イタリア人の「サイゼリヤ」評価は?らしくなくても美味・アレンジはNG・人気3商品・中国でも人気・生産者との連携・訪日イタリア人市場も解説

公開日:2019年11月19日

政府観光局による2014年から2018年の調査によると、2014年時点で80,531人だったイタリア人訪日客の数は、2018年には150,060人と大幅に増加しました。2018年のイタリア人訪日客のうち65%以上が初訪日であり、今後の日本の課題はリピーターを増やすことと言えるでしょう。

イタリア人は日常生活だけではなく、旅先での食事もとても大切にしていると考えられます。日本での旅行支出の割合を見ても、2番目に比率が高いのは飲食費です。

そんなイタリア人は、日本で振る舞われている「イタ飯(イタリア料理)」をどう感じているのでしょうか。この記事では、日本最大級のイタリアンレストランチェーン店「サイゼリヤ」の評価についてまとめました。

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サイゼリヤのイタリア人からの評価は?

サイゼリヤは、2018年8月時点で国内に1,085店舗、海外に384店舗を構える大人気イタリア料理チェーンです。サイゼリヤで提供されているメニューに対する、イタリア人からの率直な意見をご紹介します。

イタリア人「サイゼリヤに定期的に通っている」

伝説のマフィア末裔であり、コラムニストやノンフィクション作家、さらには東京・茅場町でイタリアンレストランの経営者として活動している、イタリアのシチリア島カターニア出身のマリオ・ルチアーノ氏は、あるインタビュー記事で数ヶ月に一度のペースでサイゼリヤに行くと語っています。

ルチアーノ氏のお気に入りは、べーコンとトマトのパスタ「パルマ風スパゲッティ」だそうです。その理由は「日本の高級イタリア料理店に行くよりもおいしく、昔の家庭料理の味を思い出すことができ、どこかホッとするような安心感を感じられるから」とのことでした。

過去に放送されたテレビ番組、イタリア人がサイゼリヤを評価

過去に日本のテレビ番組で「イタリア人が選ぶ最も本場の味に近いサイゼリヤメニューとは」という特集が放送されました。この番組では、女性3名と男性2名の合計5名のイタリア人がサイゼリヤのメニューを評価しています。

評価のポイントを「美味しさ」ではなく「イタリアらしさ」としているため辛口なコメントが多かったのですが、中にはイタリア人を唸らせた料理もありました。それでは、各料理の評価を見ていきましょう。

まずはイタリアと言えばピザ。サイゼリヤの「マルゲリータピザ」を試食したイタリア人は、一口食べただけでこのピザが窯焼きではないことに気づきます。さらに、使われているチーズの一部がイタリアのチーズではないことを言い当てるほど、ピザの焼き方や素材にこだわりがあるようです。そのため、サイゼリアのピザは本場の味に近くないという結果になりました。

次にサイゼリヤの看板メニューのひとつである「ミラノ風ドリア」が出されると、そもそもイタリアにはドリアはないという厳しいコメントが出てきます。サイゼリヤによると、ミラノのサフランライスを使用したドリアのため、”ミラノ風” という名前がついたメニューとのことでした。

ドリア自体がミラノにはないため、こちらもピザ同様に本場の味に近くないという結果になりますが、味に関してはピザとは異なりおいしいという評価でした。

そしてイタリア人の主食であるパスタは、味付けによって評価が大きく分かれます。特に日本人向けにアレンジされたパスタは印象が悪く、伝統的な食べ方を重んじるイタリア文化を感じさせられる結果といえるでしょう。

例えば「たらこソースシシリー風」に対しては、「寿司にトマトソースを付けて食べるのと同じくらいパスタに失礼だ」という辛口なコメントがされてしまったほどです。

ただし、非常に高い評価を得た料理も存在します。人気の3つは以下のような結果となりました。

【プロシュート】
甘くておいしく、イタリアの高級ハムの味がすると高評価。審査員の5名中2名が満点をつけるほど、全員が納得の「イタリア本場の味に近いメニュー」第1位となりました。

【リブステーキ】
肉本来の味が出ており、焼き方や味付けがイタリアに近いという評価でした。ただしバターがステーキに乗せられていた点は「イタリアっぽくない」とされました。

【フォッカチオ】
特に女性陣からの評価が高く、「実家のフォッカチオと同じ味がして懐かしい思いがした」「外がパリパリ、中はふわふわの食感は本場イタリアで十分勝負ができる」という意見もありました。

このようにイタリア人からも高評価を得ているサイゼリヤは、日本人やイタリア人だけでなく世界各国に出店するほど世界中で人気なのです。海外から見たサイゼリヤの魅力について迫ります。

サイゼリヤ、海外からの評価と安さの秘密は?

