CtoCの宿泊サービス仲介で世界最大規模のシェアを持つAirbnb社は、体験プログラムの仲介サービスであるAirbnb Experienceを運営しています。
Airbnb Experienceとは、宿泊サービスと同様に個人同士をつなげ、ローカル体験の場を創出するサービスです。ゲスト・ホスト双方が一般の旅行商品と一味違った魅力を味わえるのが特徴です。
この記事では、Airbnb Experienceのサービスの特徴を紹介します。さらに、ホストになるために必要な条件や、実際に提供されているサービス事例を解説します。
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Airbnb Experienceとは?
まずはAirbnb Experienceのサービス概要をご紹介します。Airbnb Experienceは体験プログラムの仲介サービスです。今まで販売する部屋がなくAirbnbの宿泊ホストとなれなかった人も体験ホストとしてサービスを販売できるようになりました。
また体験補償保険を用意しており、これを利用することでホスト・ゲスト双方とも万一の場合には補償が受けられます。保険も備わっているとあり、サービスの提供・利用の際の不安も軽減されています。
AirbnbExpIntroduce-2-1">Airbnb Experienceの魅力は現地での体験サービス
Airbnb Experienceは、現地の人が自分の知識やスキルを通じてゲストにローカル体験を提供するプラットフォームです。ホストが提供する体験は文化・歴史のエピソード共有や食体験、アウトドア体験など多岐にわたります。交流を中心とした現地でのスペシャルな体験をできることが特徴です。
大人数のツアーでは体験できない深い経験を得られ、観光地を巡るだけでは満足できないゲストにぴったりといえます。
Airbnb Experienceはホストもゲストも気軽に始められる
ホスト側もゲスト側も気軽に利用できることが大きなメリットです。ホストには体験の実施頻度に最低限のラインが設けられておらず、1回からサービス提供が可能です。また、これまで宿泊場所を提供できなかった人も体験ホストとなることが可能になりました。もちろん、宿泊と体験のセット販売で顧客単価を向上させることもできます。
ゲストも、Airbnbに登録されている施設に宿泊している必要はありません。体験単独の利用が可能ですから、気軽に現地の人と交流できます。
体験補償保険がホストを守る、万一の時は「写真」「領収書」の保管を
ホストを始める際に懸念されるサービス中の事故や損害については、体験補償保険によって補償されます。Airbnbの「体験」ホストになると、体験補償保険が無料かつ申し込み不要で付帯することになり、「体験」中に起きた人身傷害や物的損害について、体験ホスト、サービス提供者、参加者に最高1億円までの補償をします。「体験補償保険」は「日本ホスト保険」と似ていますが別のもので、「体験」主催中に発生する事故からホストを保護しますが「日本ホスト保険」のように財物について補償されるわけではありません。
また、交通事故など補償の範囲外の事故もありますので、ヘルプセンターを一読しておくほうが良いでしょう。万が一事故が起こってしまった際にはAirbnbへ請求します。証拠となる写真や領収書等の資料を収集しておくとスムーズです。
Airbnb Experienceのホストになるには?
