日本の伝統文化を訪日外国人の誘客に活かすには?コト消費ブーム・人気ランキング・事例を紹介

日本の伝統文化の魅力は海外においても広く認知されており、訪日外国人の中には旅行を通して日本の伝統文化について深く知りたいという人々も少なくありません

また、日本全国の伝統文化を海外に向けて発信することや、おもてなしの一環として文化体験サービスを提供することはインバウンド集客に有効な手段として注目されています。

この記事では、近年のインバウンド消費傾向や日本の伝統文化の魅力を活かしたインバウンド対策について解説します。 


訪日外国人が年々増加している

訪日外国人の数は年々増加しておりインバウンド市場は拡大を続けています。

外国人観光客はどのような部分に魅力を感じ、どのように日本を楽しんでいるのでしょうか。 

以下では、日本の魅力やインバウンド消費の傾向について解説します。 

2018年も記録更新

大手旅行会社のJTBでは観光局の発表をもとに訪日外国人客数の推移についてのグラフを作成しています。

以下のグラフによれば東日本大地震が発生した2011年頃には一時的に伸び悩んでいるものの、全体的には上向きに推移しており特に2014年頃以降の伸び率は非常に高くなっています。

▲年別訪日外国人数の推移(1964年以降):JTB総合研究所 HPより引用
▲年別訪日外国人数の推移(1964年以降) 出典:JTB総合研究所インバウンド 訪日外国人動向

外国人観光客が日本を選ぶ理由

外国人観光客が旅行先として日本を選ぶ理由には日本食や四季、ポップカルチャーなどさまざまなものがありますが、日本の伝統文化に惹かれて日本を訪れる訪日外国人は特に多いです。

1000年以上の歴史を持つ日本庭園の美しさや伝統的な意味合いが込められている祭り、古くから伝わる製法によって造られる日本酒など、日本には数多くの魅力的な伝統文化があります。

伝統的な日本文化の奥深い魅力は国境を越えて認められています。 

訪日外国人観光客は「コト消費」にお金をかけている

近年の訪日外国人客の消費動向を分析すると物や商品を購入する「モノ消費」から体験やサービスを購入する「コト消費」へとシフトしています。

コト消費へのシフトの背景には経験を主軸とする消費への意欲向上が関係しており、日本食や着物の着付け体験、温泉の入浴などのコト消費が人気です。

特にリピーターとして日本を訪れる外国人客ではコト消費に重点を置いている人々の割合が多く、日本でしかできない体験に対して消費をする傾向が顕著となっています。 

外国人観光客に人気の体験

コト消費が主流となっている現代において外国人観光客から特に人気を集めている体験にはどのようなものがあるのでしょうか。

以下では、伝統文化を体験できるサービスの中でも特に外国人から好評なものについて解説します。 

  • 温泉
    • 7世紀に書かれた書物にも温泉についての記述があり、日本における温泉の歴史は非常に長いことがわかります。 また、海外には大浴場の文化がなく家族や友人だけでなく見知らぬ人とも同じ湯に浸かる温泉は興味深いと感じられるようです。 
  • 歌舞伎
    • 歌舞伎は能楽と並ぶ日本の伝統演劇であり、外国人からも関心を得ています。 近年ではさらに多くの人々に歌舞伎に興味を持ってもらうべく、外国語で音声が流れるヘッドホンやアニメを題材にした演目を取り入れるなど、歌舞伎の多様化が進んでいます。 
  • 着付け
    • 着物の色柄や造形から感じられる美しさは外国人からも好評で、日本の伝統的な着衣である着物を着てみたいという人々も多いようです。 しかし、購入するには高額なことや着付けを学ばなければ正しく着用できないこともあり、気軽に着物を着用できる着付け体験は非常に人気です。 
  • 茶道
    • イギリスや中国などお茶についての文化を持つ国は多くありますが、日本における日本茶も独自の文化として長い歴史を持っています。 茶道の美しい所作や奥深い風味は日本人だけでなく外国人をもとりこにしています。
  • 殺陣 
    • samuraiが英語で伝わることからもわかる通り、サムライ文化は外国人から特に人気の高いテーマで、日本を訪れた際にはサムライになってみたいという外国人も多くいます。 映画やドラマのワンシーンにも取り入れられている殺陣の体験では刀を使ってまるでサムライのような戦闘を演じることができます。
  • 折り紙
    • 折り紙もまた日本独自の文化で、平安時代に書かれた書物にも折り紙についての記述があるようです。 1枚の紙から立体的な鶴を折ることもできる折り紙は外国人には不思議にも思えるようで、折り紙体験は人気のアクティビティの1つとなっています。
  • 書道
    • 近年漢字のタトゥーを入れる外国人が増えているように、漢字は外国人にとって非常に興味深く感じられるようで、好きな漢字を書くことによって表現する書道も人気を集めています。 漢字の複雑な書体や一字でも意味を表すことができる点に興味を惹かれる外国人が多いようです。
  • 華道
    • 華道は平安時代に始まり明治以降ではヨーロッパのフラワーデザインにも影響を与えた純日本文化です。 華道はワークショップの題材に選ばれることも多く、植物の美しさにはリラクゼーション効果もあるため人気となっています。
  • 浮世絵
    • ゴッホやモネなどの著名な画家も浮世絵からインスピレーションを受けていたと伝えられており、浮世絵は今なお多くの外国人を魅了しています。 見て楽しむことが多い浮世絵ですが、制作体験ができる施設もあり、中でも大阪の上方浮世絵館の浮世絵制作体験が有名です。
  • 食品サンプル
    • 食品サンプルは現代日本を代表する産業の1つであり、日本の職人が制作する食品サンプルの精巧さは海外でも話題となっています。その再現度の高さは、もはや伝統文化といっても過言ではない存在です。 中には比較的簡単に作れる食品サンプルもあり、本物さながらに作ることは難しいですが、制作体験ができるワークショップは人気です。 

