訪日外国人観光客が増え、街中では写真撮影を行う訪日外国人を見かけることが多くなりました。撮影を依頼される機会も今後増えていくのではないでしょうか。
こうした際、簡単な言葉でも現地の表現で声かけができれば、旅先での印象深いワンシーンとなるはずです。
今回は、各国の言葉での「はいチーズ」を紹介します。
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日本語「はい、チーズ」の外国語
写真と撮る時の定番の掛け声「はい、チーズ」は、アメリカでも使われている掛け声のひとつです。
日本で「はい、チーズ」が広まったきっかけは、1964年の東京オリンピックの前年に放送されていた雪印乳業(現:雪印メグミルク)のチーズのテレビコマーシャルであると言われています。
このコマーシャルでは「チーズと言ってごらん」とカメラマンが声掛けし、女性が「チーズ!」と言いながら笑顔になります。
そして「あなたもチーズと言いましょう。チーズは笑顔をつくります」とナレーションが続き、日本人の間で「チーズ=笑顔」が定着し、写真撮影の掛け声として広く使われるようになりました。
日本の定番の掛け声「はい、チーズ」は、英語圏の「Say Cheese」から来ています。
英語で「チーズ」を発音する時は「チー」で口が横に広がり、口角が自然に上がります。日本語と異なり「チーズ」における「ズ」は口をすぼめて発音しないため、笑顔の状態が保たれます。
集合写真など連続して撮影する時は、撮られる人が「Cheese」とリピートすることもあります。
また、英語圏では「Say Cheese」の他に、「Three Two One!」や「Smile」も写真を撮る時の掛け声としてよく使われています。
中国語「1、2、3、茄子!(イー、アル、サン、チェズ!)」
中国ではチーズではなく、茄子(チェズ)が写真を撮る時の定番のかけ言葉です。
「チェズ」は口を尖らせるのではなく、英語のチーズのように口を横に引っ張るような形で発音するため、自然に笑顔を作った時の顔になります。
具体的には、チェズと短く発音するのではなく「チィ」で口を大きく左右に伸ばし、そのまま滑らかに音階を上げて「エ」を発音し、上の歯と下の歯を軽く噛み合せた状態でやさしく「ズ」を発音します。
また、シンプルに「イー、アル、サン」とだけ、写真を撮る側が掛け声として言うこともあります。
韓国語「김치(キムチ)」
韓国の写真を撮る時の掛け声は、韓国の名産品として有名な「キムチ」です。
笑顔になるためには「チィ〜」と口角を上げながら伸ばすことがポイントです。
また、中国圏同様に「1、2、3(ハナ、トゥル、セ)」と撮る側が数字を3つ数え、撮られる側が「キムチィ〜」と言うパターンもあれば、撮る側が言った「キムチ」を復唱しするパターンもあります。
ドイツ語「Ameisenscheisse(アーマイゼシャイセ)」
ドイツの写真を撮る時の定番は「1、2、3、ケーゼ!」。「ケーゼ」とはドイツ語でチーズという意味です。
「Kase(ケーゼ)」の他に、「bier(ビア)」や「Spagetti(スパゲッティ)」などの飲み物食べ物も使われます。
特に子どもを撮影する時にはスパゲッティの他にチーズケーキなどの食べ物を掛け声として使うことが多いようです。
また、直訳で蟻のうんちという意味の「Ameisenscheisse(アーマイゼシャイセ)」も写真を撮る時の面白い掛け声として使われています。
スペイン語「Di Patata(ディパタタ)」
スペインで写真を撮る時は「Di Patata(ディパタタ)」という掛け声を使います。「Di」は言って、「Patata」はポテトという意味です。
そのため、撮る側が「Di Patata!(ポテトと言って!)」と声掛けをしたら、みんなで「パタ〜タ!」と返します。
今まで出てきたチーズやキムチと異なり、Patata(パタ〜タ)は大きく口を開けて発音するため、大きな笑顔の写真が撮れます。「Di Patata(ディパタタ)」は、スペインの陽気な国民性が感じられるとてもユニークな掛け声です。
フランス語「Cui Cui(キュイキュイ)」
フランスでは写真を撮る時に笑顔をつくる風習がなく、自然な笑顔で撮ることが多いと言われています。そのため、笑顔をつくらせるような掛け声ではなく「こっちを見て!」という意味合いを持つ「Cui Cui(キュイキュイ)」という掛け声が使われています。
「Cui Cui(キュイキュイ)」は小鳥の鳴き声を表した言葉です。昔のカメラは小さな箱のような形をしていて、カメラマンが「この中に小鳥がいるよ!こっちを見て!」と視線や注目を集めるために使っていたそうです。
その掛け声が現代でも定番として根付いています。Cui Cui の他には「はい、チーズ」から派生した、「Camenbert (カマンベール)」もあります。
【多言語】世界の言葉でなんと言う?
