北海道が中国人だらけになった理由 | 雪・食・映画作品・人気観光スポット3選・北海道観光局

公開日:2019年07月03日

訪日中国人に人気の観光都市といえば、東京や京都などがありますが、実は北海道も中国人から絶大な人気を誇ります。

中国人が北海道を選ぶ理由には、北海道の豊かな自然環境、グルメ、スキーなど体を使って楽しめるレジャー施設の存在があります。

この記事では、北海道が中国人に人気になった背景やその理由について紹介していきます。 


北海道はなぜ中国人に人気? 

2019年2月の北海道の発表によると、2018年4月~9月まで北海道を訪れた訪日外国人客数は、前年比12.6%増の135万5,900人にのぼり、うち中国人は27万1,600人を記録しました。なぜ北海道にはこれほどまでに多くの訪日中国人が集まるのか、その理由を紹介します。

最大の魅力は雪

日本に観光に来る目的として、根強く人気があるのが、レジャー体験です。中でも、中国人に特に人気なのが「スキー」です。その背景として、国土が極めて広大な中国には、人生で一度も雪を見たことがない人が大勢いることが挙げられます。

北海道はアジアで最もスキー場が充実していると言われており、パウダースノーと呼ばれる柔らかい雪質でスキーに適しているほか、コースもレベルに合わせて用意されており、スキー未経験者でも十分に雪遊びが楽しめます。また、中国の大型連休とされる春節(旧正月)の時期と重なって、雪まつりのシーズンが楽しめることも、人気の理由の一つです。

食べ物や自然も人気の理由 

北海道の魅力と言えば、忘れてはならないのが、グルメです。グルメの宝庫北海道には、美味しい牛肉をはじめ、新鮮なタラバガニや刺身、ジンギスカンやスイーツなど、魅力的な食べ物が溢れています。特に衛生的な問題から、生ものを食べる習慣にない中国人は、味わったことのない魚介類の美味しさに舌をうならせ、虜になってしまう人が多いようです。

非誠勿擾(狙った恋の落とし方)とは?

中国人の北海道ブームの火付け役となったのが、2008年12月18日に中国で公開された映画「非誠勿擾」(邦題「狙った恋の落とし方」)です。

北海道を舞台にした映画で、釧路や阿寒湖、網走、厚岸、斜里、美幌など北海道の各地で撮影されています。

同映画の興行収入は、中国にて3.25億元(約51億円)で歴代興行成績1位を記録し、大ヒット映画として話題を呼びました。

▲[非誠勿擾(狙った恋の落とし方)]:中国百度団片より引用
▲[非誠勿擾(狙った恋の落とし方)]:中国百度団片より引用

この映画で映しだされる情景を求め、中国では北海道観光ブームが巻き起こりました。しかしそれは一過性のブームとならず、現在まで続く大きなムーブメントを形成しました。

北海道に今も多くの中国人観光客が訪れるだけでなく、年々増加傾向にあるのは、北海道に中国人を魅力し続ける理由があるからです。

中国人に人気の観光地3選 

このように、中国からの人気が高い北海道ですが、特に人気のある観光地3つとその地での取り組みや最新の傾向を整理します。

1. 札幌 

札幌」は、中国からの直行便があることなどから、特に人気のある地域です。グルメや雪まつりなど観光を楽しめる点だけでなく、「Alipay」や「WechatPayment」などの電子決済をいち早く取り入れた点も中国人にとって訪れる原因の一つです。

また、好立地にあるホテルが中国人客向けに、中国人スタッフを常駐させるなど、インバウンド対策に敏感な対応にも人気の理由があります。


2. 温泉

中国人に人気の高い日本体験には「温泉」があります。中国の検索大手「バイドゥ(百度)」の日本法人が発表した、2017年の訪日中国人による検索動向によると、温泉関連ワードのトップ3は、1位「定山渓温泉」、2位「洞爺湖温泉」、3位「登別温泉」となりました。どれも北海道の温泉で、北海道を訪れる中国人の温泉に対する期待値の高さがうかがえます。

