【海外の反応】中国人「天皇即位の恩赦で犯罪者が釈放?日本に行くの怖くなった」即位の礼への中国・台湾の誤解・意外な反応とは

去る2019年4月30日、31年にわたり続いた平成の時代が終わりを迎え、5月1日より新元号となる令和時代が始まりました。これに伴い、前天皇陛下の明仁(あきひと)陛下は徳仁(なるひと)陛下に皇位を譲位され上皇となり、徳仁陛下が新しく天皇に即位しました。

今回の即位にあたり、天皇陛下がご即位を表明され各代表がこれを祝う場として、「即位の礼」が10月22日から開催されます。10月22日に開催される「即位礼正殿の儀」は宮中で催されるため関係者のみが参加しますが、その様子は政府によりインターネットで配信される予定です。

即位の礼は、海外諸国にも広く注目されています。特に日本の隣国である中国と台湾では、現地ニュースサイトやSNSでも紹介され、合わせて行われる恩赦については殊更多くの議論がなされています。今回は中国と台湾における、即位の礼に対する反応をお届けします。

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「即位の礼」が10月22日から開催されることに決定

即位の礼は、天皇の即位を広く内外に示すための一連の国事行為です。最も主要な行事である「即位礼正殿の儀」をはじめとし、国民に即位を披露する場となる「祝賀御列の儀(パレード)」、即位礼正殿の儀に参列した客人をもてなす「饗宴の儀」などがあります。

即位礼正殿の儀」は10月22日に宮中にて開催され、儀式の様子は政府によりインターネット経由で配信される予定です。

祝賀御列の儀(パレード)は11月10日に変更

祝賀御列の儀」は、元々は即位礼正殿の儀の終了直後に催される予定でした。しかし、台風19号の影響で多くの日本国民が被災しており、政府も被災地への対応に全力を挙げている現状に鑑み、11月10日に延期となりました。陛下は当日午後3時に皇居をご出発になり、3時半ごろ赤坂御所にご到着になる予定です。

即位に伴う恩赦も実施される

即位の礼に伴い、刑事罰の程度を軽くしたり刑事罰そのものを取り消す「恩赦」が実施されます。とはいえ、刑務所にて服役中の犯罪者が突然出所したり、凶悪犯が減刑されるものではありません。

今回実施されるのは「政令恩赦」と「特別基準恩赦」です。政令恩赦では罰金納付者のみが対象となり、罰金の納付を終えたのち、3年間一度も処罰されていない人の復権が行われ、運転免許が停止された人が再び運転免許試験を受けられるようになったり、公職選挙法違反で公民権を剥奪された人の公民権が回復します。また、特別基準恩赦では罰金を納付後3年が経過していない人に対し、恩赦すべきかを一人ずつ審査したり、重い病気で刑罰の執行が停止されている人に対し、刑を免除すべきかを一人ずつ審査します。

即位の礼に対する中国・台湾の反応は?

日本では最高の皇室儀礼とされる即位の礼にあたり、中国や台湾の新聞社もこれを大きく報道しています。また、中国ではWeibo、台湾ではFacebookPTTなどのSNSや電子掲示板(BBS)でも即位の礼は話題となっており、各国の文化や考え方の違いがよく分かるさまざまな意見が投稿されています。

儀式を重視する日本に驚きの声も

台湾最大手の電子掲示板(BBS)である批踢踢實業坊(PTT)では、先進国という印象が強い日本で、このように昔から受け継がれている儀式が大々的に催されることに対して「日本人も儀式を大事にするとは思わなかった」「改元、即位の礼、大嘗祭と3回も儀式をするなんて」という驚きの声がありました。また、「パレードで国民をお祝いムードにできるの?当日にやるならまだしも、延期するとお金がかかる」というように、パレードがもたらす効果を疑問視する声も見受けられました。

恩赦には多くの反対意見が噴出

今回の恩赦は罰金を納付した人の権利回復にとどまる、という情報があまり知られていないため、中国や台湾でも多くの人が凶悪犯まで出てくるのではないかと危惧し、反対意見を唱えていました。中国最大手のSNSである微博Weiboでは「日本に行くのが怖くなった」「人口不足で労働者が足りないから犯罪者で補おうというのか?」「職権乱用だ」という意見がある一方、「中国でも恩赦はあったじゃないか」「この間の建国70周年で恩赦をしただろう」という冷静な意見もありました。

