多言語対応とは?インバウンド対策で求められる言語・対応方法・おすすめツールを紹介

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多言語対応インバウンド対策として重要視されています。しかし、語学は短期間で習得できるものではなく、多言語を操れるスタッフを雇うにも、時間と労力がかかってしまいます。

日本にはさまざまな国から訪日外国人がやってきますが、多言語対応でメインとなる言語は英語と中国語です。この2か国語に対応できれば、かなり多くの訪日外国人観光客とコミュニケーションがとれるようになるといえます。

多言語対応」でどの言語に対応すべきか、また多言語対応を行う手段、おすすめの翻訳サイト・ツールついて紹介します。

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多言語対応とは

多言語対応は、訪日外国人観光客を呼び込むために重要な対策として考えられています。

観光庁の「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」においては、旅行中の困りごととして、スタッフとのコミュニケーションや多言語表示の少なさ・わかりにくさを挙げる割合は年々減少傾向にあります。しかし、それでもほかの項目と比較すると高い水準になっています。

多言語対応は何語に対応するべき?

下記のように訪日外国人は台湾・香港を含むと中国語をメインとしているのがわかります。

2018年の国・地域別訪日外国人数ランキング

順位 国・地域 人数
1位 中国 838万人
2位 韓国 753万人
3位 台湾 475万人
4位 香港 220万人
5位 アメリカ 152万人

▲[国籍/月別 訪日外客数(2003年~2019年)]:日本政府観光局(JNTO)より引用

翻訳=英語のイメージは根強くあるものの、訪日外国人の半数以上は中国語を母国語としています。

また、英語はアメリカをはじめとした英語圏の訪日外国人にしか通用しないと思われがちですが、フランスやスペインのような国では義務教育期間中に母国語以外の言語を習得する指導を受けているため、英語を操れる人が珍しくありません。

これ以外に必要とされる言語を見ていくと、韓国語とタイ語が挙げられるでしょう。訪日外国人の数は、韓国が2位、タイが6位となっているためです。

フランス人に焦点を当てると、約30万人の観光客が訪れていますが、前述の通り、英語での対応が可能な場合が多く、優先的にフランス語に対応する必要はなさそうです。

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日本政府観光局(

英語と中国語にはそれぞれ種類がある

英語は、アメリカ英語とイギリス英語に大きく分かれます。日本の教育機関で使われるのはアメリカ英語であり、日本人はイギリス英語と馴染みがないのが実情でしょう。

そもそも何が違うのかと言うと、アクセントはもちろんですが、スペリングや文法も異なってきます。

具体例を挙げると、アメリカ英語ではcenter(中央)がイギリス英語だとcentreと表記されるなど、微妙な違いがあります。

また、アパレルの店舗で困るのが、「ズボン」の違いです。アメリカでは日本でも使われるpantsで通じますが、イギリスだとtrousersで、pantsでは下着と勘違いされてしまいます。

他にも携帯電話をcell phone(アメリカ)と呼ぶのに対し、イギリスではmobileと呼ぶなど、知れば知るほど両者の違いに気がつくでしょう。

これらはお互いに全く通じないかといえば、そうではありません。テレビドラマや映画を通じて見聞きする機会が多いため、この程度の違いはイギリス人にも通じますし、逆にアメリカ人も心得ています

面倒なのは言葉の言い回しで、アメリカ英語に頻出するwanna(want toの略)、gonna(going toの略)など、耳慣れていないと対応するのが難しいことでしょう。

同じように中国語にも「繁体字」と「簡体字」の違いがあります。固有名詞でも違いがあり、説明や案内の際に苦労するかもしれません。

どちらがより実用的かといえば、境界線を引くのが難しく、状況に合わせて使い分けるのが理想と言えます。

繁体字は香港、台湾、マカオなどを中心に使用され、簡体字は中国本土、シンガポールをメインに使われているため、客層に合わせて表記を変えるのが望ましいでしょう。

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多言語対応の方法は?