3. 星野リゾートトマム

星野リゾート トマムは、北海道勇払郡占冠村にある山岳リゾートです。2015年、中国の上海豫園旅游商城(復星集団)が星野リゾート ・トマムの全株式を取得しました。買収したことで、中国人の観光客が多く利用しています。

さらに日本人利用者の口コミには中国人の宿泊客が多いというものが多く見られ、こうした環境は日本人観光客の足をさらに遠のかせることにつながりそうです。結果として、このリゾートでは中国人観光客の割合がさらに増えていくことが予想されます。

北海道インバウンド加速化プロジェクト

北海道経済部観光局は、2017年2月に「北海道インバウンド加速化プロジェクト」を発表しています。同施策では、北海道にさらに多くの訪日外国人を誘致するための内容が盛り込まれています。ここでは、同策定内容を解説します。 

北海道が目指す姿 

「北海道インバウンド加速化プロジェクト」の策定では北海道が目指す姿として世界が憧れる観光地・北海道を掲げ、その実現のために、下記目標を掲げています。

  • 交流人口の拡大による地方創生:観光を地域の稼ぐ産業、雇用の確保(定住人口の確保)の一つとして認識
  • 観光産業のリーディング産業化:広域連携DMOと地域のDMO連携により「稼ぐ仕組」を確立
  • 国際的に質の高い観光地づくり:一度で回りきれない魅力的な観光商品を道内各地に存在させる
  • 道民の意識改革:日常の中に外国人がいる社会を理解する 

DMOの施策事例集

2018年は訪日外国人が3,000万人を突破し、インバウンド消費額も4.5兆円と過去最高を記録しました。訪日外国人が急激に増加する中、地域の観光振興においては「DMO」の存在が欠かせなくなってきています。DMOとは一体どのようなものなのでしょうか。この記事では「日本版DMO」「地域DMO」「地域連携DMO」「広域連携DMO」についてそれぞれどのようなものなのか、実際の事例を交えて紹介します。目次日本版DMOとは?地域DMOとは?事例:阿寒観光協会まちづくり推進機構/住民主体のDMO地域連携...


国際的に質の高い観光地作り 

「北海道インバウンド加速化プロジェクト」において、施策展開の方向性のひとつとして、「国際的に質の高い観光地づくり」という項目が掲げられています。外国人観光客の季節的、地域的偏在といった課題に向けて、地域における推進体制づくりや人材育成を目標としています。

具体的には、北海道の多様な魅力を活かしたテーマ性・ストーリー性 のある周遊ルートの形成や、国際観光地としてのブランドイメージの形成、そして、交流人口の拡大による地域経済の活性化、観光産業のリーディング産業化への取組みが挙げられます。

旅行者の快適性・満足性向上

同施策展開の他方向性として、「旅行者の快適性・満足度向上」があります。

これは、外国人観光客が利用する各種施設の多言語化にあたります。訪日外国人にとって、安全で快適に旅行を楽しむことは最も重要であり、そう言った旅行実現出来れば、リピーターとして、また北海道に帰ってくる可能性も上がります。だからこそ外国人観光客の受入体制の整備・充実には特に力を入れ、観光地の質の向上を図っています。

北海道を見習って、中国人観光客に備えよう!

北海道が中国人に人気な理由として、雄大な自然、グルメ、スキーなどのレジャー施設や日本文化を代表する温泉があることが確認できました。

しかしそうしたもともとの環境条件の良さだけではなく、同時に北海道では訪日外国人を受け入れる体制を整えることで、インバウンド誘客に成功しています。

道民の意識改革や多言語対応、インフラ整備など様々なことに取り組んでいることは、中国人からの絶大な人気の理由の一つです。北海道のインバウンド対策を参考にすれば、訪日中国人観光客の地方誘客事例につなげていけるでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!