ロンリープラネットとは、主に英語で出版されている旅行ガイドブックです。同名の出版社から出版されています。1973年に最初のガイドブックを出版しました。
インターネットサービスが普及し、SNSでの口コミ検索が広がっている昨今でも、訪日観光市場では依然としてガイドブックが支持されています。
今回は、観光庁の調査結果から、フランス・ドイツ・イタリアから訪日した外国人観光客にとって旅マエにどのような情報源が役に立ったかについて、またガイドブック「ロンリープラネット」の概要や特徴、人気の理由、その他の海外のガイドブックについて解説します。
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ロンリープラネットとは?
ロンリープラネットは旅行のためのガイドブックで、主に欧米圏の居住者が読者層です。

全世界で約25%のシェアを持つガイドブック
ロンリープラネットは全世界で約25%のシェアを占める旅行ガイドブックで、ガイドブックとしては圧倒的な650のタイトル数を誇ります。
ロンリープラネットの歴史は1973年に、ロンリープラネット創業者であるトニー・ウィーラー夫婦の新婚旅行であったユーラシア大陸横断の旅を記した「Across Asia on the Cheap」刊行に始まっており、40年以上の歴史があります。
版行に関する本部はオーストラリアのメルボルンに構えており、それぞれの国・地域別に出版しています。
英語の他に、フランス語、ドイツ語など10を超える言語で出版されており、世界有数の旅行ガイドブックとなっています。
2020年のロンリープラネット推薦の旅行先に「東北」3位にランクイン
ロンリープラネットが2019年11月に発表した「Best in Travel 2020」において、日本の東北地方が3位に選出されました。
ロンリープラネットは外国人旅行者に絶大な信頼を誇るガイドブックであり、今後、同地への訪日外国人観光客の増加が期待されます。
訪日外国人のガイドブック事情/ヨーロッパからの旅行者に支持されている
近年、訪日外国人客数は年々増加しており、ヨーロッパも例外ではありません。
観光庁の「訪日外国人消費動向調査」に、ヨーロッパからの旅行客の情報収集に関するものがあります。各国とも、ガイドブックの利用が目立ちます。
観光庁による訪日外国人消費動向調査から、訪日外国人観光客の「ガイドブック」事情を概観します。
フランス
訪日前に利用した情報収集手段について、フランスの結果は以下のようになっています。 ※「出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの(複数回答)」(訪日外国人消費動向調査より引用)
1位 日本在住の親族・知人:28.7%
2位 旅行ガイドブック:28.1%
3位 口コミサイト(トリップアドバイザー等):27.7%
ドイツ
訪日前に利用した情報収集手段について、ドイツの結果は以下のようになっています。 ※「出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの(複数回答)」(訪日外国人消費動向調査より引用)
1位 日本在住の親族・知人:26.8%
2位 口コミサイト(トリップアドバイザー等):25.1%
3位 旅行ガイドブック:25.0%
イタリア
訪日前に利用した情報収集手段について、イタリアの結果は以下のようになっています。 ※「出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの(複数回答)」(訪日外国人消費動向調査より引用)
1位 旅行ガイドブック:34.3%
2位 口コミサイト(トリップアドバイザー等):30.1%
3位 自国の親族・知人:24.1%
全国籍
訪日前に利用した情報収集手段について、全国籍の結果は以下のようになっています。 ※「出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの(複数回答)」(訪日外国人消費動向調査より引用)
1位 個人のブログ:30.6%
2位 SNS(Facebook/Twitter/微信等):23.7%
3位 自国の親族・知人:17.6%
旅行ガイドブックは、6位(13.5%)という結果になりました。
フランス・ドイツ・イタリアからの訪日客におけるガイドブック利用率は、平均よりも高いといえるでしょう。
インバウンド向けサイトまとめ:訪日外国人観光客メディアの訪問者数ランキングTOP10
近年インバウンドビジネスの高まりとともに、インバウンド向けに外国語で日本の観光スポットや日本文化などを紹介するWebサイトやメディアが増えてきています。 観光庁によれば、訪日外国人観光客は、日本を訪れる前にスマホやパソコンを用いてインターネットから情報収集をしています。多くのインバウンド向けWebサイトやメディアがある中で、訪日外国人観光客は実際にはどれを見ているのでしょうか。本編では、WEBサイトのアクセス解析ツール「SimilarWeb」を活用して、月間訪問者数を基にランキング形式で人...
