日中若者に人気の「TikTok」訪日ビジネスへの活用法は?/広告出稿のスタイルも多種多様!世界観にとけこむメッセージ発信の方法を徹底解説【応用編】

日中若者に人気の「TikTok」訪日ビジネスへの活用法は?/広告出稿のスタイルも多種多様!世界観にとけこむメッセージ発信の方法を徹底解説【応用編】

こんにちは、クロスシー編集部です。前回は中国の若者に人気のショートムービー(短视频)、その中でも注目の「TikTok(抖音)」について、バズるコンテンツの共通項について考察しました。引き続きTikTokに注目し、本編ではTikTokに出稿可能な広告の形態を紹介します。

広告の種類 ~MAU1.5億人にアプローチできるディスプレイアド、フィード広告事例から見えてくる「15秒のショートムービーストーリー」の強み~

TikTokには主に以下の5種類の形式で広告が出稿できます。

  1. ディスプレイアド
  2. フィード広告(出稿/ネイティブアド)
  3. KOLとのコラボ
  4. ステッカー
  5. TikTokキャンペーン

それぞれ順にみていきましょう。

1.ディスプレイアド

ディスプレイアドは、アプリの立ち上げ時に表示されるもの。ユーザーのアプリ立ち上げ回数は日に1~4回程度と言われています。TikTokが初めて公式にデイリーアクティブユーザー(DAU)を発表したのは実は今年2018年6月が初めてです。これによれば「中国国内の」DAUは1.5億人

ディスプレイアドをジャックし、中国のすべてのユーザーの起動画面に表示されるようにすれば、1日で1.5億人の目に情報を届けることができることを意味します。また同発表によれば、中国国内の月間アクティブユーザーは3億人です。

2.フィード広告(タイアップ/ネイティブアド)

フィード広告には、配信する動画上に、文字を出現させ、ソーシャル機能(いいねやコメント)のメニュー付近にアイコンを配置し、コメント欄に文章を表示させるといった形で、それらを操作したユーザーをランディングページに遷移させます。

▲フィード広告のイメージ。画面中央の文字、画面右に沿ったアイコン、画面下方の掲出コメントの三か所からはランディングページへの遷移が可能

これらの広告は、年齢・性別・居住地域といった属性で配信先を調整できます。タイアップ広告の場合には、TikTokにアカウントを所有していなくとも出稿可能です。アカウントを持ったユーザーの場合はネイティブアド形式で出稿が可能となります。フィード広告と異なり、「いいね」「コメント」「転送」の機能が利用できるので、フォロワー数の増加も期待できます。

過去に2種類のネイティブアドをアップロードした女性用日用品メーカーでは、2日間の放映で再生回数約1,600万回、「いいね」は約30万回、転送5,700回以上、コメントも同程度(5,700回以上)という結果になっています。

消費財は多くのユーザーにとって身近な商品です。そのため、容易に注目を集められる商品ともいえます。ですが、この視聴数の多さやエンゲージメント率の高さは消費財がトピックだったからという点だけが理由ではありません。ショートムービーが持つ「短時間だからこそ集中して見ることができる」特性と、このメーカーが投稿した動画コンテンツの質の高さこそがその理由です。

なぜユーザーは短時間だと集中して視聴ことができるのでしょうか? TikTokユーザーは前回確認したように都市圏の居住者が多く、こういった地域では最近は残業や土曜出勤も珍しくありません。常に時間に追われており、15秒以上の時間をスマホ画面に集中することには抵抗やストレスが生まれると考えられます。

この「短時間」という特性に加えて、画質の良さと限られた時間に込められた緻密なストーリーがコンテンツの質を高め、ユーザーの共感を喚起します。結果としてエンゲージメントの高さにつながっています。