世界からも安くておいしいと高評価のサイゼリヤは、どのような工夫や努力を積み重ねてきたのでしょうか。なぜ海外でも人気なのか、その理由とサイゼリヤの取り組みについて解説していきます。

サイゼリヤの海外出店、中華圏で大好評

前述の通り海外に384店舗を構えるサイゼリヤですが、そのうち300店舗以上が中国にあり人気を博しています。

その理由として安さと味が挙げられるのはもちろんのこと、外装・内装とメニューが一貫してイタリアのムードを演出していることも大きく関係しています。上海で反日デモが起きた際も、サイゼリヤは日系レストランだと思われずターゲットにされなかったという逸話があります。

また中国では「洋食レストランは中華レストランよりも高級」というイメージがありました。こうしたイメージを裏切る低価格なサイゼリヤは「ピザが安くてうまい」など味も良いとされ、若者から大きな支持を得ることに成功します。

中華圏ではその土地の文化を反映したご当地オリジナルメニューもあり、支持はさらに厚くなっているようです。例えば中国にはわかめスープ、台湾にはパイナップルピザが提供されています。

サイゼリヤの安さと味の秘密=生産者との連携

サイゼリヤでは数百円でメインディッシュが提供されており、サイドディッシュをつけても1,000円以内の良さで料理を楽しむことができます。

「お客様にどこよりもおいしくて安い料理を提供したい」という強いポリシーのもと、仕入れから現場のオペレーションまで徹底的に効率化を研究した企業努力が、安さと味の両立を実現させています。

具体的には、以下のようなことに取り組んでいるそうです。

  • 工場でできることは工場で行い、現場の負担を減らす
  • 工程のひとつひとつに着目して無駄を取り除き、品質を安定させる

おいしさを保つ秘訣は生産者との信頼関係づくりにあります。イタリア料理は素材の味を活かすものが多く、食材の品質がおいしさに大きく関わってきます。特にイタリアから直輸入している食材の生産者とは、サイゼリヤの理念や取り組みについて時間をかけて丁寧に共有し、品質向上や供給量の増加を図ってきました。

「作業効率化への企業努力」と「生産者との信頼関係の構築」がサイゼリヤの安さと味の秘訣と言えます。

訪日イタリア人を受け入れる際の注意点は?

訪日イタリア人の数は2014年から増加傾向にあります。

日本がイタリア人を受け入れる際、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか?訪日イタリア人の特徴と併せてデータを解説します。

データでわかる訪日イタリア人

ハイシーズンは8月に!イタリア人を狙うなら春ごろから情報発信を始めよう初訪日率は全国籍中2位:65%が初訪日という結果に 課題はリピーターの育成か

訪日イタリア人に関するデータ

日本政府観光局のデータによると、2014年から2018年の5年間でイタリア人訪日客は2倍弱の150,060人に増えました。

日本政府観光局のイタリア人訪日客の旅行支出内訳を見ると宿泊費の割合が最も多く、その次が飲食費です。また、2018年の調査結果では訪日者の65%以上が初訪日者でした。今後は新規の観光客だけではなく、リピーターを増やすことでさらにイタリア市場を拡大することができると考えられます。

その他の訪日イタリア人の特徴! 

イタリア人をおもてなしし今後リピーターを増やすためには、イタリア文化や慣習を理解し、イタリア人訪日客が快適に過ごせる環境や配慮を検討する必要があるでしょう。ここでは旅行支出の割合が多かった宿泊と飲食(食事)についてご紹介します。

【ホテル料金】
イタリアではホテルの宿泊料がとても安く、イタリア以外のヨーロッパ諸国のホテル料金の表記が1部屋あたりになっています。日本の宿泊施設で用いられている1名当たりの料金表記は誤解されやすいので、注意が必要です。

【食事】
最近は日本人でも洋風の朝食を取る人が増えていますが、イタリア人はコーヒーとパンにもこだわりがあります。

パンはカスタードクリームやジャムなど甘い付け合せがあることが望ましく、パンではなくビスケットを食べることもあります。コーヒーはドリップコーヒーではなくエスプレッソやカプチーノを好み、日本人が一般的に思い浮かべる洋風の朝食とは異なる点があることが分かります。

イタリア人は旅行中でもイタリア料理を食べることが多いと言われており、訪日イタリア人に観光スポットを案内する場合には、予め近隣のイタリアンレストランや惣菜屋を把握しておくとスマートに対応ができるでしょう。

サイゼリヤはシーンによっては訪日イタリア人におすすめするのもあり

サイゼリヤはメニューにもよりますが、イタリア人にも人気があります。サイゼリヤのメニューを評価するテレビ番組からも分かる通り、本場感がなくても、味が良ければ素直においしいと感動するイタリア人旅行客も少なくないようです。

もしもイタリア人訪日客が食事に困っている場面に遭遇した場合は、日本の大衆的飲食店として近隣のサイゼリヤを勧めてみるのも良いかもしれません。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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