「VPN」とは?なぜ中国からTwitterが使えるようになるのか?

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VPN(Virtual Private Network)とは、公共の通信回線上において安全な通信環境を実現するために仮想の専用ネットワークを構築する仕組みです。

近年では情報漏洩や通信傍受のリスクを軽減するためにVPNが用いられるケースも増えています。 また中国に滞在する際には、中国のネット規制を回避するためにこうした回線を使う人も少なくありません。

ただしこうした回線の中には通信が安定しないものや、中には中国政府へ回線利用者のデータが提供されている可能性が指摘されるサービスもあり、知識を持って利用する必要があります。

この記事では、VPNの仕組みや導入によるメリット・デメリット、Wi-Fi環境におけるVPNの重要性、通信環境の面から考えるインバウンド対策について解説します。


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VPNとは?

VPNとは”Virtual Private Network”の略称で「仮想専用線」と訳されます。

VPNについて端的に説明するならば、多くの人々が共同で利用する通信回線に仮想の専用線を設けることによって通信内容の漏洩や改ざんを防ぐものであると言えます。

VPNが必要とされる理由

VPN通信内容の漏洩防止通信品質の確保の2点において効果的です。

通信事業者が設置している回線は比較的安価に利用することが可能ですが、非常に多くのユーザーが共有して利用するという性質上、悪意を持った第三者によって通信内容を傍受されてしまう恐れがあり、さらに回線の混雑時には通信速度が遅くなります。

しかしVPNを利用することにより通信内容の漏洩や改ざん、通信速度をはじめとする通信品質の改善を見込むことができます。

VPNの仕組み

VPNでは接続する拠点に専用のルーターを設置することにより公衆の回線上に仮想の専用回線を設けることができます。VPNが設置されると通信内容は暗号化されるため、公衆回線上に悪意を持った第三者が存在したとしても内容を読み取ることはできません

また、VPNによって構築される専用回線にはスマートフォンやパソコンを通して外出先からも参加することが可能です。

VPNに接続する機器には公衆回線へ接続するためのIPアドレスに加えてLAN接続用のプライベートIPアドレスが割り振られることになります。

VPNの種類

VPNは一般のインターネット回線を利用して専用線を設けるインターネットVPNと、各通信事業者の専用回線上に専用線を設けるIP-VPNに大別されます。

インターネットVPNでは広く一般に利用されているインターネット回線を利用してVPNを構築するため、低コストで運用することができます。

一方、IP-VPNでは各通信事業者が整備している独自回線上にVPNを構築するため、インターネットVPN以上にセキュリティを高めることができます。

VPNのメリット・デメリットは?

VPNを利用することによってセキュリティ面やコスト面においてメリットを享受することができますが、デメリットも存在します。

以下では、VPN利用のメリット、デメリットについて解説します。

VPNのメリット・デメリット

VPNを利用することによって通常のインターネット回線を利用する場合に比べてセキュリティや通信品質は格段に向上します。また、VPNは実際に専用回線をひく場合に比べて安価なため、コスト面にもメリットがあります。

ただし、高度なサイバー攻撃によりセキュリティが破られれば通信内容が漏洩するリスクはなお存在します。また外出先での利用ではバッテリー消耗が速くなることなどがデメリットとして挙げられます。

VPNの活用方法

VPNを利用して各事業所間のLANを結ぶことで、本社のLANにあるデータに対して支社のパソコンからアクセスできるようにすることが可能です。それぞれのLANはVPNによって接続されるため、中継地点における情報漏洩のリスクなく1つのネットワークとして各事業所のデータを利用することができます。

また、外出している社員のパソコンからVPNを経由して社内のLANにアクセスできます。VPNを利用した暗号化が行われているため、外出先でも漏洩のリスクを負うことなくネットワークを利用して社内のデータにアクセスできるでしょう。

スマートフォンで使えるVPNアプリ

VPNはパソコンからはもちろんスマートフォンからも利用することができます。スマートフォン向けVPNについては各社からさまざまなアプリがリリースされていますが、中でも人気が高いのはトレンドマイクロの「フリーWi-Fiプロテクション」ノートンの「ノートンWi-Fiプライバシー」です。

前者は、セキュリティが脆弱で情報漏洩や傍受のリスクが高いとされるフリーWi-Fiの利用時に通信を暗号化するアプリです。カフェやコワーキングスペースでの業務、海外旅行の際には重宝するでしょう。

後者も同様にWi-Fi通信を利用する場合に通信内容を暗号化するアプリですが、暗号化レベルが非常に高いことでユーザーから支持を得ています。銀行間通信に利用されるレベルとのことで、Wi-Fi環境で機密情報を扱う際にも安心でしょう。

VPNを利用したインバウンド対策

VPNは企業におけるリスクヘッジだけでなくインバウンド対策の一環として活用することも可能です。

以下では、訪日外国人のニーズをもとにVPNを利用したインバウンド対策について解説します。

訪日外国人は通信環境に不満?

▲訪日外国人が旅行中に困ったこと:観光庁HP
▲訪日外国人が旅行中に困ったこと:観光庁HP

観光庁による「訪日外国人が旅行中に困ったこと」に関するアンケートでは「無料公衆無線LAN環境」が未だ高い割合を占めて推移しています。

訪日外国人が旅行中に利用する機会の多いスマートフォンやオンライン音声翻訳機は通信環境なくして使用することはできません。

日本国内用のSIMやポケットWi-Fiを用意していれば問題ありませんが、街中や飲食店フリーWi-Fiでまかなおうと考えている訪日外国人も少なくありません。店舗や宿泊施設におけるWi-Fi環境の整備や通信環境の高品質化訪日外国人の満足度向上につながる要素の1つであるといえるでしょう。

店舗向けWi-Fiサービス:FOSCHIA JAPAN

FOSCHIA JAPANは、店舗向けWi-Fiのソリューションを提供しています。通信は暗号化されており、パスワードで管理するため高い安全性を維持できます。

また、この回線を導入する事業者は、Wi-Fiの利用結果をダッシュボードで確認出来ます。Facebook連携を行った場合には、Facebookの情報から、ユーザーの性別・年代・国籍なども知ることができます。

訪日外国人の満足度を高められるだけでなく、顧客データも取得できるのでサービス改善にも役立てられる、一石二鳥のシステムです。

中国ではVPNで検閲を回避、近年ではVPNサービスにも規制が

厳しいネット規制が敷かれている中国では、GoogleTwitterLINEInstagramなどの中国国外のIT企業が提供するサービスが利用できなくなっています。

VPNを使えば、中国国内にはないインターネット回線を利用することになり、こうしたサービスも利用可能です。中国政府のインターネットサービスの制限は中国国内のサービスを対象としているため、VPNを利用したインターネット利用までは制限できないからです。

ただし、近年は中国政府の認可を受けていないVPNが次々と利用を停止されるといった事態も起こっています。また、政府の会議や党大会などの時期にはVPNの利用に対する規制が厳しくなる傾向もあり、中国に滞在する場合には注意が必要です。

VPNに対応して訪日外国人の満足度アップ

日常生活や業務にインターネットサービスが浸透している現代において、オンラインでの個人情報の保護や重要なデータへのアクセスを可能にするVPNは、なくてはならない存在です。

訪日外国人の日本に対する評価を見てみても、通信環境の整備には依然として改善事項として残っています。企業や店舗における情報保護や通信環境の整備、品質向上はすでに日本社会にとってなくてはならないものになっています。VPNも適切に利用されていく必要があるでしょう。

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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