S級レベルのインフルエンサーはフォロワー300万人以上! ユーザー好みのデザインで広告を感じさせない「ステッカー」というワザも

続いてTikTokのKOLインフルエンサー)事情、そして独自の「ステッカー」広告について紹介します。

3. KOLとのコラボ

日本でもメジャーなインフルエンサーマーケティングですがTikTok上でも展開されています。TikTok上のKOLは、10万-30万フォロワー、30-50万フォロワー、50-100万フォロワー、100万-200万フォロワー、200万-300万フォロワー、そして300万以上のフォロワーと、フォロワー数によってKOLのランクを分類しています。最も多い層である「300万フォロワー以上」のランクはS級KOLと呼ばれています。相場として、100万フォロワーを有するKOLの場合、1件の出演で最低でも85万円程度が必要と言われています。

性別やバックグラウンドなど様々なKOLが活躍しているので、多種多様な広告主の需要に合致する人物を見つけ出しやすいという点もTikTokの特徴でしょう。これまでに、女性向けファッショングッズのKOLコラボ動画では、再生回数360万回以上、「いいね」数が12万という実例があります。

▲TikTokで活躍するKOLの一例

4.ステッカー

ショートムービーサービスであるTikTokならではの広告形式が最後に紹介する「ステッカー」です。ステッカーは、撮影した動画の加工過程で人物などの被写体にかぶせることができる図案のことです。ステッカーに出稿すると、広告主がデザインしたステッカーがステッカー一覧に追加されます。

ステッカーは4つのタイプがあり、通常ステッカー、GIF、前面ステッカー、背景ステッカーが存在します。アプリで撮影画面を起動しそれぞれのステッカーを選択すると、被写体となる人物の輪郭や動きに合わせて配置され、タイプによってはモーションが起きます。

▲ステッカーの4パターン

出稿したステッカーは通常7日間、ステッカーの一覧に追加され、掲載開始3日間はステッカー一覧の並び前方に、後半4日間は一覧の後方に移動します。複数のステッカーを出稿することもでき、この場合は週に一度異なるデザインのものに入れ替えが行われます。

▲出稿されたステッカーの利用例

大手デリバリーフードの出稿したステッカーは、6万1500回以上利用され、これらの入った動画は合計で480万回以上再生されています。

5.TikTokキャンペーン

TikTok内部のさまざまな側面から、ありとあらゆる施策を用いて自社プロダクトを訴求する形式です。ハッシュタグの設定、動画の埋め込み、アプリ立ち上げ画面やバナーの出稿、「おすすめ動画」、プッシュ通知、KOLによる拡散、ステッカー、オリジナル楽曲の設定などを通じ、TikTokユーザーに商品やテーマを浸透させます。

まとめ ~ユーザーに価値のあるコンテンツと伝えたいメッセージを両立させることが重要~

ショートムービーはたった15秒のコンテンツながら多くの情報をユーザーに伝えることができます。TikTokユーザーは動画を気軽に楽しみながら、コンテンツの作り手のメッセージを日々受け取っています。

ただし、作り手が一方的に発信するメッセージをユーザーは拒絶するでしょう。なぜなら彼らは広告を見るためではなく、自分たちが心から楽しめるからこそ今このプラットフォームに集まっているからです。

出稿する広告は「TikTokの楽しみ」という世界観を壊さずに、その世界の一部となる必要があります。TikTokのインフィード広告やKOL施策、ステッカー広告はまさにそれを可能としてくれる施策といえるでしょう。

広告を通じて、その世界観を壊さずにファンとコミュニケーションを図れるプラットフォームであるTikTokは、中国向けプロモーションにおいて今年もっとも検討すべきコミュニケーションチャネルの一つです。

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この記事の筆者

株式会社クロスシー

株式会社クロスシー

株式会社クロスシー編集部。中国語圏向けに日本情報の提供をするインターネットメディア運営・レップ事業を展開すると共に、訪日観光客向けのマーケティング・ソリューションを提供しています。日本の観光立国を実現すべく、メインターゲットとなる中華圏への観光情報、サービス、商品について、日中間の情報格差を埋め、観光客にとって最高の日本体験の提供を目指しています。