ここでは、「はい、チーズ」以外の様々な国の言葉をみていきたいと思います。
英語「Cheers(チアーズ)」
英語圏では乾杯の時は「Cheers!(チアーズ)」というお祝いや喜びを表す言葉を使います。Cheersは乾杯の時以外にも「ありがとう」や「じゃあね」の意味で使うこともあります。
また、「乾杯をする」は「make a toast」と言います。
隣国の韓国や中国では、日本語の「乾杯」と近い発音で乾杯します。韓国語で乾杯は「コンベ」と言い、賑やかな宴席や友達同士の食事の際は、始まりだけでなく食事の途中でも「コンベ〜、コンベ〜」と何度も乾杯します。
親しい間柄ではグラスを鳴らすときの音、「チャン」と言って乾杯することもあります。
中国語で乾杯は「カンペイ」と言い、「杯を干す」つまり一気に飲み干すことを意味します。中国の飲みの席では、飲み干すことで相手に敬意を表します。また、敬意を示された側も飲み干します。
フランスやドイツでは、健康を祈って乾杯することから、フランス語では「Salute(サルーテ)」、ドイツ語で「A votre sante(ア・ヴォートル・サンテ)」と言います。
試食してみますか
海外の方は日本の食べ物の味を見た目から判断することが難しいため、試食や試飲が購買意欲につながります。
積極的に試食や試飲の声掛けをすることで、売上につなげられるため、積極的に使ってみましょう。
英語で「試食してみますか?」は「Would you like to try it?」。このフレーズは直訳すると「これを試してみますか?」で、食べ物だけではなく、服などにも使えるとても便利なフレーズです。
中国語では「你要试吃吗(ニーヤオ、シーチーマ?)」と言い、台湾(マンダリン語)では発音は同じですが、表記は「你要試吃嗎」となります。そして、ドイツ語では「Probieren Sie doch mal ?(プロビーレン ズィー ドッホ マル?)」、フランス語では、「Voulez-vous goûter(ヴーレヴ グテ?)」と言います。
インバウンド増加に対し、多言語化は必須
日本政府観光局(JNTO:Japan National Tourism Organization、正式名称:独立行政法人 国際観光振興機構)の発表によると、2018年の訪日トップ3は1位中国、2位韓国、3位台湾でした。
アジア圏以外の国では英語圏のアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどが20位までにランクインしています。非英語圏のヨーロッパではフランス、ドイツ、イタリア、スペインの順で20位までに入っています。
1. 最初のコミュニケーションが肝心
アジア、ヨーロッパ、アメリカをはじめ、世界中から観光客やビジネスマンが日本を訪れるようになりました。
言葉はそれぞれ違っていても、まずは明るく挨拶をして迎え入れる姿勢が大切です。外見や言語でどこの国の人か判断が難しい場合は日本語で「こんにちは!」と挨拶してみましょう。明るい声で話しかければ、意味が通じなくても歓迎している気持ちは伝わります。
たとえ英語やその他の言語がうまく話せなかったとしても、まずは身振り手振りで積極的にコミュニケーションを取り、お客さんに誠実に寄り添いましょう。そうすることで、あなたやお店の印象が格段に上がります。
2. 通訳機の導入
英語以外の言語も求められるようになったことで、さまざな企業や団体が便利な翻訳機を開発しています。翻訳機は訪日外国人客への接客クオリティの向上に役立ちます。
ソースネクスト株式会社が開発した「POCKETALK(ポケーク)W」は、JR九州の新幹線全45駅の改札や窓口、ホームでの案内に採用されました。
ボタンを押して話しかけるだけで翻訳され、身振り手振りよりも正確なコミュニケーションを可能としました。
また、株式会社ログバーは接客に特化した翻訳機「ili PRO」を開発しました。こちらは旅行中に使う単語やフレーズを幅広くカバーしており、インターネットがない環境(オフライン)でも使えるところが魅力です。
すぐに翻訳機を導入することが難しい場合は、無料で使えるスマホ専用の翻訳アプリがあります。国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した「VoiceTra(ボイストラ)」は、現在30カ国以上に対応しています。
多言語対応可能な翻訳機のおすすめは?一方向と双方向の違い、5つの売れ筋機器、導入事例を紹介
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3. ウェブサイトの多言語対応
現場での多言語対応の他に、ウェブサイトの多言語対応も今後必要になってきます。対人コミュニケーションと異なり、情報が不特定多数の人に発信されるため正確な翻訳が求められます。
そのため、ウェブサイトの多言語化には翻訳機器や翻訳ツールよりも、ウェブサイト専用の多言語化サービスを利用することが推奨されます。
「WOVN.io」や「MYサイト翻訳」はウェブサイトの多言語化に特化したサービスを展開しており、企業や自治体での導入事例も多く、大変注目されています。
多言語対応とは?インバウンド対策で求められる言語・対応方法・おすすめツールを紹介
多言語対応はインバウンド対策として重要視されています。しかし、語学は短期間で習得できるものではなく、多言語を操れるスタッフを雇うにも、時間と労力がかかってしまいます。 日本にはさまざまな国から訪日外国人がやってきますが、多言語対応でメインとなる言語は英語と中国語です。この2か国語に対応できれば、かなり多くの訪日外国人観光客とコミュニケーションがとれるようになるといえます。 「多言語対応」でどの言語に対応すべきか、また多言語対応を行う手段、おすすめの翻訳サイト・ツールついて紹介します。 ...
多言語対応で日本人、訪日外国人両方にとってストレスフリーに
2020年の東京オリンピックに伴い、訪日外国人客は今後も増えていきます。接客で必要なフレーズや単語を事前にまとめておいたり、無料の翻訳アプリをダウンロードしたりしておくと安心です。
最近では無料サービスも有料サービスも企業・団体での導入事例も増えています。
そのため、資料請求やインターネットで情報を集めて導入を検討してみるのも良いでしょう。
多言語対応について検討することは、日本人と訪日外国人の双方にとってストレスのない環境を築くことの第一歩と言えます。今後増える訪日外国人客を気持ちよく、ストレスなく迎えられるように多言語対応の準備を進めていきましょう。
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