7月4日に日本政府が韓国に対する輸出規制強化の措置を発動したことにより、韓国では反日感情が高まっています。韓国国内では、日本製品の不買や日本旅行をキャンセルするなどの反発運動「ボイコットジャパン運動」が激化しています。こうした事態について日本国内で実施されたあるアンケートでは、今回の日本の措置に納得している人が80%を超えるという結果も見られました。
また28日には北朝鮮が日韓対立を好機とみて、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を韓国側に要求し始めまるに至っています。
今回の日韓対立はなぜ引き起こされたのか、どんな不利益が起こっているのかについてみていきます。
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日本からの輸出規制強化と、SNSでのボイコットジャパンの広まり
日本政府による韓国向け半導体素材の輸出規制強化されたことで、日韓関係が戦後最悪とまで言われる状況になっています。今回の規制に対して、韓国側は「元徴用工問題への対抗措置であり、WTO推進の自由貿易に反する」と主張する一方、日本側は「決して報復的な措置ではなく、安全保障に関わる貿易管理の強化」との姿勢で、見解に相違があります。
現在韓国では、日本への報復活動として、日本製品の不買や日本旅行キャンセルなどする「ボイコットジャパン運動」が相次いでおり、SNSなどを通じて急激に拡大されています。
日本政府は今回の対韓輸出管理の厳格化に加え、8月中に貿易上の優遇措置を適用する「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正を閣議決定する予定で、日韓関係の緊張がさらに高まると予想されます。
「ホワイト国」とは?
6月30日、日本政府は8月中に「ホワイト国」から韓国を除外すると発表しています。ホワイト国とは、日本の友好国として、輸出上の管理において優遇措置を受けられる国々のことです。ホワイト国には27カ国がリストインされています。
韓国はアジア唯一のホワイト国です。8月2日に政令改正が閣議決定されれば、日本からの韓国への貨物輸出に対し、契約ごとに個別の許可が求められるようになります。
ボイコットジャパン、不買対象は旅行にまで…痛手を負う「韓国」
こうした日本政府の輸出規制強化に対する反発から、「ボイコットジャパン運動」が韓国で拡大中です。韓国のSNS上では、「ボイコットジャパン」のハッシュタグがトレンドにもなっており、日本行きの取りやめや日本製品の不買について投稿するユーザーが増加しています。
官公庁や公的機関などを中心に団体客が7~8月の旅行を続々キャンセルしているとも伝えられています。韓国大手の旅行会社6社の日本旅行キャンセル率は6割以上、沖縄ツーリストでも8月に入っていた団体予約の半数がキャンセルされています。
そのほかにも、長崎県対馬市で開催される8月の祭りに合わせて「朝鮮通信使」(朝鮮王朝の外交使節)が日本寄港予定でしたが、これも中止が決定しました。釜山市長が表明した「日韓交流行事の全面見直し」からの影響ではないかとみられています。
航空路線では、韓国経済の低迷と日韓関係の悪化を理由に、韓国LCCのティーウェイ航空が9月中旬からの佐賀―釜山間はじめ計5路線の順次運休を決定しています。
観光客減少で韓国LCCの株価が軒並み下落
反日感情の高まりから、日本旅行のキャンセルが相次いでいる影響で、日本路線の搭乗客数が減ってきています。今回の輸出規制発表以前に予約された航空券キャンセルは、全体ではそれほどの割合でもないかもしれませんが、これから旅行を計画しようとしていた人たちは、日本行きを選択肢から外すことが考えられます。
LCC業界にとっては夏は繁忙期の一つですが、今年はこうした日韓関係悪化の影響で業績が予想を下振れすることも考えられます。こうした予測が、韓国LCC各社の株価下落を引き起こしています。6月末から7月上旬までにLCC各社の株価は、チェジュ航空15.5%、ジンエアー17.5%、ティーウェイ航空8.9%下落しました。
まとめ:訪日観光市場と韓国経済の行方握る日韓関係
日本のインバウンドにとって、訪日数第2位を誇る韓国は重要な市場です。韓国市場の訪日消費額は2018年には。韓国人観光客の減少は日本に少なくない経済的打撃を与えると考えられます。
一方で、こうした観光領域での不買運動は、ひるがえって韓国企業へもダメージをもたらしています。多くの観光客を日本に運んでいたLCCの利用者の減少により、すでに株価の下落が起こっています。不買運動は日本への報復的側面を持ちながら、結果として韓国経済に不利益をもたらす事態となっています。
8月にホワイト国リストから除外されれば、韓国はさらなる経済的損失を被ることになりそうです。こうした状況を韓国政府はどのように打破するのか、注視しているのは日本政府だけではないはずです。
<参照>
「ボイコットジャパン」で韓国LCCに赤信号 東洋経済ONLINE
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