多言語対応とは?インバウンド対策で求められる言語・対応方法・おすすめツールを紹介

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

多言語対応インバウンド対策として重要視されています。しかし、語学は短期間で習得できるものではなく、多言語を操れるスタッフを雇うにも、時間と労力がかかってしまいます。

日本にはさまざまな国から訪日外国人がやってきますが、多言語対応でメインとなる言語は英語中国語です。この2か国語に対応できれば、かなり多くの訪日外国人観光客とコミュニケーションがとれるようになるといえます。

多言語対応」でどの言語に対応すべきか、また多言語対応を行う手段、おすすめの翻訳サイト・ツールついて紹介します。


【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

多言語対応とは

多言語対応は、訪日外国人観光客を呼び込むために重要な対策として考えられています。

観光庁の「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」においては、旅行中の困りごととして、スタッフとのコミュニケーションや多言語表示の少なさ・わかりにくさを挙げる割合は年々減少傾向にあります。しかし、それでもほかの項目と比較すると高い水準になっています。

多言語対応は何語に対応するべき?

下記のように訪日外国人台湾香港を含むと中国語をメインとしているのがわかります。

2018年の国・地域別訪日外国人数ランキング

順位 国・地域 人数
1位 中国 838万人
2位 韓国 753万人
3位 台湾 475万人
4位 香港 220万人
5位 アメリカ 152万人

▲[国籍/月別 訪日外客数(2003年~2019年)]:日本政府観光局(JNTO)より引用

翻訳=英語のイメージは根強くあるものの、訪日外国人の半数以上は中国を母国語としています。

また、英語アメリカをはじめとした英語圏の訪日外国人にしか通用しないと思われがちですが、フランススペインのような国では義務教育期間中に母国語以外の言語を習得する指導を受けているため、英語を操れる人が珍しくありません。

これ以外に必要とされる言語を見ていくと、韓国語タイが挙げられるでしょう。訪日外国人の数は、韓国が2位、タイが6位となっているためです。

フランス人に焦点を当てると、約30万人の観光客が訪れていますが、前述の通り、英語での対応が可能な場合が多く、優先的にフランス語に対応する必要はなさそうです。

【国別】2019年訪日外国人観光客数の予測|効果的なインバウンド対応のポイントとは?

日本政府観光局(

英語と中国語にはそれぞれ種類がある

英語は、アメリカ英語イギリス英語に大きく分かれます。日本の教育機関で使われるのはアメリカ英語であり、日本人はイギリス英語と馴染みがないのが実情でしょう。

そもそも何が違うのかと言うと、アクセントはもちろんですが、スペリングや文法も異なってきます。

具体例を挙げると、アメリカ英語ではcenter(中央)がイギリス英語だとcentreと表記されるなど、微妙な違いがあります。

また、アパレルの店舗で困るのが、「ズボン」の違いです。アメリカでは日本でも使われるpantsで通じますが、イギリスだとtrousersで、pantsでは下着と勘違いされてしまいます。

他にも携帯電話をcell phoneアメリカ)と呼ぶのに対し、イギリスではmobileと呼ぶなど、知れば知るほど両者の違いに気がつくでしょう。

これらはお互いに全く通じないかといえば、そうではありません。テレビドラマや映画を通じて見聞きする機会が多いため、この程度の違いはイギリス人にも通じますし、逆にアメリカ人も心得ています

面倒なのは言葉の言い回しで、アメリカ英語に頻出するwanna(want toの略)、gonna(going toの略)など、耳慣れていないと対応するのが難しいことでしょう。

同じように中国語にも繁体字」と「簡体字の違いがあります。固有名詞でも違いがあり、説明や案内の際に苦労するかもしれません。

どちらがより実用的かといえば、境界線を引くのが難しく、状況に合わせて使い分けるのが理想と言えます。

繁体字香港台湾、マカオなどを中心に使用され、簡体字中国本土、シンガポールをメインに使われているため、客層に合わせて表記を変えるのが望ましいでしょう。

【訪日ラボ監修/無料】インバウンド対策を始めるなら「インバウンドの教科書」にお任せ


多言語対応の方法は?

