KOL・IP・MCNの意味がわからなかったら要チェック!中国SNSを活用するなら必ず知っておくべき新トレンド「MCN」(マルチチャンネルネットワーク)の市場規模と役割を解説

KOL・IP・MCNの意味がわからなかったら要チェック!中国SNSを活用するなら必ず知っておくべき新トレンド「MCN」(マルチチャンネルネットワーク)の市場規模と役割を解説

こんにちは、クロスシー編集部です。

かつてアリババに出資したソフトバンクが先月TikTokに出資したように、中国の多様化するSNSへの社会的価値、経済的価値への世界の期待はとどまるところを知りません。プラットフォームの機能的な価値はもちろん評価されるべきものですが、SNSの価値の本質はユーザーにあります。

本編では多様なプラットフォームを舞台に活躍するインフルエンサーKOL)を束ねる中国の「MCN」(マルチチャンネルネットワーク)について、改めて整理してみたいと思います。

▼大手MCN組織の一つ、『papitube』と創設者のpapiちゃんについてまとめました

元祖インフルエンサー「papiちゃん」が手がけるコンテンツ制作のプロ集団『papitube』とは?/中国マーケティングではMCNの存在感が上

こんにちは、クロスシー編集部です。MCN(マルチチャンネルネットワーク)が中国でも存在感を高めています。MCNの発展には、ネット上のコンテンツプラットフォームの増加や、そこにおけるインフルエンサーの人気の拡大が関係しています。2015年からネットにオリジナルの動画を公開しているpapiちゃん(中文:papi酱、酱はジャンの音で「ちゃん」を表す)はワンホンの草分け的存在であり、現在「papitube」というMCNの組織を運営しています。本編では前半でpapiちゃんを主軸に、中国の動画で人気の...

MCNの市場規模は? 中国全国で2018年は4,500社!ショートムービー関連MCNは約70%

本連載ですでに紹介したように、MCNとはSNSや動画配信プラットフォームにおいて、コンテンツを投稿するユーザーのコンテンツ制作や配信をサポートする行為、組織を意味します。中国のKOLランキングで上位にランクインするアカウント(IP…※)はMCNに所属をしていることがほとんどです。

※複数のプラットフォームにまたがりコンテンツを展開するユーザーの、それぞれのアカウントを総称して「IP」(知的財産)といいます

現在、Weiboで確認できるMCNは2,000社を超えているといいます。この2,000社に所属するIPの合計は4万6,000件であり、MCN1社平均で20件の所属IPを擁しているといえます。

また、調査会社「易観」が今年2018年1月に発表した『2017年中国短视频MCN行业发展白皮书』(2017年中国ショートムービーMCN業界発展白書)によれば、中国のMCN組織の総数は2017年で2,300社、本年予測は4,500社、2019年には6,800社となるそうです。

▲2017年のMCN市場規模(全体のMCN組織数と、そのうちショートムービーのMCNが占める割合)
▲2017年のMCN市場規模(全体のMCN組織数と、そのうちショートムービーのMCNが占める割合)

特にショートムービーに関連したMCNの成長が顕著で、2017年から2年間は70%前後を占める見込みとなっています。ショートムービー分野のMCN組織に対する融資だけで、すでに28億元(約476億円)を超える金額が動いているといいます。

▼2018年に最も流行したショートムービーといえば「TikTok」出稿形式などを解説します。

最近良く見かける「Tik

こんにちは、クロスシー編集部です。今回は中国で昨年から人気となっている「ショートムービー(短视频)」について、人気サービスとその特徴と、中でも特に注目の「Tik Tok(抖音)」について紹介します。5月にもすでにお伝えしたように、Tik Tokは手軽にプロのMVのようなスタイルを表現できるコンテンツで若者に大人気となっています。そんなTik Tokのユーザー層とUI、人気コンテンツの法則について解説します。[blogcard url=”https://honichi.com/news/20...

日中若者に人気の「Tik

こんにちは、クロスシー編集部です。前回は中国の若者に人気のショートムービー(短视频)、その中でも注目の「Tik Tok(抖音)」について、バズるコンテンツの共通項について考察しました。引き続きTik Tokに注目し、本編ではTik Tokに出稿可能な広告の形態を紹介します。広告の種類 ~MAU1.5億人にアプローチできるディスプレイアド、フィード広告事例から見えてくる「15秒のショートムービーストーリー」の強み~Tik Tokには主に以下の5種類の形式で広告が出稿できます。ディスプレイアド...


