こんにちは、クロスシー編集部です。
夏休み中、出先で訪日外国人観光客の姿を見かけたという人も多かったのではないでしょうか。中国人の海外旅行の情報収集でもよく使われているのが中国版インスタとも呼ばれるRED(小紅書)ですが、6月から7月にかけて2つの大きな動きがありました。
前半ではニュースを整理し、後半でコンテンツを紹介します。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
大流行「ソーシャルコマース」ジャンルで成長
「RED(小紅書)」は、写真とテキスト、またはショートムービーコンテンツを投稿しユーザー同士がつながるSNS的な側面を持ちますが、もともとはECアプリとしてスタートしています。


ECメニューである「Store」を選択すると、セール品がまず上部に表示され、その下にカテゴリ別で商品がチェックできるようなデザインになっています。Taobao(タオバオ)やPinduduo(ピンドゥオドゥオ)と違い、色味が少なく、落ち着いたフォントでスタイリッシュな雰囲気なのが特徴です。個別の商品を選択すると、現在の取引情報が「〇〇省で3秒前に1件オーダー」といったメッセージが出てきます。
こうした商品は、写真やショートムービーといったユーザーの投稿するコンテンツ内で紹介され、すぐに商品ページに遷移できるようになっています。
MCNへの保証金要求
RED(小紅書)は今年6月、MCN(マルチチャネルネットワーク)に対して、20万元(約320万円)の保証金と12点満点の免許制を採用することを公表しました。これに対し、MCNから不満の声が上がっているようです。
KOL・IP・MCNの意味がわからなかったら要チェック!中国SNSを活用するなら必ず知っておくべき新トレンド「MCN」(マルチチャンネルネッ
こんにちは、クロスシー編集部です。かつてアリババに出資したソフトバンクが先月TikTokに出資したように、中国の多様化するSNSへの社会的価値、経済的価値への世界の期待はとどまるところを知りません。プラットフォームの機能的な価値はもちろん評価されるべきものですが、SNSの価値の本質はユーザーにあります。本編では多様なプラットフォームを舞台に活躍するインフルエンサー(KOL)を束ねる中国の「MCN」(マルチチャンネルネットワーク)について、改めて整理してみたいと思います。▼大手MCN組織の一...
MCNは所属タレントやKOLが配信するコンテンツで収益を上げる機構で、MCNに所属するKOLはRED(小紅書)だけでなくWeibo、Taobao、Douyinなど様々なプラットフォームで活動しています。
RED(小紅書)のこうした保証金の徴収は決して珍しい対応ではなく、これまで上述のプラットフォームでも同様の措置がとられていました。こうした保証金についてタオバオグループとDouyinでは10万元(約160万円)程度とも言われており、RED(小紅書)の保証金自体に異議はないものの、高額すぎると感じられているようです。
アプリストアからの削除
7月の終わりには、アンドロイドのアプリストアから、8月3日にはアップルストアから、RED(小紅書)の新規ダウンロードができなくなっています。理由についてRED(小紅書)は公表していませんが、購入意欲をあおるための閲覧数の水増しや誇大広告、ユーザーの利益を損なうようなコンテンツの存在は以前からネットユーザーに指摘されてきたところでした。
また、ユーザーの拡大に伴い、たばこや薬といった宣伝が禁止されている商品の紹介や扇情的なコンテンツが多く見られるようになったと言い、こうしたコンテンツを整理していくことでアプリストアに復帰できるのではと考えられます。
【速報】中国人気アプリ「小紅書(RED)」Androidから強制削除、当局指示で:アダルトコンテンツなどが原因か
7月30日朝、中国の人気アプリ「小紅書(RED)」がAndroidのアプリストアから削除されたことが報じられ、中国インターネットユーザーを震撼させました。目次複数のAndroidストアでダウンロードが不可能に理由は?誇大広告、たばこ・医薬品等の禁止商品、アダルトコンテンツ複数のAndroidストアでダウンロードが不可能に小紅書(RED)は"中国版インスタ"とも呼ばれる、写真や動画をメインにしたコンテンツを共有するSNS機能を備えたECアプリです。コンテンツから商品ページへ簡単に遷移し購入で...
ただし、アプリストアで新規のダウンロードはできないものの、すでにデバイスにあるアプリを立ち上げれば現在も変わりなくサービスが利用できる状態です(8月3日確認)。
旅行コンテンツも多い小紅書(RED)
RED(小紅書)はECとしても成功していますが、ユーザー層の関心領域とマッチした「旅行情報」も実はかなり多くなっています。
例えば「日本旅行」を検索すれば、「東京」「大阪」「京都」「北海道」「奈良」といった主要観光地でコンテンツをフィルタリングでき、また「ビザ」「ルート」「旅行のマスト品」といった下位分類で、また「動画だけ」というように、自分の求める検索結果のみを表示させることも可能です。

「攻略」はもはや中国人旅行者の需要を理解するのには欠かせないキーワードで、効率の良い回り方、旅程を充実させるための知識を意味します。検索結果にも「攻略」の字が見られるものは少なくありません。 こうしたコンテンツは初めて日本を訪れる層に向けて、主要観光地の外せないスポットや、電車の乗り方という実用的な情報を伝えるもが多くなっています。この先もまだまだ新たな中国人観光客が日本を訪れることを予感させるような内容です。

まとめ:ファッション感度の高さが特徴、今後の改善でよりユーザー拡大の可能性も
RED(小紅書)の今年のMAU(月間アクティブユーザー数)は8,500万人に達しました。保証金やダウンロード制限といったネガティブな情報も聞かれますが、問題解決をすることで逆に信頼性の向上にもつながると考えられています。
中国の既存のECやSNSと比べ、ファッション感度の高いコンテンツを集めるRED(小紅書)では旅行情報も増加しており、「インスタ映え」「RED映え」するコンテンツの展開がインバウンドでも肝要となっています。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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