外国人向け旅行ガイドブック「ロンリープラネット(Lonely Planet)」とは
街中で青色の辞書ぐらいのサイズの本を持って何かを探している欧米系外国人観光客ーそんな姿を見たことはないでしょうか?彼らが持っているのは「ロンリープラネット(Lonely Planet 略称:ロンプラ)」というガイドブックです。海外旅行のガイドブックといえば、日本では「地球の歩き方」が有名ですが、世界規模で見ると「ロンリープラネット」は海外旅行者向けガイドブックとして世界一のシェア率を誇ります。訪日ラボでの記事でも「訪日外国人観光客向けメディアまとめ:訪問者数ランキングTOP10」や、その他...
ロンリープラネットの4つの特徴とは?
数多くある旅行ガイドブックのなかで、ロンリープラネットがここまでシェアを伸ばした要因はどのような点にあるのでしょうか。ここからは、ロンリープラネットの4つの特徴について紹介します。
1. 情報量が多い
ロンリープラネットの特徴としては情報量の多さが挙げられます。
日本にも「地球の歩き方」、「ことりっぷ」などの人気旅行ガイドブックがありますが、それらと比較してもページ数が多く、また内容についてもほとんどが文字で構成されています。写真の数は少ないため、視覚的情報よりも文字情報として詳細な情報を求める訪日外国人の支持を得ています。
2. 主に欧米の言語で書かれている
ロンリープラネットが欧米圏で根強い人気を得ている理由として、主に欧米の言語で執筆されていることがあります。ロンリープラネットは旅人や現地在住者が執筆をしていますが、ライターも欧米人が多く原本は英語で執筆されます。
フランス語、ドイツ語やイタリア語などのヨーロッパ版についてはバリエーションも多いですが、アジア圏の言語ではほとんど執筆されておらず、かつて存在した日本語版も現在では廃盤となってしまっています。
3. 広告がない
広告やタイアップがないことがロンリープラネットの最大の特徴であるといえます。旅行ガイドブックやその他の雑誌では広告やタイアップによって収益モデルを確立しているものが一般的ですが、ロンリープラネットでは全編にわたり広告やタイアップは存在しません。
そのため、紹介される事物や施設などに関する評価も中立的な視点から書かれたものとして信頼を得ています。内容や評価の真偽が重視される媒体ということもあり、読者からの信用度の高さはロンリープラネットの人気を支えています。
4. Web版もある
ロンリープラネットにはWeb版も存在し、世界中の国や地域の歴史、文化、気候、言語などの情報について、書籍版同様に詳しく記載しています。
Web版ロンリープラネットもプレビュー数の多いページですが、広告やタイアップを基本的に行わない方針は崩しておらず、提灯記事や記事広告以外の特定の条件を満たしたものだけをバナー広告として載せるという対応を取っています。
言語については、Web版においてもやはり欧米の言語への対応が多く、アジア圏では韓国語にのみ対応しています。
日本を訪れる外国人は他にどんなガイドブックを使っているか
海外におけるロンリープラネットの人気ぶりはここまでに記載した通りですが、訪日外国人はロンリープラネット以外にどのようなガイドブックを利用しているのでしょうか。
Frommer’s EasyGuide to Tokyo, Kyoto and Western Honshu

巻頭に記載されているコンセプトは「すぐに読める」「手軽に持ち運べる」「的確なアドバイス」「様々な価格帯」「詳しい記載」の5つで、ペーパーバックと電子書籍版が発売されています。
こちらも多くのリピーターを有する人気旅行ガイドブックです。
DK Eyewitness Travel Guide Japan

また、全編にわたり写真が多いため、読みながら視覚的にも楽しむことができる構成となっています。
日本を旅行する外国人にも人気 ガイドブック「ロンリープラネット」
今回の記事では、欧米を中心に旅行ガイドブック業界で圧倒的なシェアを誇るロンリープラネットの概要、特徴から人気の理由について紹介しました。
日本ではインターネットやスマホ・アプリの普及にともない、書籍型の旅行ガイドブックは昔に比べ伸び悩んでいますが、欧米ではまだまだ人気があります。国によっても訪日旅行に際する情報収集の方法は異なることを頭に入れ、適したアプローチ方法をとるとよいでしょう。
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【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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