外国人観光客が喜ぶ文化体験プランとは

大まかには上のランキングに挙げた文化を体験できるサービスが人気ですが、具体的にはどのようなプランを楽しんでいるのでしょうか。

以下では、外国人観光客から人気の文化体験プランについて紹介します。 

事例1:一日レンタル浴衣付き宿泊プラン

川越プリンスホテルではレンタル着物店と提携して宿泊とセットでレンタル浴衣サービスを提供しています。

川越は埼玉の小江戸と呼ばれるほどに風情ある街並みを今も残す街として外国人から人気を集めていましたが、浴衣を着用して昔ながらの街を散策できる宿泊プランは川越の魅力をさらに引き立てています。

プリンスホテルが「1日浴衣レンタル付き宿泊プラン」でインバウンドに着物体験を提供

レンタル着物店と提携して実現 期間限定のプランに川越プリンスホテルが、「1日浴衣レンタル付き宿泊プラン」でインバウンドなどに着物体験を提供していくと、7月23日に発表しました。「1日浴衣レンタル付き宿泊プラン」は、日本の風情ある町並みを、着物姿で散策できる宿泊プランです。インバウンドだけでなく、日本人の特に若い世代の和装ビギナーなど、誰でも気軽に体験が可能。レンタル着物店「*NANAKO*」と提携したことで実現したこのプランは、9月30日までの期間限定販売となります。「1日浴衣レンタル付き...


事例2:平安時代にタイムスリップ 食文化体験

京都府の平安神宮近くに位置する料亭「六盛」では平安貴族が食していた料理を再現して提供する食文化体験が人気です。

六盛は老舗の料亭で、文献や史書をもとに1200年前の人々の食事を研究して再現しており、部屋の明るさや内装に至るまで当時の雰囲気にできる限り近づけています。

日本食は外国人からも人気のコンテンツですが、平安時代の食事を体験できるプランは希少なこともあり注目を集めています。

事例3:自分で作る そば打ち体験

台東区谷中にある「手打ち蕎麦やなか」ではそば打ち体験プランを用意しています。

40年以上もそば打ちに携わっている職人からそばの製法や基本を直接教わりながら、自分でそばを打ち食べることができるプランは外国人からも好評です。

また、谷中は根津や千駄木と並んで谷根千エリアと呼ばれており下町風情ある一帯として訪日外国人からも人気の街で、観光や散策と併せて日本文化に触れられると人気のプランです。

日本の伝統文化の魅力を活かしてインバウンド増加

近年では訪日外国人のニーズはモノ消費からコト消費へとシフトしており、中でも日本の伝統文化を体験できるプランが人気を集めています。

一言に日本の伝統文化といえど歌舞伎や浮世絵といった芸術や伝統芸能、着物や浴衣といった伝統着衣、日本食など、さまざまなコンテンツがありそれぞれに適したアプローチがあります。

日本の伝統文化に魅力を感じる外国人は多いため、インバウンドにおいて伝統文化は大きな役割を担っていると言えるでしょう。 


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!