人気「龍角散」神薬が中国上陸、インバウンドへの影響は!?

人気「龍角散」神薬が中国上陸、インバウンドへの影響は!?

株式会社龍角散は8月14日、中国海南省ボアオで開催された健康産業フォーラム「西普会」にて、中国OTC医薬品トップメーカーの華潤三九とパートナーシップを締結すると発表しました。

今後中国本土で新たな販売ルートを構築していく龍角散の戦略や、インバウンドへの影響について見ていきましょう。


龍角散が中国展開を発表

株式会社龍角散は、医師の処方箋なしで薬局などで購入できる医薬品・OTC医薬品の中国トップメーカーである華潤三九(本社・広東省深セン市)とパートナーシップを締結し、龍角散の中国展開を発表しました。

これまでもインバウンド需要が特に高かった「龍角散ののどすっきり飴」や「龍角散ダイレクト」などの製品の販売領域を、中国に広げます。

龍角散が中国で人気の理由

中国では、日本の医薬品で特に人気のある商品を「神薬」と呼んでおり、「龍角散」も神薬の1つとして話題の商品です。インバウンドの中国人観光客の間で顕著となった「爆買いブーム」が比較的落ち着いてきた現在も、今もなお日本の医薬品の需要は衰えていません。

日本の医薬品は、中国の医薬品と比べ品質が良く飲みやすいことから、中国や台湾で支持されています。特に龍角散は、水なしで服用できることから人気です。

品質や飲みやすさ以外に、中国ならではの人気の理由としては、「PM2.5の大気汚染対策をしたい」といった声が挙げられます。2019年の春節期間におけるPM2.5の数値は、338都市で平均値を上回る139μmを記録しており、うち119都市は重度レベルの150μmと、依然として中国の大気汚染は深刻であることが伺えるでしょう。

こうした大気汚染問題を抱える中国では、のどをケアするために、高品質な日本製の龍角散のど薬を重宝しています。

龍角散の中国展開に向けた戦略

龍角散は、昭和20年代より台湾や韓国への輸出を開始するなど、海外展開の歴史は古いと言えるでしょう。現在は台湾・韓国・香港・アメリカ・タイで展開しており、微粉末生薬「龍角散」の輸出量は、日本国内向けの出荷量を上回るほどの人気ぶりです。

龍角散は中国への展開も見据え、生産設備の近代化や自動化を進めており、年間約6,000万個(国内販売換算で約400億円分)の「龍角散ダイレクトスティック」を生産する能力をすでに用意しているとのことです。

パートナーシップを締結する華潤三九は5年後までに、呼吸器期間関連製品カテゴリーにおける売り上げの、80億元(約1,200億円)達成を目指しています。今回のパートナーシップ締結は、双方にとって目標達成や販売ルートの拡大などに対し大きな要素となるでしょう。

インバウンドへの影響は?

一方で、人気のあまり中国人による龍角散の不正購入や、中国国内で偽物が出回るといった事件も発生していました。そこで龍角散は、2017年には業界に先んじて越境ECを開始し、中国人が龍角散製品を安く安心して購入できるルートを整備してきました。

すでに中国の大手ECサイト「京東(ジンドン)」では、「日本ブランドカテゴリ」でトップの売り上げとなっており、今後もますます龍角散の知名度拡大が予想されます。

ただし、偽物の多い中国では、現地展開されてもなお日本で販売される商品への厚い信頼は揺るぎません。訪日旅行のお土産として「本場の龍角散」に需要が高まるというケースも考えられます。

まとめ:日本製品の現地展開で認知度を向上、インバウンドの消費拡大へ

龍角散と華潤三九のパートナーシップ締結で中国展開が加速し、中国における日本の医薬品の知名度ならびに需要拡大が見込まれます。インバウンドの消費拡大を狙う上で、日本製品の現地展開の動向に注意しながら、常に新しいインバウンドのスターを誕生させていくことが今後の鍵となるでしょう。


<参照>

・@niftyニュース:龍角散が華潤三九とパートナーシップを締結 龍角散ダイレクトなどを中国市場で展開

・PR TIMES:「ゴホン!といえば龍角散」でおなじみの株式会社龍角散、中国OTC医薬品トップメーカー・華潤三九(カジュンサンキュウ)とパートナーシップ締結を発表

・訪日ラボ:偽物が出るほど中国人に愛された「龍角散」人気の理由は汚れた空気だけではなかった

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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