企画した体験を登録し、基準を満たしていると認められればAirbnb Experienceのホストとなりゲストを募集できるようになります。独自のユニークな視点があらわれていることや、特別な体験であることがカギになります。
まず、Airbnbエクスペリエンスのトップページから「始める」をクリックして、登録を開始します。
基準を満たしているか確認
最初に体験の登録の流れの説明とホスト経験について確認する画面があり、次いで企画した体験内容が基準にあてはまるかが問われます。順次「次へ」をクリックして進みます。以下の条件を満たした体験が求められます。
- 企画する体験内容の知識と熱意があること
- 場所の案内や見る、行くだけではなく双方の対話や行動をとおして深く体験できること
- ゲストが特別な場所やコミュニティにアクセスできること
- ホストのユニークな視点が表れていること
反対に、大人数の団体ツアーや体験を案内してくれる特定のホストがいない場合は適していないと判断されます。
また、空港への送迎などのサービスの提供、ほとんどの旅行者が通常の観光でできることであると判断された場合も却下されます。
体験詳細のウェブページを作成
ここまで進むと、体験内容を紹介するウェブページの作成画面に移動します。行程、実施日時、集合場所、ホスト側で用意するものなど、体験に関する情報を正確に記載しましょう。また、体験の魅力が伝わる紹介文・ビデオ・写真が必要ですので、用意しましょう。その他、使用する言語やテーマ、ホストの自己紹介といった必要項目を画面に沿って入力・アップロードし、提出すれば作成完了です。
なお、体験内容によっては法令に定められる事業登録や免許が必要なものもあります。飲食や酒類、移動などを提供する場合には必ずチェックしましょう。ホストが誰かと共同で体験を提供する場合も必ずゲストに告知します。
ホスティングを開始
作成した体験ページをもとに審査され、日程を追加すれば晴れてホスティングを開始できます。体験サービスの実施にあたっては、予約したAirbnbゲスト限定での参加としなければならないという制約がある点、催行最少人数の設定ができないため一人でも予約が入れば予定通り実施しなければならない点に留意しておきましょう。
なお、ゲストからの評価が一定基準を下回ればその体験は削除対象となります。
Airbnb Experienceの体験事例@東京
既にホストとして活動している人々は、知識やスキルをどのように体験につなげているのでしょうか。企画を形にするにあたって、提供されている体験からヒントを得られるかもしれません。
東京で提供されている体験のなかから、ユニークで人気のあるものを3つご紹介します。
事例1. 5時間で東京を堪能
フルマラソンやトライアスロンの競技を楽しまれている方がホストの体験では、街中のランニングまたはサイクリングと銭湯、居酒屋を体験できます。ランニングでは約15㎞のコースを楽しみながら走り、東京を紹介します。観光地だけでなくビジネス街や地元の商店街、皇居などを回ります。
タトゥーOKで露天風呂のある銭湯で汗を流し、神社に参拝した後に居酒屋の食事を楽しみます。
東京観光の初日に体験すれば、残り日程の過ごし方が変わるでしょう。
事例2. 剣道で「サムライ体験」
51年にわたり剣道を経験している師範がホストの剣道体験です。お茶を飲みながらゆっくり自己紹介などの話をして、防具を着用し、剣道の稽古をつけてもらいます。
礼の仕方から竹刀で打つ方法などを学び、最後には実際に試合をします。
剣道を通じてスキルはもちろん、強い精神を身に着けることや日本文化を体験することを目指します。
スポーツとしても楽しめ、同時に日本の武士道を体感できる贅沢な時間です。
事例3. 神社からスタートする農業体験、収穫した野菜でランチ
豊富な海外経験を持つホストによる農業体験もあります。旅行中に助けてもらった経験から環境問題に目を向け、現在は田畑を通じて地域の交流や子育て支援など幅広い活動をしているケースです。体験コースは歴史ある神社への参拝でスタートし、農場での体験と古民家での収穫した野菜を使ったランチを楽しむというプログラムです。都内とはいえ郊外には豊かな自然が残り、都市と共存しています。農場では牛や馬、羊とも触れ合えます。
ホスト側にとっては体験を提供するだけでなく、他の国々と比較して自然や都市、農業についての意見をゲストと共有する学びの時間となっているそうです。また、参加費は特定非営利活動法人へ寄付されています。
訪日外国人に体験を提供して日本を知ってもらおう
Airbnb Experienceは単なる体験サービスではなく、少人数でコミュニケーションを通じ、特別なローカル体験を提供するというコンセプトのもと、ホストとゲストを仲介するサービスです。
ホスト側は特別な設備を用意する必要もなく、ゲスト側も体験単体での利用が可能であることで気軽に参加でき、一般のツアーにはない場所や体験にアクセスできるというメリットがあります。
一定の審査や評価システムがある点でゲストも安心して参加でき、もしもの時にも自動的に体験補償保険が適用されるようになっています。
この体験サービスの開始により、部屋を用意できない人にもホストとなる門戸が開かれました。
民泊に規制のある自治体でも、このような体験ホストなら提供可能で、訪日外国人との交流に主体的にかかわっていくことができます。個人がスキルを活かしておもてなしを提供するのにぴったりであると同時に、訪日外国人が日本を体験し理解を深める大きな助けとなるでしょう。
【インバウンド情報まとめ 2024年11月後編】中国、タイの2025年祝日発表 ほか
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