接客業の場合、使用頻度の高いフレーズを覚えておけば、それほど外国人の対応に苦労しないでしょう。

前述した国や地域によって異なるニュアンスの違いを覚えるよりも、まずは即時対応できるもので実効性の高い対策を講じるべきです。ここではすぐに実践できる方法を紹介します。

店頭での多言語対応

簡単な挨拶であれば、誰でもすぐに覚えることができます。中国語が難しければ、英語だけでも有効です。どこの国の外国人であっても、英語の挨拶程度ならば心得ていますし、会話のきっかけにすることができます。

店頭での多言語対応としては、頻繁に質問されることや、会計時のフレーズなどをあらかじめ翻訳しておくと便利です。一覧表にしておけば、発音が難しくても表を見ながら話すことでスムーズにやり取りができます。

また、現金を持たずにカードで支払いを済ませる外国人は多いので、目に入る場所にクレジットカードOKの表記をするのがおすすめです。

何より有効なのは多言語を操れるスタッフを雇うことですが、経営的な余裕がある場合と、一定数の訪日外国人が見込める店舗でない限りおすすめできません。

英語「いらっしゃいませ」の発音と書き方

訪日観光客は増え、日本で外国人がショッピングする機会も増えてきています。受け入れる日本のお店側も、どのように外国人客に対応していけばいいのか悩みは多いものです。 お客様が誰であろうと接客の最初は「いらっしゃいませ」です。最初のコミュニケーションが上手くいけば、そのあとも気持ちよくお買い物を楽しんでもらうことができます。特に外国人は、日本での文化や言葉に不慣れなこともあって、色々なことを質問される可能性が高いです。 そこでこの記事では、「いら...

「ようこそ、いらっしゃいませ」中国語で歓迎の挨拶がしたい!接客フレーズ10選と翻訳アプリを紹介

2019年の訪日中国人観光客数は、前年比14.5%増の959万人と過去最高を記録し、訪日客全体の約3割を占めています。日本の主要な観光地では中国語が飛び交っていることも珍しくありません。 そのため、飲食店などのサービス業では、中国語への対応が急がれています。 今回は、訪日中国人観光客に接客する際に必要な「いらっしゃいませ」の中国語の発音と書き方、その他接客で使える頻出フレーズや、翻訳アプリについて紹介します。 [com_category_dl_btn name="多言語接客支援ツール...

Webサイトの多言語対応

無料ツールを利用して、ウェブサイトの多言語対応を考えている方がいるかもしれませんが、あまりおすすめできる方法ではありません。無料ツールだと翻訳精度が低く、伝えたいことが伝わらない可能性があるからです。

精度が高く、即効性が高いツールと言えば「WOVN.io」や「MYサイト翻訳」が代表的ですが、いずれも利用料がかかり、後者に至っては反映されるまで3営業日かかる可能性もあります。

ただし、SEO対策機能やボタン1つで自動翻訳できる機能があるため、ウェブサイトの多言語化を図る場合はどのツールを選ぶべきか、状況に合わせて対応することが重要です。

翻訳サービスや翻訳ツール3選

多言語対応は、必ずしも自分で言語を習得するだけが手段ではありません。自身が英語中国語を操れない場合、翻訳サービスや音声翻訳ツールに頼ることも1つの方法です。 多言語対応の有効手段として以下のツールを紹介します。

1. 音声翻訳ツール:ポケトーク

POCKETALK(ポケトーク)は明石家さんまさんのCMでおなじみの自動翻訳機です。双方向の翻訳(自分の言葉と相手の言葉が翻訳できる)が可能であり、74の言語に対応しています。

英語だけでもアメリカイギリスカナダオーストラリアと国別に分かれており、細かいニュアンスも伝えられます。

また、長文や複雑な表現に対しても応用が利き、スマートフォンのようなタッチパネルで操作が簡単にできるため、使い慣れるまで時間を要しません。

AI翻訳機POCKETALK(ポケトーク)とは?4つの特徴と使い方を解説

ソースネクスト社が販売しているPOCKETALK(

音声翻訳機ポケトークWの評判

ポケトークは2017年に音声認識によるリアルタイム翻訳ができるツールと...

