韓国の放送局「JTBC」は2019年8月10日、化粧・健康食品会社DHCが嫌韓的なインターネット番組を放送しているとして、同社を非難しました。
韓国では契約モデルがDHCとの再契約を拒否するなど、嫌韓ムードへの抗議の意を示す動きが広まっています。国民の間でもこれに伴って「#잘가요DHC(さよならDHC)」のハッシュタグが拡散されています。
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DHCの問題発言
韓国の大手紙・中央日報系のJTBCは10日、11日の2日間にわたって、株式会社DHCの子会社「DHCテレビ」が制作するネット番組「真相深入り! 虎ノ門ニュース」を取り上げました。10日の放送では、同番組内で韓国を見下した発言や、歴史を歪めるような発言をしたと紹介しました。具体的には、韓国について「かの国は熱しやすく冷めやすいので同じ土俵に乗って日本がわいわい言うんじゃなくて静かに見ている(のが一番いい)」といった発言などについて問題視しています。
また11日の放送では、ジャーナリストである有本香氏の「GSOMIA(日韓の軍事情報包括保護協定)から離脱するといっているが、もし本当にやったら文在寅は消されるとまで言われている」という発言を問題視する姿勢を示しました。
DHCテレビ制作「虎の門ニュース」とは?
「深層深入り!虎ノ門ニュース」は、YouTube Live等の動画共有サービスにてライブ配信を行っている報道番組、ニュースショーです。株式会社DHCテレビジョン(DHCテレビ)が制作しています。DHCテレビは株式会社DHCが100%出資する非上場の会社です。
同番組は、過去には韓国のアイドルグループ「防弾少年団(BTS)」のメンバーが原爆をモチーフとしたTシャツを着ていたことに対し批判したこともありました。歴史認識について、韓国に対し批判的な姿勢をとることで知られています。10日の放送では、DHC不買運動以外にも慰安婦の少女像について卑猥な発言をするなどしています。
続く応酬、13日にDHCは謝罪
13日には、DHCの韓国法人であるDHC KOREAが謝罪文を出しました。
DHC KOREAは物議を醸していることや早い段階での意思表明が出来なかったことを謝罪しながらも、DHC KOREAとDHCテレビの発言に同一性はないとし、全職員が韓国人であり皆と同じ気持ちで放送を確認していること、DHCテレビには反対の立場を取ることを表明しています。
ハッシュタグの盛り上がり
韓国・誠信女子大学の徐敬徳(ソ・ギョンドク)教授は11日、フェイスブックなどでハッシュタグ「#さよならDHC」を添えたコンテンツを投稿します。徐教授の起こしたハッシュタグ・キャンペーンは瞬く間に広がり、17日昼現在、Twitterやインスタグラムでこのハッシュタグを利用した一般ユーザーによる投稿コンテンツは1,000件以上に上ります。![▲[ソ・ギョンドク教授のFacebook投稿]:編集部スクリーンショット ソ・ギョンドク教授のFacebook投稿](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/8330/main_FireShot_Capture_2359_-_Facebook_-_www.facebook.com.png?auto=format)
ソ・ギョンドク教授のFacebook投稿(https://www.facebook.com/kyoungduk.seo/posts/2333077026772378)
(以下断りのない場合全て、訪日ラボ編集部による翻訳)
日本の化粧品企業DHCが大きい事件をまたひとつ作りました。別に新しくはありません。
DHCの吉田嘉明会長は嫌韓者として悪名が高いです。
特に数年前は在日韓国人に対して「日本に悪い影響を与えているから国に帰れ」と差別発言をして大きな論争を引き起こしました。
しかし今回のDHCテレビでは韓国での不買運動について「韓国はもともと熱しやすく冷めやすい国」と皮肉発言したことが放送されました。
また「朝鮮人は漢文を書いたが文字化できず、日本で作られた教科書でハングルを普及させた。日本人がハングル文字を統一させて今のハングルになった。」という暴言まであります。
これ以上何か言うことがありますか?私たちの不買運動でDHCを自国に返さなければと思います。
とにかく#잘가요DHCのハッシュタグキャンペーンをSNSで皆さんと広めることが迅速な効果を得られると思います。
そうすれば、韓国のすべての在庫をDHC吉田義明会長がこれから持って帰ってくれるでしょう~(笑)
![▲[韓国人のInstagram投稿]:編集部スクリーンショット 韓国人によるDHCの製品のInstagram投稿](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/8331/main_a8e9487e736048a8e1372767dbdddf8b.png?auto=format)
Instagram投稿(https://www.instagram.com/p/B1OWe9sFmOC/)
長く使ってきたDHCの商品に代わる商品を見つけた!
