利用客数、過去最多更新の「関空」が「インバウンドの玄関口」となった4つの理由とは

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関西国際空港は、2018年の総旅客数が前年比2%増の約2,940万人となり、過去最多を記録しました。

総旅客数のうち国際線の利用者数は、前年比4%増の約2,289万人と関西国際空港の約7割強を占めています。

旅客数増加の要因としては、中国や東南アジアからの旅行者が著しく増加していることが挙げられます。

そして、これら多くの訪日外国人観光客は、空港から関西各地の観光エリアへと足を運んでいます。

関西圏の観光施設・買い物スポット・飲食店・宿泊施設などは、関西国際空港を利用する訪日外国人観光客を上手く取り込むことで、売上の増加や新規顧客の獲得が期待できます。

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関西国際空港が選ばれる4つの理由

2018年に開港25年を迎えた関西国際空港は、関西の玄関口として機能する日本屈指の国際空港です。

多くの外国人旅行客が空港から関西各地へ観光に訪れており、関西のインバウンド観光にも大きな影響を与えています。

まずは、関西国際空港がなぜアジアを中心とする外国人旅行客に選ばれているのかを探ります。

1. 成田・羽田に比べてアジアに1時間近いという強み

日本を代表する国際空港と言えば、東の成田空港、西の関西国際空港が挙げられます。

成田空港は、主に欧米やオーストラリアなどの国からの利用客が圧倒的に多い傾向があります。

一方、関西国際空港は中国・韓国・台湾・香港・マレーシアといったアジア圏からの利用客が多いという特徴があります。

これは、アジアから日本までの距離・時間を考えた場合、関西国際空港は東京よりも約1時間近いという利便性が、理由の一つであると言えます。

2. LCCの就航都市数が日本一

関西国際空港が選ばれる背景には、アジアからの距離の近さに加えて、日本最多を誇るLCC格安航空会社)の就航数も大きく関係しています。

関西国際空港のLCC便数は、 2012年以降から右肩上がりに増えています。

中国や韓国などの近隣諸国をはじめ、近年は東南アジアの路線も大幅に増加しています。

さらに、2017年にはLCC専用の第2ターミナルも開通し、益々LCC路線・便数の充実が図られています。

2018年冬季の時点で、LCC便数は国際線旅客便の約4割を占めるまでに成長し、アジアを中心とする観光客の訪日を促す重要な役割を果たしています。

3. 免税店の充実

関西国際空港を利用する訪日外国人観光客は、各ターミナルの免税店での買い物も楽しんでいます。

特にLCC専用の第2ターミナルでは、搭乗口まで免税店内を巡回するよう設計された「ウォークスルー型免税店」を導入し、より一層利用客の購買意欲に訴えかける売り場が展開されています。

免税店では特に中国人旅行客の利用が多く、他国の旅行客に比べて1人あたりの消費金額も大きい傾向があります。

そのため、中国人旅行客に人気の商品を充実させたり、中国のモバイル決済サービスアリペイ」を導入したりと、中国人旅行客を意識した取り組みにも力を入れています。

さらに、Weibo微博)やWeChat微信公众号)といった中国のSNSにおいて、積極的な情報発信も行い、宣伝・集客に役立てています。

4. 大阪・京都・奈良など主要観光地への拠点

関西国際空港は、大阪・京都・奈良といった関西の人気観光地への距離が近く、アクセスも便利という魅力があります。

空港からは各地の主要駅やホテルなどを結ぶリムジンバスをはじめ、電車、神戸方面への高速船など、目的地に合わせて多様な交通手段が利用できます。

関西国際空港利用のインバウンド客がもたらす経済効果

関西国際空港を利用する訪日外国人観光客数が多いことで、関西国際空港はもちろん、関西各所にもたらす経済効果は非常に大きいと言えます。

ここでは、インバウンド集客が活性化されることで、どのような効果があるかを見ていきます。

インバウンド客で賑わう観光名所

▲[2018年(平成30年)の訪日外国人旅行消費額(確報)]:観光庁「訪日外国人消費動向調査」より引用
▲[2018年(平成30年)の訪日外国人旅行消費額(確報)]:観光庁「訪日外国人消費動向調査」より引用

観光庁の発表によると、2018年の日本全体での訪日外国人旅行消費額は、4兆5,189億円と過去最高を記録しており、2012年から連続で対前年増を達成しています。

国別では、中国人旅行客を筆頭に、韓国・台湾・香港とアジア圏の国からの旅行客の消費額が半数以上を占めています。

また、関西圏の2017年の都道府県別の訪日外国人観光客数は、大阪が東京に次ぐ2位の多さで、京都や奈良県もトップ10内に入っており、多くの訪日外国人観光客が関西を訪れていることが分かります。

