ニュージーランドの星空観測から学べる”おもてなし”のプロフェッショナリティ:旅ナカニーズをとらえる「即時確認」とは?

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こんにちは。地域ブランディング研究所代表の吉田です。

全国各地でプレミアムな着地型体験プログラムを造成し、Attractive JAPANという世界のOTA等と接続して販路を拡大するプラットフォームを運営しております。

本日は南半球のニュージーランドに訪問した際に感じた、自然体験をコンテンツ化していけばここまで可能性があるということを、レポートとしてまとめました。

高付加価値型インバウンドコト消費プロデューサーが語る「なぜ今、コト消費なのか?」

はじめまして、地域ブランディング研究所の吉田博詞です。地域に入り込み、そこでしか体験できない特別な体験を掘り起こし、訪日外国人のお客様にサービスとして提供する事業を行っております。これまで北は北海道、南は沖縄まで各地域の課題解決のために深く足を踏み入れるだけでなく、アジアから欧米豪といった海外まで泥臭く足を運び現地の声を聞くことで、世界目線で地域を売り込むお手伝いをしてきました。 日本各地、世界各地を見てきた中で発見した、「訪日観光客の体験・コト消費拡大」のヒントを定期的に配信していきます...



【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】

カンファレンスについて詳しく見てみる

星空観測ツアーとは?参加費用は?

参加したのは、星空観測ツアーです。クイーンズタウンというニュージーランドでも南に位置する場所で、世界的にも有名な観光地です。

参加費用は、80ニュージーランドドル(約5,500円)です。日本がちょうどゴールデンウィーク中ということもあり、人もいっぱいいました。

そこで、タカさんという方のもてなしが至れり尽くせりで非常に参考になりました。

共感ポイントは下記6つです。日本でのこうした自然体験などの企画でも活かせる要素は多分にあると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

共感&感心した6つのポイント

  1. 日本人ガイドが日本語で教えてくれる
  2. 寒さ対策で防寒着の貸出やあったかいお茶の提供
  3. 南半球でしか見られない星や、その日しか見られない星の特徴をうまく説明
  4. ホテルへのピックアップ
  5. 前日・当日でも予約対応を調整
  6. お土産として期待以上の記念写真の提供 

1. 日本人ガイドが日本語で教えてくれる

星空観測となると、やはり知っているストーリーや、どこに何の星があるかということをきちんと知りたいと思います。

日本語で説明してくれて、ちょうど5月に入ったばかりのタイミングだったので令和に関するネタがあり、タイムリーな要素をはさんでいました。

また、東京ではこれは観られないが、沖縄ではこの辺まで観られるといった日本に紐づけた特徴を整理して教えてくれます。もっと星空を観測してみたくなる仕組みや仕掛けがいっぱいでした。

逆の立場で考えてみると、英語中国語で分かりやすい解説のある・なしは改めて大事だなと感じました。

▲オリオン座星雲:出典???
▲オリオン座星雲:ツアー参加者向けに提供されるもの

2. 寒さ対策で防寒着の貸出やあったかいお茶の提供

最低限の寒さ対策はして厚着で参加したものの、やはりすでに南半球では秋を通り越して冬の一歩手前でした。気温は10度以下で非常に寒い中、防寒具の貸出がありました。

また休憩では、NZのハチミツ入りのあったかいお茶の提供があり、心温まりました。期待をちょっと超えるってこういうことなのだなと感じいりました。

最低限の準備物は伝えつつ、どうしても用意できなかった人のために一定のサービスをすることや、その時の状況に合わせたちょっとしたサポートをしていく事は意義があるなと感じました。

3. 南半球でしか見られない星や、その日しか見られない星の特徴をうまく説明

やはり南半球だと、知りたいのは南十字星やさそり座ですね。そこに、マゼラン星雲や天の川のことを織り交ぜて伝えてくれると価値を感じました。

特に「ここから先は日本じゃ見られないよ」といった希少性を感じさせる要素を教えられると、わざわざ来てよかった!という気持ちが高まりました。その日に見える木星や土星といった惑星についても言及がありました。

より良い思い出作りとなる差別化の演出、仕掛けがしっかりとされているわけです。 

4. ホテルへのピックアップ

これは、もはや企画においてはマストな要素です。主要なピックアップポイントや解散場所が明確になっており、主要なホテルには必ず迎えに来てくれて、送り届けてくれるのは大事な要素でしょう。

「とりあえずここに集合」ではなく、主要な場所でのピックアップは欧米系の企画では当たり前です。こうした対応は、日本でもこれから求められてくるように感じます。

5. 前日・当日でも予約対応を調整 

今回、私の場合は、当日ギリギリの予約でしたが、すぐに問い合わせメールに対してレスポンスをくれました。

欧米豪のアクティビティ商品ではinstant confirmation(即時確認)が当たり前になっています。もし、その機能がなくても、なるべく近づける形で、予約から決済確定までの時間は短くしていくことが望まれるかと思います。

実は当社の運営するAttractive JAPANでも、人気施設においては instant confirmation (即時確認)を導入しています。 外国人の30%近くは当日にツアーやアクティビティの予約をしており、旅ナカでの予約需要の高まりに対応しています。

6. お土産として期待以上の記念写真の提供

何より嬉しかったのは後日送られてきた写真です。現地で見た満天の星空と参加者の顔がしっかり識別できる最高の写真でした。そのままの写真と、星座の名前が入ったバージョンの2つのパターンで用意してくれています。

星座名が記載されたバージョンの写真もあり、非常にいい思い出になりました。思わず、Facebookでシェアしてしまいました。

Facebookを通じて私の周りの人もこの写真を見られますし、知人友人のおすすめとあれば思わず行ってみたいと思わされることでしょう。

▲[後日共有された集合写真]:筆者提供
▲[後日共有された集合写真]:筆者提供

まとめ

「良い思い出」をつくる上で、欧米豪マーケットでは、この水準の体験が当たり前に提供されています。海外の人は、その水準を求めてやってきてくれますが、日本ではそれに応えられているでしょうか?

この先で様々な商品の質の底上げをしていく際に、今回ご紹介した観点は注意を払う必要がありそうだと考えました 。こうした顧客目線のサービスをしっかりと考えて展開できていれば、自然とファンが増えていくはずです。

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
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  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

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この記事の筆者

株式会社地域ブランディング研究所

株式会社地域ブランディング研究所

株式会社地域ブランディング研究所 代表取締役 吉田博詞。1981年広島県生まれ。㈱リクルート、㈱地域活性プランニングを経て、2013年㈱地域ブランディング研究所を設立。全国各地の地域ブランディングをお手伝いしてきた経験。訪日観光客向け体験予約サイトAttractiveJAPANの運営。世界20カ国1000社以上の旅行会社ネットワークを活かた、プレミアムなコト消費造成が得意分野。(一社)日本インバウンド連合会副幹事長、せとうち海の道民間アドバイザー等を務める。

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