![▲[ソン教授のInstagram投稿]:編集部スクリーンショット ソン教授のInstagram投稿](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/8333/main_544b5cb9a3308f8e3ab316841665f404.png?auto=format)
Instagram投稿(https://www.instagram.com/p/B1GNgX3ncX0/)
DHCテレビは連日嫌韓放送をしている。
「韓国のニュースにディスされた。なぜ自分たちにモザイク処理をして放送するのか」「独島を勝手にしている。韓国は日本の一部だ。」など人間以下の発言を繰り返している。
ー中略ー
私たちは「不買運動」を超えて「退出運動」をすることが正解だ。彼らの発言を無視することが一番美しい対応だ。
とにかく私たちは彼らと異なり最後まで紳士的に対応していく。
ハッシュタグ・キャンペーンに対し、DHCテレビは反論
DHC KOREAが謝罪を表明した翌日14日、一連の出来事についてDHCテレビは公式サイト上に「韓国メディアによるDHC関連の報道について」と題する文章を公開しています。この文章によれば「真相深入り! 虎ノ門ニュース」は「平和な民主主義国・日本における、いっそう自由な言論空間を具現すべく、従来のメディア等が「タブー」としてきた事柄含め、多角的にニュースを論じることを旨」としており、番組やその出演者が内容に対して批判する姿勢は自由な言論の範囲内であると主張します。
韓国のメディア各社におかれましては、弊社番組内容のどこがどう「嫌韓的」か、どこがどう「歴史を歪曲」しているのかを、印象論ではなく、事実を示し具体的に指摘いただけましたら幸いです。
またハッシュタグ・キャンペーンが推進する不買運動について、DHCテレビの番組とDHCの商品や現地スタッフには関係がないと説明し、不買運動は言論封殺ではないかとの非難の意を示しています。
言うまでも有りませんが、韓国DHCが提供する商品やサービス、現地スタッフと、DHCテレビの番組内容とは直接何ら関係はありません。そうした常識を超えて、不買運動が展開されることは、「言論封殺」ではないかという恐れを禁じ得ません。
DHCはそもそも韓国で有名?
DHCは韓国国内においてどれほどの地位を確立しているのでしょうか?
DHCは2002年に韓国に進出し、国内大手のドラッグストアOLIVE YOUNGを始め多くのコンビニエンスストアやショッピングモールに出店しています。高品質で低価格、迅速で正確なサービスが高く評価され、特に「ディープクレンジングオイル」は高い人気を呼びました。
先月以来の日韓関係の悪化とボイコットジャパンの高まりの中、韓国の「聯合ニュース」は15日、韓国国内で日本企業の売り上げが急減していることを報じました。その中でDHCについては、約8,800万円だった6月最終週のカード決済の売り上げが、7月の第4週には半減したことが伝えられています。
また、SBSのネットニュースは「年間売上高100億(ウォン) 日企業の裏切り#DHC_退出 運動も」という見出しで記事を作成しています。
ただし2018年のDHC決算公告によると、年間売上高は1,082億円で、そのうち韓国での年間売上高は100億ウォン(約9億円)と、全体の1%ほどに過ぎません。美容大国と呼ばれる韓国においてDHCはかなり有名ですが、今回の不買運動はあまりDHCの経営を揺るがすほどのインパクトはないようです。
まとめ
今回のDHCテレビでの出演者の発言は、緊張している日韓関係にさらに深い亀裂を入れる行為だったと言えるでしょう。
DHCテレビは商品や販売員とは直接関係はないとしていますが、ブランドの名を冠して放映する番組の内容について、無関係という主張を通しきることは難しいと考えられますが、その影響は限定的なものとなりそうです。
報道や表現の自由という側面からこの問題を取り上げれば、こうした発言そのものを禁止することもまた誤った取り組みと言えるかもしれません。ただし、言論の自由を主張していく場合でも、その発言にあまりに品位がなければ、今の社会から淘汰されることは十分に考えられます。
こうした発言に対する視聴者の判断や反応こそが、今後の日韓関係を左右する重要な要素となっていくはずです。多様な価値観や主義主張が喧伝されるインターネットの発達した現代で、各国が歩調を合わせていくためには、一人一人の情報判断能力や理性ある振る舞いが重要になってくるのかもしれません。
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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
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