熱烈なファンを抱えるアップル製品のうち、最も多く期待と注目を集める新製品はスマートフォンのiPhoneでしょう。新製品の発表のたび、SNSやブログにはネットユーザーの意見があふれます。
今月10日(現地時間)、米アップルの最高経営責任者のティム氏により、カリフォルニア州クパチーノで開かれた製品発表イベントにて新モデル3機種「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」が発表されました。
今回アップルファンやネットユーザーはどんな反応を示しているのでしょうか。特に、モバイルユーザーが国民の99%以上を誇る中国の反応は気になるところでしょう。
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新iPhoneが9月20日発売予定
今月9月10日(現地時間)に米アップルは、iPhoneシリーズの新モデル「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」を発表しました。今年はYouTube上でライブ配信され、その視聴者数は150万人以上だったそうで、世界中からどれだけ注目されているのかが分かります。
iPhone 11のカラーバリエーションは、パープル、グリーン、イエロー、ホワイト、ブラック、レッドの5色を展開しており、11 Pro、11 Pro Maxはミッドナイトグリーン、シルバー、スペースグレイ、ゴールドの4色です。
新モデルでは、カメラ性能の向上や防水性のアップ、背面パネルのガラス素材、Proモデルのバッテリーの駆動時間の延長に進化が見られると各メディアが報じています。今回は、大々的な機能チェンジというものでもなく、より全面的な改良は来年になる見通しのようです。
また、機能面以外には、今回の積極的な価格設定についても話題を呼んでおり、「iPhone 11」が699ドルで日本円に換算すると約7万5000円からで、昨年発売されたXRよりも50ドルほど安い価格です。
多くのメディアで記述されている変化点は、カメラ機能についてです。廉価版iPhone 11では、背面カメラが2つに増えたことでポートレートモードや広角撮影が改善しています。そのうえProシリーズでは、背面に3眼カメラを搭載し、撮影モードには暗いところでの画質を改善した「ナイトモード」が追加されました。
この3眼カメラについては、黒い丸が背面に配置されているため、発表直後には「集合体恐怖症」というワードもトレンドになり、慣れないデザインで戸惑いの声も上がっています。
売れ行き予想・これまでのトレンド
今回の新モデル3機種についての売れ行きについては、今回の価格設定に注目が集まっています。昨年発売されたiPhone XRは、米国において2019年上半期時点で他の機種の出荷台数を上回ったとされるほどの売れ行きでした。
iPhone 11新シリーズは、このXR路線を引き継いだ上にさらに価格を抑えて発売するということで、出荷台数を牽引するとして期待が高まっています。iPhone XRよりもさらにカメラ機能や防水機能も向上していますし、その他の既存機能の改善も見られるので魅力的に受け止められ、好意的な印象です。
特典サプライズも
また、米アップルの新サービスについても発表し、こちらも注目を集めています。
今年のはじめにオンデマンド・ビデオストリーミングを準備していることを明かしていましたが、今回のイベントで日本を含む各国で11月1日にApple TV+をローンチすると発表しました。また、定額制ゲームサービスApple Arcadeの月額料金やリリース時期(9月19日)も公開し、さらに、特定のアップル製品(iPhone、iPad、Mac、AppleTVなど)の購入者に対して、AppleTV+が最大1年間無料となる特典のサプライズもありました。
スマホ大国!中国での反応は?
中国のネットユーザーは8億超、そのうちモバイルユーザーは99.1%です。またインターネット普及率は6割超で、日本はじめとする先進国よりも今後の伸びしろが大きい地域です。米アップルはじめ、スマホを製造する企業がこの一大スマートフォン市場である中国でも顧客を獲得していきたいと考えるのは当然でしょう。中国のスマートフォン市場は低価格と高機能を実現しており、今回の新iPhoneは価格が下げられたとはいえ、この市場に入り込むのは簡単ではなさそうです。
今回の発表に対して、アナリストや中国ソーシャルメディア等での反応も少なく、「高機能なことは分かるが、それに見合った値段ではない」という否定的な声があがっています。
現在中国においてiPhoneの人気は下火になってきており、中国市場でのシェアが年々縮小している状況です。調査企業カウンターポイントによれば、今回の価格引き下げは中国メーカに比べて驚くものでもなく、さらに新機種が5Gに対応していない点を指摘しています。
米アップルは、売り上げの5分の1を中華圏から得ていますが、昨年の中国でのiPhone販売台数は4,460万台で、2017年から10%減少という結果に終わりました。特別な策を打たなければこうしたダウントレンドを食い止めるのはますます難しくなるとも考えられます。
中国ではアップルのブランド価値が下がったというよりも、iPhoneは一般的なコンシューマープロダクトではなく、高級ブランドのような製品カテゴリーに位置付けされているとの指摘もありますが、実際のところiPhone以外にも高級ブランドとして地位を確立するスマホメーカーも存在します。
中国産スマホはもはやiPhoneを上回った
中国のスマートフォン市場では、米中貿易戦争で争点の一つとされた「HUAWEI」や、スタイリッシュな電子製品でシェアを拡大するXiaomi(シャオミ)等国産ブランドが。
偽物も多い中国ですが、正規の商品にはiPhoneも顔負けの機能が備わっており、見た目も性能も重視しある程度の出費はいとわない消費者の需要を満たしています。
中国のスマートフォン利用者からは、「無線充電だってすでにXiaomiの方が30Wを発表していて性能が高い。」「急速充電もオプションのケーブルが必要だなんて信じられない…」などのコメントが寄せられています。
まとめ
世界で大きな消費を生む市場、「買い物好き」「ガジェット好き」な中国相手に、時価総額世界2位の米アップルが苦戦を強いられています。
米アップルの売上低迷の要因の一つは、この中国でのiPhone販売台数の不振によるところも大きいでしょう。中国事業の回復は、米中の貿易摩擦や景気減速などのマクロ的要因以外にも、中国国内メーカに対抗する抜本的な戦略の見直しが必要になりそうです。
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