昨年の訪日台湾人観光客数は475.7万人で、中国(838万人)、韓国(753.9万人)からの訪日観光客数に次いで多い、一大マーケットとなっています。
台湾といえば、現在中国(中華人民共和国)とは異なる政治制度が敷かれているものの、文化面、歴史面では中国のそれと切っても切り離せない地域です。
台湾で話されている言葉は「台湾華語」「國語」と言われますが、文法、基本的な発音、多くの単語が、中国で話されている言語と同じです。単語では一部「タクシー」「自転車」「地下鉄」といった固有名詞やそれに対応する動詞に違いがあります。
また最も大きな違いは、中国の行政区では「簡体字」と呼ばれる省略された字体が使われている一方で、台湾では「繁体字」と呼ばれる明治期の日本にあったような複雑な字体の漢字が使われていることでしょう。(台湾のほか、中華人民共和国の特別行政区である香港・マカオで使用されています。)
また台湾には「台湾語」と呼ばれる台湾人口の74.5%以上を話者とする言語もあります。これは中国の福建省の南部で話される言葉のグループに入るものです。さらに台湾にはもう一つ、台湾の先住民が話すフォルモサ語も存在します。
この記事では台湾で使用される中国語(繫体字中国語)と、台湾語の翻訳に使える無料・有料ツールやそれぞれのメリット・デメリットについて紹介していきます。
※資料請求には無料の会員登録が必要です
調査・リサーチ(台湾・香港) research-taiwanカテゴリの詳細はこちらインバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
2018年の訪日台湾人観光客は、訪日観光客全体の15%を占める475.7万人
2018年の訪日台湾人観光客数は475.7万人と報告されており、全体の15.25%を占める計算になります。
注目すべきはその訪日理由です。台湾以外の訪日外国人の多くは桜や紅葉、史跡や日本文化を目当てに来日しています。しかし訪日台湾人観光客の場合は「FUJI ROCK FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」などのライブを目的とした来日が多くなっています。
訪日台湾人観光客は地方都市を目指す
訪日台湾人観光客だけでなく訪日香港人観光客にも通じる特徴ですが、両者の訪日リピート率、個人旅行比率は他国籍外国人と比較して圧倒的に高くなっています。
「コト消費」の流行が業界のキーワードになって久しく、「神薬」はじめとした日本製品の購入に積極的だった訪日台湾人観光客の観光ニーズも、買い物から体験にシフトしつつあります。
体験を重視する観光客は、より特別な体験を求めて、あまり有名でない史跡や自然環境の豊かな場所を目指すことがあります。訪日台湾人観光客も、これまでのゴールデンルートと呼ばれる主要都市だけでなく、日本各地の地方の観光地へと、その関心のありかを変化させています。
また、日本での遊び方、食、買い物に関する内容について興味を持つ人々が増えたことを示す一つの例があります。台湾・香港向けの訪日観光情報サイト「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」では、2011年のサービス開始以来、右肩上がりに閲覧数を伸ばしています。
「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」は現在、月間約600万PV、月間ユーザーは180万人以上の人気サイトです。Facebookでは13万以上のいいねを獲得しています。
下記ページでは訪日台湾人のインバウンドデータについてまとめています。
データでわかる訪日台湾人観光客
インバウンド施策をしていく上ではターゲットとなる方々がどのような特性や国民性を持っているのかを知るのは非常に重要です。このページでは台湾人は国として国民性としてどのような特徴や特性を持っているのか、訪日台湾人は日本国内でどのような行動を取っているのかを実際のデータを元に紐解いていきたいと思います。
訪日台湾人観光客のインバウンド