台湾でも恩赦の内容はあまり知られておらず、Facebookでは「昭和天皇の崩御では約1,000万人が恩赦、明仁上皇の即位では約250万人が恩赦。日本は犯罪者が多いのか、それとも犯罪の定義が広すぎるのか?」「日本の犯罪率は相当低い、犯罪者の定義の問題だろう」という議論がありました。

中国や台湾には存在しない「天皇」制度

このように、今回の即位の礼は中国や台湾でも話題となり、特に恩赦に関しては多くの人が驚いた様子でした。恩赦制度そのものは中国や台湾にもありますが、日頃から実施されている制度ではないため、恩赦の詳しい内容についてはあまり知られておらず、今回の恩赦についても、犯罪者を無罪放免するという印象だけがひとり歩きしてしまったような印象でした。

日本は政府見解によれば立憲君主制の国家とされており、憲法のもとに天皇が定義され、国家の象徴としての天皇陛下が存在します。しかし、中国は名目上全ての国民が平等に扱われる社会主義共和制国家のため、君主は存在しません。また、台湾を統治している中華民国は民主主義共和制国家のため、同じく君主は存在しません。そのため、日本の天皇や皇室という存在は、中国や台湾からするとあまり馴染みのない存在だとも言えます。

1912年まで皇帝が存在した中国

中国大陸では古来より多くの王朝が繁栄と滅亡を繰り返してきました。その中で多くの皇帝が現れ、最後に中国大陸を統治する皇帝に即位したのは「ラスト・エンペラー」として知られる清朝の宣統帝(愛新覚羅溥儀)でした。愛新覚羅溥儀は1912年まで皇帝を務め、清朝の滅亡とともに皇帝を退き、その後は中国大陸統治の役目を中華民国に明け渡しました。その後は満州国の皇帝にも即位しますが、第二次世界大戦後、満州国の解体と共に皇帝の座を降りました。

1949年から中国大陸を統治している中華人民共和国社会主義国家のため、君主は存在せず、国家主席が国の代表を務めています。現在の代表は習近平国家主席で、2018年には国家主席の任期が撤廃されたため、習近平国家主席は永年国家主席を務めることも可能になりました。

次から次へと君主が変わった台湾

台湾は17世紀の初めごろまで、マレー・ポリネシア系の先住民だけが住んでおり、台湾島を統治する国家や政権はありませんでした。1624年にオランダ東インド会社が台湾に入植し、その後1661年までオランダによる支配が始まります。台湾を初めて統治したのはオランダでしたが、多くの先住民はオランダへの帰属意識を持っていませんでした。その後1661年にはじまった鄭成功による攻撃でオランダは台湾から追放され、漢族による統治が始まりました。1684年には清朝の統治下に置かれ、多くの漢族が中国大陸から移住しました。

その後、1895年に台湾は日本の統治下となり、1945年まで大日本帝国政府の統治が続きました。ここまでオランダ、鄭成功、清朝、大日本帝国と4つの政権が入れ替わっており、それぞれが擁立する君主も異なりました。君主が台湾人の帰属意識を集めたのは清朝の頃からで、日本統治時代には台湾人も日本人として扱われ、日本の天皇に対する敬意が学校や社会を通して広められました。

1945年から台湾を統治している中華民国民主主義共和制国家のため、君主は存在せず、総統が国の代表を務めています。現在の代表は蔡英文総統で、2020年までの任期があります。

パレード観覧に訪れる訪日外国人を考えたインバウンド対策が必要

即位の礼の中でも祝賀御列の儀(パレード)は盛大に催されるため、両陛下をひと目拝見しようと日本を訪れる外国人も増えることが予想されます。当日は交通が大幅に混雑し、千代田区など東京中心部では観覧客の受け入れ対応が急務となります。訪日外国人が当日の混雑でトラブルに遭わないように、訪日外国人を受け入れる各施設や団体では事前に交通手段を案内するなど、適切な対応が必要となるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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