ショートムービー台頭も、忘れてはいけないのがコンテンツやユーザーの多様性

そうはいっても、中国にはネットユーザーは約8億人が存在し、彼らのニーズは様々です。

ショートムービーはユーザーを拡大してはいますが、それだけでなく、中国版TwitterであるWeibo、ECサイトのタオバオRED(小紅書)、ACG(アニメ、漫画、ゲーム)ファンの集まるbilibili、またライブ動画など、それぞれのインターネットサービスにそのサービスを好むユーザーが相当数存在し、彼らに支持されるインフルエンサーも存在しています。

同時に、MCN組織はそれぞれ得意とする分野や舞台となるインターネットサービスを持っており、MCN所属のクリエイター(IP)のコンテンツがより多くのユーザーに楽しまれるよう、彼らの活動をサポートしているのです。

『2017年中国短视频MCN行业发展白皮书』(2017年中国ショートムービーMCN業界発展白書)には、コンテンツ形式に着目して分類した場合の有力なMCN組織についても報告されています。

例えばショートムービーのMeipaiでは「自娯自楽」「洋葱視頻」、テンセントの企鹅号では「火星文化」「青藤文化」といったMCN組織が取り上げられています。また、こうした中で比較的広いコンテンツ形式や内容で活動しているのが、本連載でも紹介したpapitubeです。

これらはかなりビッグネームの組織ですが、インフルエンサーの起用に際して、こういった組織をやみくもに頼ればいいというわけではありません。中国のインターネットユーザーの関心も様々であり、細分化された関心にはその分野で有力な組織を探し出すことが有効となってきます。

もしも「日本ファン」に向けて情報を発信したい場合、日本情報を発信する有力なIPや彼らを傘下に収めるMCNを探し出すことがより重要となってきます。

MCN組織はKOLにとって成功の要件となるのか ~Weiboの場合~

中国のインターネット空間では、MCNの活動を後押しするような動きも顕著です。例えばWieboでは、MCNの一員として活動するアカウントに対し、以下のようなサポートを提供しています。

  1. その分野に関心の高いユーザーをターゲットに「おすすめのアカウント」として表示、ユーザーがチェックを外さなければ自動的にフォローされる
  2. 長文の投稿の後半部分を、フォロワー限定で公開することができる(フォロワー20万以下のアカウント限定)
  3. そのMCNが所属するカテゴリにおいて、Weiboが開設する公式アカウント(海外関連であればアカウント『微博海外』)が存在し、そのページで動画や投稿をシェアしてもらえる

MCNはIPを管理するための組織ではなく、サポートするための存在です。IPがMCNを利用しながら、いかに自身の成長のためにMCNを活用できるかがポイントとなります。

MCNはIPに対し人脈や技術を共有し、IPはMCNに対し広告プラットフォームとしての価値を提供します。これによりコンテンツ制作者側も適正な金銭的対価を手に入れることができ、手にした対価をコンテンツ制作のための資金とすることができるのです。こうしてより有益な情報や上質な楽しみがユーザーに届けられるようになります。

このようにインターネット空間が盛り上がることはSNSプラットフォームの運営社にとっても当然メリットです。そのため、Weiboの場合は上述したようなサポート体制がとられているのです。またWeiboはリアルの場で年に一度MCNの表彰を行うなど、インターネット空間におけるサービスの発展に余念がありません。

まとめ ~中国向けプロモーションに欠かせないインフルエンサー起用、MCN業界の知識を身に着け競合に差をつける~

今後も個人の表現空間として、情報発信の場として、また公的機関の情報発信の場として、ますます多くの中国人インターネットユーザーがWeibo始めとしたSNSを利用していくことが予想されます。

こうしたインターネット空間においては、コンテンツの質が差別化の重要なポイントとなります。本稿で見てきたように、MCN組織がクリエイターに果たす貢献は小さくなく、今後もMCNの重要度は増していくでしょう。

中国向けプロモーションにおけるインフルエンサーの起用に際しては、どのMCNのメンバーであるかという点も彼らを評価する一つの指標として機能してくるはずです。今後、中国市場への展開にあたっては、MCNの存在も意識していきたいものです。

<参考>

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この記事の筆者

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株式会社クロスシー

株式会社クロスシー編集部。中国語圏向けに日本情報の提供をするインターネットメディア運営・レップ事業を展開すると共に、訪日観光客向けのマーケティング・ソリューションを提供しています。日本の観光立国を実現すべく、メインターゲットとなる中華圏への観光情報、サービス、商品について、日中間の情報格差を埋め、観光客にとって最高の日本体験の提供を目指しています。