翻訳機ポケトークWの使い方|基本操作と手順・各種設定方法・翻訳精度を解説

POCKETALK(

2. オンライン翻訳サービス

対面での翻訳が必要ない場合は、オンライン翻訳がよいでしょう。オンライン翻訳にはそれぞれ特徴があり、時間をかけても構わない場合は無料ツールを使いこなしましょう。

例えば、Google翻訳」であれば英語フランス後・ドイツ語など、100か国語以上にも対応可能です。その中でも専門性の高い言語を扱うのであれば、エキサイト翻訳を使うとよいでしょう。

アジア圏の言語を頻繁に使う場合は、「Weblio翻訳」がよいとされています。いずれも無料で使えるツールであり、翻訳を見比べて精度を確かめることもできます。

その他、中国語のみですが発音まで確かめられる百度翻訳」や、最大5000字まで翻訳ができ、簡体字繁体字にも対応している「Bing Transfer」もビジネスツールとして有用です。

3. プロへの翻訳依頼

ビジネスリテラシーを強く意識するのであれば、プロの翻訳に依頼することをおすすめします。

1文字の単価が10円前後と、決して安くはありませんが、その分翻訳の精度と品質を保証してくれるのがプロに依頼するメリットです。

特にビジネスシーンで多言語を使用する場合には、プロへの依頼が必須と言ってもいいでしょう。

無料ツールで翻訳を行うには限界があり、医療用語や法律など専門的な知識が必要とされるシチュエーションでは、ネイティブが在籍する翻訳会社を選ぶ必要があります。

オンラインで頼めるプロの翻訳サービス5選

ひと昔前まで「翻訳」といえば英語翻訳が最も需要の高いサービスでした。しかし、...

【訪日ラボ監修/無料】インバウンド対策を始めるなら「インバウンドの教科書」にお任せ


まずは英語と中国語に対応

多言語対応インバウンド消費を生み出す、最も即効性の高い手段と言っても過言ではありません。ご紹介したように無料で使えるツールも多々あり、接客面では取り組み方を変えるだけでスムーズに対応できます。

今後も訪日外国人は増える見込みであり、外国人客を取り込めるか否かは小売業を中心とした企業の成長にとって重要なファクトになってくるでしょう。まずは英語中国への対処を優先し、訪日外国人への対応を改善していけるとよいでしょう。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

【7/16開催】【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※


外食店舗、支援サービス、業界のトップ企業が集結!

さらに、有名飲食店や外食産業を牽引する企業による特別基調講演も開催。

成功企業のリアルな戦略や、これからの外食業界を生き抜くヒントがここに詰まっています!

最新のトレンドを知り、トップ企業の成功ノウハウを学びたい方

業界の最前線で活躍する企業とつながり、新たなビジネスチャンスを掴みたい方にぴったりのイベントです。

今こそ、業界の未来を共に創る一歩を踏み出しませんか?

皆さまのご参加をお待ちしております!

<応募者特典>

  • イベント登壇企業の各種お役立ち資料
    ※口コミアカデミー内でのアーカイブ配信は予定しておりません
  • 本イベントのアーカイブ動画(1週間)

<本セミナーのポイント>

  • 有名飲食店&業界をけん引する企業の基調講演
  • - 成功企業の戦略や実例を直接学べる貴重な機会!
    - トップ経営者や専門家が語る「成長の秘訣」と「業界の未来」
  • 外食業界の最新トレンド&成功ノウハウが手に入る
  • - 変化の激しい市場で勝ち残るための最前線情報をキャッチ!
    - 業界をリードする企業が実践するプロモーション戦略やDX事例を公開!
  • 外食業界を支える最新サービス&ソリューションの紹介
  • - 飲食業界の課題解決につながるアイデアが満載!
    - 効率化や売上向上につながる最新ツール・サービスを知るチャンス

詳しくはこちらをご覧ください。

【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※【7/16開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに