旅行ECサイトやOTAサイトが数多くリリースされている現代においては、自らネットで観光地や人気ホテル、旅館についての口コミや評価を調べて、比較サイトで航空券や宿泊代の比較をしオンラインで予約手配を行うユーザーが増えてきています。
この記事では、国内・海外における旅行サイトや予約サイトについてのランキング、海外で人気の宿泊予約サイトの概要、特徴について解説します。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
観光系サイトの閲覧者数ランキング2018
観光地や宿泊施設についての口コミサイト、ホテルや航空券の比較サイト、観光地を紹介するメディアコンテンツなど、観光関連のWebサイトは数多く運営されています。
複数のWebサイトがあることは、選択肢や情報量が多いことにつながりユーザーにとってメリットがありますが、反面、ユーザーから人気・評価の高いコンテンツがわかりにくいというデメリットもあります。
以下では、日本観光振興協会が、ネット行動分析サービスを提供するヴァリューズと共同して調査した観光関連webサイトの閲覧ユーザー数についてのレポートをもとに、ユーザーからの人気の高いコンテンツについてみていきます。
「旅行・交通」カテゴリ
旅行・交通のカテゴリに属するWebサイトのうち、2018年の1年間において最も多くのユーザーが閲覧していたWebサイトは「じゃらんnet」であり、以降は「楽天トラベル」、「トリップアドバイザー」と続いています。
「じゃらんnet」、「楽天トラベル」では宿泊施設の検索や空室確認、予約手配が可能なことに加えて航空券や高速バス、レンタカーを併せて手配することができるため、1サービスで旅行に必要な予約手続きが完了してしまうという手軽さが魅力です。
一方「トリップアドバイザー」では観光地や宿泊施設についてのレビューが閲覧できる上、人気の旅リストとしておすすめのタイムスケジュールの提案を受けることができます。
上位3サイトの順位はパソコンからのアクセス、スマートフォンからのアクセスにおいて変動はありませんが、2017年のスマートフォンからの閲覧ユーザー数では「RETRIP」が3位にランクインしています。
また、前年比では「LINEトラベルjp」と「icotto」が1.2倍から1.6倍と大きな伸びをみせており、今後さらに上位にくいこむ可能性も期待されます。


「観光」に関する検索からの流入者数の多かったサイトのランキング
「観光」を検索ワードに含む検索結果から流入したユーザー数についてのランキングでは、純粋な閲覧ユーザー数についてのランキングとは異なり1位が「トリップアドバイザー」、続いて「じゃらんnet」、「RETRIP」という順位となっています。
このランキングでは、ユーザーの検索ワードや閲覧履歴からニーズをくみ取って広告を表示するリスティング広告からの流入者も含んでおり、上位にランクインしているサイトはおしなべてマーケティングやプロモーションに成功しているといえるでしょう。

外国人に人気のOTA
上に挙げたランキングでは上位サイトの多くが日本人ユーザー向けに運営されているWebサイトです。外国人ユーザーが観光や旅行について調べる際には別のWebサイトを利用していると考えられます。
以下では、海外のホテル予約サイトについてのランキングについて複数紹介し、上位サイトの特徴について解説します。
Best Hotel Booking Services of 2019
2019年1月にTop Ten Reviewが発表した「2019年のベストホテル予約サイト」における上位5サイトは以下の通りです。
1位 | Hotels.com |
2位 | Orbitz.com |
3位 | Expedia.com |
4位 | |
5位 | Travelocity.com |
この結果からは近年、日本でもサービスを開始したホテルズドットコムやエクスペディアは世界的にみても人気の高いサービスであることがわかります。
2位のOrbitz.comも宿泊施設とともに航空券やレンタカーの予約手配ができる複合型の予約サイトでバケーションレンタルやクルーズ船の予約、現地のアクティビティなどを調べることができます。
The 10 Best Hotel Booking Sites
Smarter Travelが発表した「ホテル予約サイトトップ10」の順位は以下の通りです。
1位 | |
2位 | Kayak |
3位 | Priceline |
4位 | Hotels.com |
5位 | HotelsCombined |
6位 | Expedia (which owns Travelocity and Orbitz) |
7位 | |
8位 | |
9位 | Trivago |
10位 |
Booking.comやHotels.comはやはり上位にランクインしており、KayakやPricelineという予約サイトも同様に人気であるという結果が出ています。
Kayakは日本語を含む20以上の言語に対応する旅行予約サイトで、予算からの検索など豊富な検索システムで人気を集めています。
The Best Hotel Booking Sites
The Best Hotels Booking Sitesでは下記のように順位付けがなされています。
1位 | |
2位 | HotelsCombined.com |
3位 | Agoda.com |
4位 | |
5位 | Hotels.com |
6位 | Priceline |
7位 | HostelWorld |
8位 | Trivago |
9位 | Hotwire |
Smarter Travelが発表したランキングと同様にBooking.comが1位となっており、同サイトの不動の人気ぶりをみて取ることができます。
また、Hotels.comやPricelineも同じく上位にランクインしており、日本においてはそれほど知名度が高くないwebサイトであっても海外ではスタンダードとしてよく利用されているケースもあるということがわかります。
海外で人気のサイト、トップ3を解説
上に挙げたランキングの上位に掲載されているWebサイトは海外ではよく利用されているものの、日本国内における知名度は低く、サービス内容や特徴についてもそれほど知られていません。
以下では、海外のインターネットユーザーに人気の観光関連サイトとして、Booking.com、Hotels.com、Pricelineの3つのサービスについて、それぞれの特徴と強みをまとめます。
1. Booking.com

取り扱っている宿泊施設はホテルやアパートメントはもちろん、バケーションレンタル、ツリーハウス、ラグジュアリーリゾート、イグルーなど多岐にわたり、Booking.comを利用してコーディネートできない旅行はないといわれるほどの圧倒的な支持を得ています。
Webサイトやモバイルアプリにおける多言語対応にも力を入れており40以上の言語に対応しているほか、24時間365日体制でのカスタマーサポートを提供しています。
1日に世界中で155万泊の宿泊予約がBooking.comを経由して行われており、世界的に高い人気を誇るOTAサイトです。
日本国内にも東京、大阪、札幌、福岡と4つの拠点を設けており、Webサイトやアプリの日本語対応はもちろん、日本語対応可能なスタッフによる電話対応サポートも24時間受けられるため、旅行に慣れていない人でも安心して利用することができます。
2. Hotels.com

Hotels.comでは登録制プログラム「Hotels.com Rewards」を運用しており、10泊ごとに1泊無料になるというサービスを提供しています。
多くのOTAサイトでは最低価格保証やセールを行うことで差別化を図っていますが、Hotels.comでは他のOTAサイトとは一線を画す独自のサービスを展開することによって高いリピート率を誇っています。
3. Priceline

宿泊料金の最低価格保証に加え、ホテルやレンタカーの価格を利用者側が決定する「逆オークションモデル」が最大の特徴で、画期的な価格システムによってユーザーから高い評価を得ています。
世界最大手であるBooking.comと同系列のため、サービスの質やカスタマーサポートについてもレベルが高く安心して利用することができるでしょう。
人気のサイトに掲載で観光客の目につく施策を
OTAサイトが徐々にシェアを伸ばしている現在、宿泊施設やツアーを運営している企業にとって人気OTAサイトへのコンテンツ掲載は集客対策として効果的です。
しかし、訪日外国人をターゲットに据えインバウンド対策の一環としてOTAサイトに掲載を行う場合には、日本におけるOTAサイトのランキングと海外におけるOTAサイトのランキングに乖離があることに注意を払う必要があります。
<出典>
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!