【魅力度ランキング2019】茨城、ことしも最下位 7年連続10度目のワケ:インバウンドだけが知る魅力も

インバウンド市場では東京・大阪といった繁華な地域や、北海道・沖縄といったリゾート地へ集中しています。東北や四国などが独自の取り組みを進める中、観光均衡では福島・栃木・茨城を「ダイヤモンドルート」として観光ルートとして確立させようという動きも出ています。

このように地方では、都心にはない魅力を発信し、国内外の観光客の誘致に熱心に取り組んでいます。

こうした都道府県の人気をランキング形式で年に一回発表する株式会社ブランド総合研究所の「都道府県魅力度ランキング」があります。実はこのランキングで茨城県はで2013年以来、6年連続で最下位を取り続けていましたが、ことしも最下位となり、7年連続、10度目となりました。

茨城は本当に魅力がないのか?実は茨城県には、意外と海外の人に知られているスポットなど、多様な観光資源があります。 


魅力度ランキングとは

「都道府県魅力度ランキング」は地域のブランド力を消費者側が抱く「魅力」として数値化し、順位付けしたものです。

幅広い世代や地域の人々に、居住意欲や観光意欲から、旅番組やグルメ番組といった地域への接触経路やイメージなどのアンケートを行い、各地域のブランド力を計っています。

全国の市と47都道府県のほか、地域のブランドづくりに熱心な町村も参加しているランキング調査です。 

過去の結果は?北海道ブランド強し

7年連続最下位の茨城県に対し、11年連続の1位を保持しているのが北海道です。

おいしい食べ物がたくさんあるイメージや、豊かな自然が1位に選ばれた大きな理由と考えられます。他にも、京都府や東京都、沖縄県は長らく上位となっています。ブランド力のある都道府として定着しているといってよいでしょう。

2013年から茨城県が連続して最下位となっていますが、その前年2012年度の最下位は群馬県でした。

また、日光東照宮などは注目されているものの、都道府県魅力度ランキングにおける栃木県は下位を上下してきました。

新幹線や空港へのアクセスが良く、観光資源も密集する東京には人が集まりますが、その分、そこから1時間~の移動時間を要する北関東へは、あえて行きたいという関心が起こらないのかもしれません。

<都道府県魅力度ランキング2019>

順位 都道府県名 点数
1 北海道 61.0
2 京都府 50.2
3 東京都 43.8
4 沖縄県 40.4

・・・

順位 都道府県名 点数
44 徳島県 12.2
45 群馬県 11.5
46 佐賀県 11.2
47 茨城県 9.4


茨城の観光資源、実はこんなにある!

では、そんな注目されにくい茨城県の観光資源にはいったいどのようなものがあるのでしょうか。

1. 日立「海の見えるカフェ」


茨城県の日立というとメーカーを思い浮かべる人も多いとは思いますが、春は桜、夏は海水浴スポットです。

JR常磐線の日立駅は、ガラス張りのモダンな駅舎になっていて、駅の中から一望できる海が美しいと評判です。天気が良ければ広い青空に太平洋の水平線がまっすぐ引かれている光景を目にすることができるかもしれません。

駅に隣接して作られているシーバーズカフェは、日立市出身の建築家である妹島和世氏が監修した建物で、グッドデザイン賞を受賞しています。

駅舎から突き出た造りになっているので、海に浮いているかのような気分が味わえるのが特徴です。都会的でダイナミックな駅舎やカフェと迫力のある太平洋のマッチングを味わえるユニークな場所で、リゾート感もあり、訪日外国人でもこの風景に心を打たれて足を運ぶ人がいるようです。

京都や東京のように、観光地化が進んだ土地でないため、混雑を味合わなくて済むのも魅力です。

2. ひたち海浜公園


ひたち海浜公園はスイセンやチューリップ、ネモフィラ、バラ、コスモスなどの四季折々の草花を楽しめる国営の公園ですが、一番の特徴はその広さです。

東京ドーム約41個分の面積を有し、草花だけでなく砂丘や樹林エリアもあります。園内を周遊するシーサイドトレインが通っているので移動に不便しません。

都心のはずれにささやかに作られた四角い花畑も悪くないですが、水彩画や絵本に出てくるような一面の花畑を実体験するにはもってこいです。”インスタ映え”するスポットとして昨今ではSNS上で写真を見かけることも少なくありません。

バーベキューができたり、併設の遊園地もあるので、カップルでも家族連れでも楽しめるため、観光地としてのポテンシャルは非常に高いでしょう。 

3. 大洗は「ガールズ&パンツァー」の町

ガルパンの略称で知られる「ガールズ&パンツァー」は、2012年に放映が開始され、人気を博しているアニメです。戦車を使った武道「戦車道」が、華道や茶道と並んで大和撫子のたしなみとされている世界を舞台に物語が展開されます。空想の物語でありながら、舞台は茨城の大洗町をモチーフにしており、実在する施設も登場します。。

鹿島臨海鉄道はキャラクターデザインを車内外にあしらったラッピング列車を運行しています。他にも劇中に出てきた食べ物が実際に食べられたり、特別宿泊プランのある割烹旅館が用意されていたりなど、地域を上げて聖地としての売り出しに取り組んでいます。

インバウンド人気じわり、茨城空港が後押し?

茨城空港は地方の空港でありながら、国際線が就航しています。台北ヘは週に2日、上海へは水曜日を除き毎日運航されています。

残念ながら9月から運休していますが、韓国ソウルへの直行便も就航していました。

東京駅と茨城空港をワンコインでつなぐバスが通っていたり、無料駐車場があるなど、北関東と海外をつなぐ。

また、導線が短く、利用者にわかりやすいビル構造や、職員を同一フロアに集約するなど、小規模だからこそ使いやすく、コストを抑える工夫がしっかりとなされています。このように東京に近いけれども遠い北関東の空港ならではの作りになっていることで、宇都宮や水戸と上海、台北のアクセスはなかなかの良さです。 

中国でも実は知られた地名

ある旅行会社が行った2017年の中国人旅行者の都道府県認知度の調査では、旅行先として茨城県を調べた人は対象者の内13.3%でしたが、もとから知っていた都道府県だと答えた人は29.3%でした。

都道府県ランキングで最下位の続く茨城でも中国では3割近くの人がもともと茨城の地名を知っていた背景には、外国人技能実習生の存在が考えられます

茨城では農業が盛んで、農業は人手不足の深刻な分野でもあります。昔から、中国からの技能実習生が就業していました。こうした中国との関係を通じて、中国社会でも知名度が高くなっています。

現在の技能実習生にはベトナム人やインドネシア人が増えており、今後はこうした地域での観光地としてのイメージ確立に取り組むことも有効なアプローチとなるかもしれません。

まとめ

東京から特急で1時間弱で到着できる、広大な自然や、県の中でも地域によって特色のある茨城県の認知度がまだまだ低いのは確かです。

北海道は、雪や乳製品、海鮮、広大な土地といったイメージで中国をはじめとするインバウンド市場や国内旅行でも人気を博しています。対する茨城は、徐々にSNS映えする自然環境やコンテンツツーリズムといった取り組みを通じて認知度アップを図っています。農業が盛んなだけあり、インバウンドからも期待される「食」でのポテンシャルは非常に高いと言えるでしょう。今後は環境整備を通じてさらなる集客を実現していくかもしれません。

今回も最下位に終わった茨城ですが、この結果を踏まえ、現在ある魅力のマーケットに応じた更なる宣伝や、わざわざ足を運ぶことへの動機づけなどで名誉回復を目指していくことでしょう。



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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!