪日外国人に人気の旅館です。家族で経営するこの旅館には大浴場と露天風呂が完備されており、東京国立博物館や上野動物園などに簡単にアクセスできます。
1982年からインバウンドの受け入れを開始し、現在では宿泊客の90%以上が欧米圏からの訪日外国人というまでになりました。
この旅館ではFacebookに毎日英語で投稿、写真や動画とともに天気や地域の催しものなど周辺情報や施設の情報などを配信しています。
イベントの動画も配信しており、バラエティー性に富んだ投稿と更新頻度の高さが特徴的です。
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2. アキバフクロウ
東京・秋葉原にあるフクロウカフェ「アキバフクロウ」は、トリップアドバイザーの「外国人に人気の日本の体験・ツアー ランキング 2018」で第2位にもなった訪日外国人に人気のスポットです。
アキバフクロウのFacebookには、主にフクロウの写真が投稿されています。毎日とまではいきませんが、かなりまめに投稿しているようです。
外国語対応に関しても、フクロウの種類のみ日本語と英語が併記されているだけで、他はすべて日本語です。しかしながらコメント欄には外国語のコメントが多く寄せられています。
外国語対応も必要ですが、魅力的な写真を載せ、こまめに更新することも重要だということがわかります。
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3. お宿 山久
「お宿 山久」は岐阜県の高山市にある、明治・大正時代をイメージしたロマンチックなアンティークが特徴の宿です。
家庭的なおもてなしと、飛騨のかかさま料理(「お母さま」による手料理のこと)が堪能できます。
日本語と英語の2か国語で投稿をしており、宿泊者の写真も同時にアップすることで、宿泊を考えている人にとって宿の様子がイメージしやすくなっています。
また、動画も使用し旅館の雰囲気を伝えています。
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SNSを利用したマーケティングはまずは多言語と継続、動画コンテンツでメッセージを
シンガポールのインターネットユーザーのうち、SNSに関しては、Facebook、Instagramを主軸にTwitterも3人に1人がアクティブに利用しているということがわかりました。
SNSは利用者のリアクションによる拡散効果が狙えるだけでなく、反応を分析することで、ユーザーの潜在的なニーズについて仮説を立てることもできるでしょう。
またそれぞれのSNSサービスにより親和性の高い層に違いがあります。SNSを利用したマーケティングにおいては、ターゲットを定めるという基本をおさえることができます。またそれぞれのSNSには企業向けの機能も提供されていますので、居住地域や年齢によるより詳細なターゲティングも可能です。
どのSNSでも、投稿できるコンテンツの形式は折々にアップデートされています。コンテンツ形式を工夫することで、情報の発信者のメッセージをより効果的に伝えることができます。
年代によっては、今やSNSを利用しないで情報収集をする方がまれでさえあります。すべての形式を掌握するのは至難の業ではありますが、専門の業者と協力しながら継続的に情報発信をすることが重要です。
インバウンド市場においては、日本語だけでなく多言語での情報発信が望ましいですが、外国語人材を雇用するまでに時間がかかる場合もあります。動画であれば言葉がなくともメッセージのこもったコンテンツが作成できますので、まずはできることからスタートすることも良いでしょう。
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