なぜ牛久に外国人?世界最大の大仏だけじゃない茨城県のインバウンド市場におけるポテンシャルを探る

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茨城県には、世界最大級の大仏「牛久大仏」があります。この大仏が近年、訪日外国人の人気観光スポットになっているといいます。その人気の理由を探るべく、茨城県インバウンドの取り組みと茨城の観光スポット、牛久大仏の特徴について紹介します。



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インバウンドにおける茨城の位置づけ

日本人による「都道府県魅力度ランキング」では数年連続で最下位となる茨城県ですが、実はインバウンドにおいては「平均点」の地域です。訪日外国人の訪問数や訪問率などは平均程度となっています。

詳しくは下記の茨城県インバウンド需要のページを参考にしてください。

茨城県のインバウンド需要

日本人による「都道府県魅力度ランキング」では数年連続で最下位となる茨城県ですが、インバウンドにおいては、訪日外国人の訪問数や訪問率などは平均並となっています。

日本人より訪日外国人の方が茨城を支持しているという仮説が立てられそうです。インバウンド人気の理由にはアクセスの良さが考えられます。

茨城には茨城空港があり中国韓国台湾からの直行便が出ています。都内との間を走るバスや特急を利用すれば、2時間以内で都心に到着することができます。

また茨城はレジャー施設等もあり、自然を楽しめるスポットとして人気です。事実、インバウンドに関するデータを提供するナイトレイの「茨城県に訪れる訪日外国人の特徴」では茨城を訪れる訪日外国人の目的の上位に、レジャーが来ています。

同じく、同社の独自データ解析では「牛久大仏」が茨城の人気のスポットとして1位にランクインしています。訪日外国人にとって「牛久大仏」は観光スポットとしてかなり有名であると考えられます。

牛久大仏はウルトラマン、自由の女神よりもずっと大きい

訪日ラボ編集部撮影
訪日ラボ編集部撮影

訪日外国人に人気の牛久大仏とはどのような建造物なのでしょうか。

1992年、茨城県牛久市に浄土真宗東本願寺派の霊園である牛久浄苑エリア内に「牛久大仏」は建造されました。全長は120mで、青銅製立像としては世界一の高さを誇り、1995年にはギネスブックに登録されています。

日本の大仏として有名な奈良の大仏が掌に乗るほどで、アメリカの自由の女神像と比べると約3倍もあるという特大サイズです。ちなみに、ウルトラマンは40m、数年前に大ヒットをしたシン・ゴジラが118.5mという設定なので、「牛久大仏」はウルトラマンの3倍の大きさで、シン・ゴジラより大きいということになります。

「牛久大仏」は、その中に入ることができます。大仏の中へ入ることは「胎内拝観」といい、牛久大仏の胎内拝観料は800円です。

土日となると最大70分待ちするほどの人気のスポットとなっています。最寄り駅はJR常磐線の「牛久駅」なので、茨城空港よりも東京に近く、都内から約1時間のアクセスなです。東京近辺に滞在する訪日外国人にとっても十分移動可能な範囲に位置してます。

大仏に対する海外の反応=大きい!

訪日外国人から人気を得ている「牛久大仏」ですが、海外ではどのような反応を得ているのでしょうか。海外の反応を見てみましょう。
SNSや海外の反応のまとめを見てみると下記のような投稿が沢山あります。
これはすごいし幻想的だね。自分の目で見てみたい!

すごく平和な光景!

アニメの「GANTZ」みたいな大仏だね!

マジででかすぎる!日本に行ったら一度は見てみたい。

実際に行ってみたけど、あまりにも大きすぎて現実感がなかった

自由の女神よりもでかいなんでビックリだ
総じて「牛久大仏」の大きさにびっくりした気持ちを述べています。また、自国の銅像などと大きさを比べて改めて驚きを抱いている投稿も見られました。世界共通で「牛久大仏」の大きさはインパクトがあるようです。

ツアーに組み込まれる例も「ダイヤモンドルート」

【東京~静岡・山梨(富士山)~名古屋~大阪・神戸・京都】という日本旅行の観光経路は「ゴールデンルート」と呼ばれます。初めて日本を訪れる訪日外国人に人気です。

しかし、リピーターにとってはこうした地域はすでに観光してしまった場所でもあり、まだ知名度がそこまでない土地を訪れてみたいというニーズも小さくありません。こうした訪日外国人の期待に応えるべく、近年では「ダイヤモンドルート」と言われる東北経由の【福島~茨城~東京~静岡~名古屋】というルートが提唱されています。現在世界に向けてPRされている「ダイアモンドルート」には、「牛久大仏」のある茨城も含まれています。


ダイアモンドルートを広報する動画にも、「牛久大仏」が登場しています。こうした動画は多いもので700万回以上再生されており、インバウンド市場における知名度の上昇や実際の集客が期待されています。

自然にショッピング…実は観光資源が豊富な茨城

日本国内では魅力度ランキング最下位の茨城ですが、実は観光資源が豊富にあります。例えば、国営ひたち海浜公園のネモフィラです。

一面に広がるひたち海浜公園のネモフィラ
▲ネモフィラのInstagram投稿:編集部スクリーンショット

Instagram:ひたち海浜公園のネモフィラの投稿(https://www.instagram.com/p/BxV_MDOA3G1/)

インスタ映えすることで国内でも有名ですが、訪日外国人も多く訪れています。国営ひたち海浜公園では「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」という音楽イベントも年一回開催されており、ネモフィラ同様国内外で人気を博しています。

茨城県稲敷郡阿見町には、2009年7月開業したアウトレットモール「あみプレミアム・アウトレット」もあります。この他にもバンジージャンプが楽しめる竜神大吊橋や日本三名瀑の一つに数えられている袋田の滝、東京ドーム9つ分の大きさを持つ茨城アサヒビール工場など、観光コンテンツがこれでもかというほどたくさんあります。

県知事交代が茨城のインバウンド施策に与える影響は?

実は茨城県では2017年より県知事が前県知事の橋本氏から大井川氏に交代しています。茨城の県知事が変わるのは24年ぶりのことで、大井川氏はニコニコ動画で有名なドワンゴで取締役を努めた経歴を持ちます。

大井川氏は『~「新しい茨城づくり」へのチャレンジ~』と題して、平成30年7月に茨城の活性化に向けた様々な取り組みを発表しました。その一つにあるのがビジット茨城・海外誘客プロモーション事業(新規)です。

資料によれば今後、インバウンド誘致に向けたPRや情報発信、旅行商品造成促進、受入環境整備、OTAを活用したプロモーションに力を入れていくようです。県知事の交代は茨城のインバウンド事業を盛り立てるに追い風となりそうです。

アクセス良好で観光資源も豊富な茨城、これからの成長に要注目

近年、訪日外国人のニーズは細分化が進んでいます。以前までのゴールデンルート一辺倒の観光ではなく地方や、あまり知られていない観光地に足を運ぶようになりました。そう考えると茨城はインバウンドのポテンシャルが実は高い地域だと言えそうです。今後の取り組みには要注目でしょう。

 

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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