2019年10月7日、英・BBCが「What Japan can teach us about cleanliness(日本から学ぶ掃除の精神)」という記事を公開しました。
記事では、「なぜ日本はこんなにも綺麗なのか」という事実を「学校教育・宗教感・実際に起こった日本人の驚くべき行動」などいくつかの切り口で読み解いています。
2018年7月に開催されていたロシア・ワールドカップでも、敗戦した日本チームは更衣室を清掃していたこと、日本のサポーターがスタジアムのゴミ拾いをしている姿などが注目を浴びました。
さらに世界的に流行している新型コロナウイルスの感染者増加数を比較的抑えられているのは、日本人の清潔さや衛生管理のレベルの高さではないかとも考えられています。
この記事では、「What Japan can teach us about cleanliness」で取りあげられた内容と、その他の国における日本の清潔さに対する評判を紹介します。
※日本語訳はすべて訪日ラボ編集部によるものです。
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日本では1日の授業が終わった後に「放課後の掃除」をする
同記事ではじめに触れられていたのは、日本中の学生が帰宅前に一斉に掃除をし始めるということです。
「家庭教育」でも変わらず掃除は大事だと教え、出来ていなければ親に怒られていたとのインタビューも紹介しています。
多くの場合、義務教育と高等教育の12年間におよび清潔さを保つ”訓練”をさせられる日本人は、大人になってもその精神を持ち続けます。朝8時になるとオフィスワーカーやショップ店員などが店の周りを掃除し始めます。こうした光景がまた外国人にとっては特別に映ることがわかります。
「なぜ日本は公共の場であってもこんなに綺麗に保たれているのか?」という問いには、地域住民がゴミを片付けているからと説いていました。
インドでも報道、アメリカ人保護者は雑巾に「冗談かと思った」
小学生や中学生が教室を掃除するという、日本人にとっては当たり前のことも他の国で育った人には面白いことと感じられるようです。
インドでも昨年「Students in Japan clean their own classrooms and school toilets and the reason is incredible(日本の子供たちはクラスと学校のトイレを自身で掃除をする、その驚きの理由)」というタイトルでニュースを伝えています。
さらに「The Japan Times」のライフスタイル版に掲載された記事には、日本で子供を育てるアメリカ人の父親が、ある日息子の持って帰ってきた「必要なものリスト」を見てビックリしたエピソードが書かれています。そのリストには「雑巾」と書かれており、その父親は何のためのものか全く理解できなかったといいます。
アメリカでは生徒が「掃除」する文化はないため驚きを隠せなかったようです。
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世界も驚愕「新幹線での7分間清掃」
日本人の「清掃テクニック」で話題になったものとして、新幹線の清掃チームは有名です。海外メディアでもこちらのサービスにフォーカスしています。
以下の動画は2015年にYouTubeの東京都の公式チャンネルで公開されました。公開と同時に「神業」と世界中で話題になりました。
無駄のない動き・抜かりのない清掃テクニックは日本人であっても思わず拍手を送りたくなるほどでしょう。
この他にも「サッカー日本代表の試合後の更衣室掃除」や日本最大級の「フジロックフェスティバル」での清掃活動やゴミ拾いの例を挙げ、日本人の「倫理観」に触れました。
中国紙・日本人の「清潔」に関する4つのこだわり
中国のメディアでも、驚くべき日本人の「清潔」に関するこだわりを紹介しています。「アジアで1番清潔な国」の日本を代表するエピソードとして以下の4つを紹介しています。
- 「お風呂が大好き」 災害中にインタビューすると皆「お風呂に入りたい」と答える。
- 「靴の履き替えを頻繁に行う」 学校でも「外履きから上履きへ」トイレでも「上履きからスリッパへ」と替える。
- 「トイレの清潔さ」 日本人はトイレに匂いが残るのを許さない。
- 「他人を排除する潔癖さ」 他人と同じ皿や箸を使うことを極度に忌み嫌い、特に父親がうっかり娘の食器を使って食べるとトラブルになる。
中国・アジアのご家族世帯がこれを目指して日本に訪問する。~日本で学ぶ整理収納清掃(3S)がアジアのマナー教育に進化~
[一般社団法人日本整理収納協会] 日本整理収納協会は、8 月7 日に中国富裕層の海外旅行者(家族)を対象に日本スタイルのかたづけ・掃除を「おもてなし
レジにあるトレー、日常使いの「マスク」は”現代日本スタイル”
日本ではATMから出てくる紙幣がどれも「新品」のように良い状態が保たれていることも外国人にとっては驚きのようです。日本は「手と手でお金を受け取り合う文化」がないからこうした状態が保てると指摘し、小売店やホテル、タクシーでも紙幣や硬貨の置くためのトレーがあることを伝えています。
この他「見えない菌」に対しても日本人は対策を講じているといい、例えば風邪を引いたら必ずといっていいほど着用する「医療用マスク」は日本らしさがあると紹介しています。
なぜ日本人がマスクを着用するのかについて、他の人に移るのを防ぐために着用するのと、早く治癒させ「欠勤日を少なくおさえて富を守り、医療費を節約」するためであると述べています。
彼らがマスクしている理由は「暴走族のメンバー」だから?