訪日台湾人は2016年の訪問数で417万人と中国、韓国に続く3番目の旅客数となっています。台湾の人口が約2400万人なので、再訪問がなかったと仮定すると毎年6人に1人が日本に旅行に来ている計算になります。親日の方が多いのも訪日客数を伸ばしている要因の一つ。言語は中国本土とは違い繁体字で、中国人と一緒にされることを極端に嫌うため言語の取扱には注意が必要です。また、中国本土と違いyoutubeやSNSの利用にも制限がないため、マーケティングし易いのも一つの特徴です。
【訪日ラボ監修/無料】インバウンド対策を始めるなら「インバウンドの教科書」にお任せ
繁体字中国語の翻訳に使えるおすすめ無料ツール3選
台湾・香港人の集客を考える上で、中国語、台湾語に対する対応力が問われます。
まずは、中国語の翻訳を行うことができる無料ツールについて紹介していきます。
1. 日常会話からビジネスシーンまで幅広い翻訳に使える「BitEx中国語」
中国語の翻訳ツールの中で、豊富な機能で人気を集めているのが「BitEx中国語」です。
辞書、会話、eラーニングといったさまざまな機能が基本無料で使えることに加え、音声やピンインがついていることも人気の理由です。
単語や文の意味を理解する際に、それぞれの発音を併せて確認することは上達への近道となります。
2. 楽天が提供する無料翻訳サービス「Infoseekマルチ翻訳」
楽天が提供する無料翻訳サービス「Infoseekマルチ翻訳」は、簡体字と繁体字の両方に対応している点が特徴です。
また、AIによる自動翻訳のため、即時的に翻訳を行うことが可能です。
有料の翻訳サービスと比較するとAIならではのミスは少なからず発生しますが、対応言語も多く、無料で手軽に翻訳が行える点が人気を集めています。
3. 口頭でのやり取りに便利な無料翻訳アプリ「VoiceTra」
口頭でのコミュニケーションの際に役立つ無料翻訳アプリが「VoiceTra」です。
話しかけると任意の外国語に翻訳してくれる音声翻訳アプリで、31言語に対応しており、かつ無料でダウンロード、利用が可能です。
アプリ内の画面も見やすく直感的な操作が可能で、訪日外国人客への対応の際に利用している人が多いようです。
台湾語に翻訳できるサービス2選
台湾における公用語は中国語ですが「台湾語」も併せて広く用いられています。台湾語は台湾人口の74.5%以上を話者とする言語です。
両者の文法には共通点がありますが、発音はかなり異なり、似て非なる言語であることがわかります。
セレモニーや学校教育などの公式な場では中国語が用いられますが、家族との会話や日常生活では台湾語が用いられることも多いため、台湾語にも対応できるよう準備をしておくとより良いでしょう。
1. 専門性が高い翻訳に定評のある「台湾トランス」
正確な翻訳を求める人々に人気のある翻訳サイトが「台湾トランス」です。
主に中国語(北京語、台湾語、簡体字、繁体字を取り扱っていますが、それ以外の言語の翻訳も対応可能です。
今や、AIによる翻訳サイトやクラウドソーシングなど、安価で翻訳を行う手段がありますが「台湾トランス」ではプロフェッショナルによって翻訳されるため、専門性の高い文章や難解な文章の翻訳におすすめです。
ネイティブによるダブルチェックも行なっていることもあり、納品時のミスも少ないと高い評価を得ています。
2. 台湾語に翻訳するときにおすすめの辞書アプリ「萌典」
翻訳を自ら行う際におすすめの辞書アプリが「萌典」です。
アプリなので、コミュニケーションをとりたい相手に、その場で実際に聴いてもらうこともできます。
台湾語に限らずですが、発音記号で確認したつもりで自分で再現して伝達を試みようとしても、結局不正確な発音になってしまい、意図するところが伝わらない、というケースが往々にしてあります。
アプリが再生する正確な発音を聞くことで、正しい発音も身につくかもしれません。
【訪日ラボ監修/無料】インバウンド対策を始めるなら「インバウンドの教科書」にお任せ
翻訳ツールを効果的に使って繁体字中国語・台湾語への対応を
近年の需要拡大にともない、中国語・台湾語に対応している翻訳サイトやアプリは増加しています。
それぞれの翻訳ツールのメリット・デメリットを比較し、自らのニーズに合わせて効果的に利用することで、訪日台湾人観光客の対応や集客につなげることができるでしょう。
中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!