訪日外国人観光客が多く集まれば、観光施設をはじめ、移動に利用する交通機関などあらゆる場所でお金が落ちることになり、地域の経済活性化に繋がります。

買い物客・宿泊客の増加

▲[国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者構成比(2018年4月)]:近畿運輸局HPより引用
▲[国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者構成比(2018年4月)]:近畿運輸局HPより引用

関西国際空港の利用客はアジア人が多いため、関西各県における宿泊客数も圧倒的にアジア圏からの旅行客が多い結果となっています。

このように、空港利用者が増えれば増えるほど、宿泊客や滞在先での買い物客も増えるため、宿泊施設や小売店・商業施設などは大幅な売上アップが期待できます。

増加するインバウンド客を取り込む戦略

2018年の訪日外国人観光客数は日本全体で3,000万人を突破しました。

政府は東京オリンピックが開催される2020年には4,000万人を目標としています。

好調なインバウンドブームに乗り、関西国際空港を利用する観光客も益々増えることが見込まれるため、各地の観光施設・飲食店・宿泊施設・商業施設などでは、これら多くの外国人観光客を取り込むことで商機を生み出すことが可能です。

そしてそのためには、効果的なインバウンド対策を施すことが重要になります。

空港からのアクセスの良さや利便性をアピール

▲[外国人旅行者に対するアンケート調査結果について]:観光庁HPより引用
▲[外国人旅行者に対するアンケート調査結果について]:観光庁HPより引用

多くの訪日外国人観光客にとって、移動手段となる公共交通機関の利便性や移動経路の分かりやすさは重要視されるポイントです。

観光庁の実施した「外国人観光案内所を訪問した外国人旅行者アンケート調査結果」によると、滞在中に困ったこととして、多くの旅行者が「目的地までの公共交通機関の移動経路・情報」の入手の困難さを挙げています。

この結果から、インバウンド集客のためには、公式サイト等でアクセス方法を詳細且つ分かりやすく掲載するのが効果的です。交通機関の種類・利用路線・料金・乗り換え情報・最寄り駅からの徒歩経路など、きめ細やかな情報提供をすることで、足を運んでもらいやすくなります。

また、空港からのアクセスの良さや、周辺観光スポットの分布などの情報も合わせて記載すると、よりメリットがあると感じてもらえます。

尚、これらは外国人が一目でみてわかる内容にすることが重要なため、アクセス経路を視覚化したり、英語表記を加えるなどの工夫も必要です。

受け入れ体制の整備

観光庁の実施した「外国人観光案内所を訪問した外国人旅行者アンケート調査結果」によると、「言語問題」や「無線LAN環境」も旅行中に困ったことの上位を占めています。

訪日外国人観光客が利用しやすい環境を整えることは、インバウンド集客において非常に効果的です。

スムーズに利用できる環境が揃っていれば、必然的に利用者からの評価は上がり、その後口コミサイトの投稿によって評判が拡散されたり、リピーターの獲得にも繋がります

必要に応じて、以下のように受け入れ整備を進めましょう。

  • 公式サイトの多言語化
  • 施設の利用方法の多言語表示
  • 飲食店ならメニューを多言語対応や写真付きに改良
  • 無線LANの導入とWi-Fiが使えることが分かる掲示
  • カード決済やモバイル決済などのシステム導入
  • 多言語翻訳アプリの導入  など

インバウンド客向けの取り組み・宣伝の強化

インバウンド集客のためには、積極的な情報発信が必要不可欠です。

施設の魅力アピールやインバウンド対策の状況といった情報は、きちんと利用客に届かなければ集客効果は薄くなってしまいます。

そのため、公式サイトやSNSを活用して積極的に宣伝しましょう

尚、多くの訪日外国人観光客数は、来日前にインターネットを通して情報収集をしています。

例えば、個人のブログ・日本政府観光局や旅行会社サイト・宿泊施設サイト・SNS・口コミサイトなど、多様な媒体を利用しています。

こういった事前の情報収集の段階で魅力を感じてもらえなければ、集客に繋げることは難しくなります。

情報発信の際には、観光地や施設自体の魅力に加えて、インバウンド対策の内容やアクセス方法など、訪日外国人観光客にとってメリットとなる内容を盛り込んで紹介すると良いでしょう。

効果的な戦略をたてて関西国際空港を利用するインバウンド客を取り込む

関西国際空港を利用する訪日外国人観光客を上手く取り込むためには、観光客にとって利用する楽しみやメリットがあることが重要な決め手となります。

そのためには、空港からのアクセスの利便性を含む情報発信や受け入れ体制の整備といった、きめ細やかなインバウンド対策が効果的です。

インバウンド集客に成功させて、より多くの収益と、エリア全体の活性化へと繋げましょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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