英語で書かれている日本紹介メディアでは、日本人のマスク着用率の高さを以下の可能性で紹介しています。
- 病気であるから
- 周りが風邪を引いているから
- アレルギー反応を抑えるため
- 暴走族のメンバーだから
- YouTubeで顔を出すのが恥ずかしすぎるから
日本人では当たり前の行為も、外国人から見るとユニークに見えるようです。
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仏教(禅)と神道の教えが清潔さに関係?
記事では最終的に「日本人の掃除の精神は仏教・神道の教えが関係している」と結論付けています。
6世紀から8世紀の間に中国と韓国より伝わった日本の仏教は「清潔さ」を中心的教えとして考えています。そして12世紀から13世紀に中国より伝わった仏教の一派「禅宗」では掃除や調理など家事は瞑想と同じように「鍛錬」であるとしています。
イスラム教も「清潔さ」を宗教の一部と考える
「清潔さ」を重んじる宗教は他にも存在します。「礼拝の前に体を洗い清める」イスラム教は清潔さの教えも説いています。
私たちの預言者(彼の上に祝福と平安あれ)が啓示を授かり、預言者の使命という名誉を与えられたとき、彼は次のように命じられました。「あなたの衣を清浄にしなさい。汚れを避けなさい」。3 身に着けている衣類が古くても、まったく問題ではありません。しかし汚れていればそれは問題です。たとえどこにいようとも、信仰者は清潔さ、上品さ、そして清潔さの模範であるべきです。
清潔さとは、非物質的な汚れからの浄めも意味しています。これは信仰者にとり、イスラムの光によって照らされている自分の心を、暗闇と悪から守ることを意味します。それはごう慢、偽善、妬み、嘘、物惜しみといった悪病から心を回復させ、謙虚さ、誠実さ、寛大さ、思いやり、良心といった美しい性質をもって心を飾ることを意味します。(参考:https://tokyocamii.org/ja/khutba/842/)
「日本の清潔さ」に海外が反応
現在は世界各地で新型コロナウイルスが流行しており、日本も例外ではありません。しかし6月中旬現在、日本での感染拡大はある程度抑えられており、その理由に世界から注目が集まっています。
日本での流行が欧米より小規模に収まり、また比較的早期に収束の傾向を見せた理由についてはさまざまな意見がありますが、日本の「清潔さ」はその一つとして関心を集めています。
アフターコロナの訪日市場では「衛生管理」や「コロナ対策」が重視されると考えられているため、ウィズコロナで注目された日本の「清潔さ」もひとつのPR材料となるでしょう。
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<参照>
http://www.bbc.com/travel/story/20191006-what-japan-can-teach-us-about-cleanliness
https://www.japantimes.co.jp/life/2001/11/30/lifestyle/kids-get-down-to-classroom-clean-ups-2/#.XaBH4uf7TOR
http://news.searchina.net/id/1675970?page=1
https://www.tofugu.com/japan/surgical-masks/
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