接客業の場合、使用頻度の高いフレーズを覚えておけば、それほど外国人の対応に苦労しないでしょう。

前述した国や地域によって異なるニュアンスの違いを覚えるよりも、まずは即時対応できるもので実効性の高い対策を講じるべきです。ここではすぐに実践できる方法を紹介します。

店頭での多言語対応

簡単な挨拶であれば、誰でもすぐに覚えることができます。中国語が難しければ、英語だけでも有効です。どこの国の外国人であっても、英語の挨拶程度ならば心得ていますし、会話のきっかけにすることができます。

店頭での多言語対応としては、頻繁に質問されることや、会計時のフレーズなどをあらかじめ翻訳しておくと便利です。一覧表にしておけば、発音が難しくても表を見ながら話すことでスムーズにやり取りができます。

また、現金を持たずにカードで支払いを済ませる外国人は多いので、目に入る場所にクレジットカードOKの表記をするのがおすすめです。

何より有効なのは多言語を操れるスタッフを雇うことですが、経営的な余裕がある場合と、一定数の訪日外国人が見込める店舗でない限りおすすめできません。

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Webサイトの多言語対応

無料ツールを利用して、ウェブサイトの多言語対応を考えている方がいるかもしれませんが、あまりおすすめできる方法ではありません。無料ツールだと翻訳精度が低く、伝えたいことが伝わらない可能性があるからです。

精度が高く、即効性が高いツールと言えば「WOVN.io」や「MYサイト翻訳」が代表的ですが、いずれも利用料がかかり、後者に至っては反映されるまで3営業日かかる可能性もあります。

ただし、SEO対策機能やボタン1つで自動翻訳できる機能があるため、ウェブサイトの多言語化を図る場合はどのツールを選ぶべきか、状況に合わせて対応することが重要です。

翻訳サービスや翻訳ツール3選

多言語対応は、必ずしも自分で言語を習得するだけが手段ではありません。自身が英語や中国語を操れない場合、翻訳サービスや音声翻訳ツールに頼ることも1つの方法です。 多言語対応の有効手段として以下のツールを紹介します。

1. 音声翻訳ツール:ポケトーク

POCKETALK(ポケトーク)は明石家さんまさんのCMでおなじみの自動翻訳機です。双方向の翻訳(自分の言葉と相手の言葉が翻訳できる)が可能であり、74の言語に対応しています。

英語だけでもアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアと国別に分かれており、細かいニュアンスも伝えられます。

また、長文や複雑な表現に対しても応用が利き、スマートフォンのようなタッチパネルで操作が簡単にできるため、使い慣れるまで時間を要しません。

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2. オンライン翻訳サービス

対面での翻訳が必要ない場合は、オンライン翻訳がよいでしょう。オンライン翻訳にはそれぞれ特徴があり、時間をかけても構わない場合は無料ツールを使いこなしましょう。

例えば、「Google翻訳」であれば英語・フランス後・ドイツ語など、100か国語以上にも対応可能です。その中でも専門性の高い言語を扱うのであれば、エキサイト翻訳を使うとよいでしょう。

アジア圏の言語を頻繁に使う場合は、「Weblio翻訳」がよいとされています。いずれも無料で使えるツールであり、翻訳を見比べて精度を確かめることもできます。

その他、中国語のみですが発音まで確かめられる百度翻訳」や、最大5000字まで翻訳ができ、簡体字・繁体字にも対応している「Bing Transfer」もビジネスツールとして有用です。

3. プロへの翻訳依頼

ビジネスリテラシーを強く意識するのであれば、プロの翻訳に依頼することをおすすめします。

1文字の単価が10円前後と、決して安くはありませんが、その分翻訳の精度と品質を保証してくれるのがプロに依頼するメリットです。

特にビジネスシーンで多言語を使用する場合には、プロへの依頼が必須と言ってもいいでしょう。

無料ツールで翻訳を行うには限界があり、医療用語や法律など専門的な知識が必要とされるシチュエーションでは、ネイティブが在籍する翻訳会社を選ぶ必要があります。

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まずは英語と中国語に対応

多言語対応インバウンド消費を生み出す、最も即効性の高い手段と言っても過言ではありません。ご紹介したように無料で使えるツールも多々あり、接客面では取り組み方を変えるだけでスムーズに対応できます。

今後も訪日外国人は増える見込みであり、外国人客を取り込めるか否かは小売業を中心とした企業の成長にとって重要なファクトになってくるでしょう。まずは英語と中国語への対処を優先し、訪日外国人への対応を改善していけるとよいでしょう。

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2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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