1997年の東南アジア通貨危機以降、主に脱税防止のためにクレジットカード利用者の優遇を始めた韓国は、世界一キャッシュレス化が進んでいる国として知られています。
近年はモバイルQRコード決済も複数登場し、決済手段の多様化が見られます。店舗は規模の大小にかかわらずクレジットカード決済に対応しており、外国人観光客にも便利な環境が整っています。
韓国では店舗に課せられるクレジットカードの決済手数料率が2%程度です。日本に比べて低水準とはいえ、決済のほとんどがクレジットカードで行われる韓国では、小規模事業者にとって決済手数料が重い負担となっています。
政府は小規模事業者向けの決済手数料について引き下げを検討する一方で、ソウル市が中心となって決済手数料ゼロの新QRコード決済の立ち上げも実施しています。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
韓国ソウル市のZeroPay
「ZeroPay(ゼロペイ)」は2018年12月からテスト運営が始まったQRコード決済サービスです。2019年4月現在、加盟店は10万店舗を突破しています。
加盟店に課せられる決済手数料は0%
前年の売上高が8億ウォン以下の店舗では、「ZeroPay」の決済手数料が0%になります。そのため売り上げが目減りせず、店舗の負担が軽減されます。
消費者は40%の所得税控除が受けられる
消費者が「ZeroPay」で決済をすると、決済代金の40%が所得控除の対象となります。韓国ではキャッシュレス決済による支払いで所得控除が受けられますが、クレジットカードでは15%、チェックカードでも30%なので、より高い控除率に設定されている点が特徴です。
スマホ決済のニーズは世界的に高まる傾向
クレジットカード決済が主流の韓国。キャッシュレス比率はおよそ90%でインフラは整っているように見えますが、Zero PayやカカオペイといったQRコード決済が登場し、決済手段の多様化が進んでいます。
中国ではアリペイやWeChat Payによる顔認証決済システムなども登場し、無人店舗が増えています。インドでも高額紙幣の廃止とともにスマホ決済が急速に普及しており、この世界的な流れは止まりそうにありません。
国内のスマホ決済も続々登場
日本国内でも多様なQRコード決済が登場しています。2019年5月以降、au PayやゆうちょPayがサービスを開始しています。国内外を問わず多くの観光客がスマートフォンを所持し、この先スマホ決済の利用率が高まると、通信環境の整備や決済手段の充実といった対策が行われていない店舗が嫌厭されかねません。
無料でキャッシュレス化するなら今!
日本では2019年10月から予定されている消費増税に伴い、小規模店舗を優遇するためポイント還元施策が予定されています。これはクレジットカードや電子マネー、QRコード決済といった繰り返し利用可能なキャッシュレス決済の加盟店が対象です。
ポイント還元の対象店舗になるには
ポイント還元の対象店舗になるためには、あらかじめポイント還元の対象に登録されている決済事業者と契約し、ポイント還元対象店舗としての登録手続きが必要です。新規でキャッシュレス決済を導入する際は、決済端末などの初期費用を国と決済事業者が負担することになっています。つまり、今なら店舗は無料で設備を導入できるのです。さらに、2020年9月までのポイント還元期間中は、決済手数料の優遇も受けられるというオマケつきです。
まとめ:キャッシュレス経済のメリットを理解し、早めの活用を
今後、キャッシュレス決済はますます拡大していくと見られています。キャッシュレス化により得られるメリットは、導入しないメリットをはるかに上回ります。また、導入しないことで消費者の購入機会を逃している可能性もあり、こうした損失は日がたてばたつほど大きくなると言えるでしょう。
消費増税目前の今、国がキャッシュレスによる優遇施策を予定している今こそ、最小限のコストでキャッシュレスの効果を検証できるまたとないチャンスです。是非この好機を活用してください。
<参照>
The Korea Herald:Proposed credit card fee change sparks controversy(2018.11.26)
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!