それでもJR東日本は「外国語人材」にこだわる:通訳機とのシーン別使い分けは?

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

JR東日本グループは、社員の英語力向上に向け、数年前からTOEIC Programを活用しています。駅などの現場レベルでの訪日外国人観光客対応はもちろん、海外での高速鉄道計画や鉄道プロジェクトへの参画などから、いまやさまざまな分野で英語力が不可欠となってきています。

JR東日本グループがTOEIC Bridge Testを実施するようになった背景やこれまでの英語研修の取り組みと、通訳機の導入について紹介します。

通訳業務カテゴリの資料を一括DL

※資料請求には無料の会員登録が必要です

通訳業務カテゴリの詳細はこちら

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

JR東日本の英語習得促進、アウトバウンド事業も背景に

近年の訪日外国人観光客の増加により、JR東日本グループでは駅係員や乗務員の英語力向上を通じたインバウンドの利便性向上に努めています。2020年の東京五輪を控えた今、翻訳アプリや通訳アプリを導入したタブレットの配備が進んでいる一方で、行き先案内やSuicaの利用方法といった、より柔軟な即時回答を求められる場面も増えてきています。

さらに、インド高速鉄道計画や英国における鉄道運行、ミャンマーやタイ、インドネシアにおいて鉄道プロジェクトに参画するなど、さまざまな国際事業も実施している状況です。訪日外国人観光客と実際にやり取りをする社員だけでなく、海外を舞台に活躍する技術職など、職種を問わず英語力の向上が不可欠となりました。

TOEIC Bridge Testの導入で社員のモチベーションをUP

これまでTOEIC Listening & Reading Testの受験を進めてきたJR東日本グループでは、社員からは「非常に難しい」「リスニングが聞き取れない」といった声が多く挙がっていました。そこで2017年度からは、より試験時間が短く初中級レベルのTOEIC Bridge Testを導入し、社員の負担軽減を図ることにしたそうです。

TOEIC Bridge Test導入の結果、社員の英語への抵抗感が減り学習意欲も高まった上、TOEIC Listening & Reading Testの受験者数が増加したと言います。

現在は受験者のレベルに応じ、TOEIC Listening & Reading Testを軸にTOEIC Bridge TestとTOEIC Speaking & Writing Testsを活用しています。各試験を受験した後は、オンライン英会話やeラーニングで学習を続けるだけでなく、再度受験し、さらなる上達を目指すことが奨励されているそうです。学習と評価のサイクルを確立し、効果的に社員の英語力とモチベーションアップを狙う仕組みです。

「駅業務における英語対応」を念頭においたプログラムも

2018年4月よりJR東日本では、東京支社全社員を対象を対象とした英語教育研修プログラムにて、オンライン英会話学習サービス「Bizmates」を導入しています。「JR東日本専用カスタマイズプログラム」として、券売機や改札での案内、輸送障害の際の対応、訪日外国人観光客も広く利用するSuicaに関する問い合わせなど、駅業務における英語対応を包括的に学べる内容です。

また2019年10月からは、JR東日本全社員を対象とした英語研修プログラムの「レアジョブ英会話」を導入しています。パソコンやタブレットなどを通じいつでもどこでも外国人講師とのマンツーマンレッスンが受けられるサービスです。幅広い英語レベルが設定されているため、より多くの社員が取り組みやすい点が評価されているそうです。

JR東日本では、英語応対力の向上を通じて、インバウンドの受け入れ態勢を強化していく考えを示しています。

通訳機「ポケトーク」も導入

JR東日本では、2018年3月から、通訳機「ポケトーク」の実証実験を開始しています。同年10月には、東海道新幹線の17駅に音声翻訳機ポケトーク」を350個導入したというニュースもあり、人材の能力開発だけに頼り切らない多言語対応も進めていることがわかります。

新幹線での荷物持ち込みルールの改定が本年2020年5月から実施予定ですが、こうした新ルール施行にあたっての現場説明にもポケトークが活用されると考えられるでしょう。

新幹線「大型荷物の事前予約ルール」外国人は混乱?JR東海「WEBで周知&ポケトーク活用」でトラブル防ぐ

「シンカンセン」は和製英語としても通じる、世界に誇る交通機関です。その快適さや安全性から利用者の満足度は高く、日本らしい体験のひとつでもあります。訪日外国人旅行者の増加に伴い、新幹線の利用者も年々増加しています。先日、新幹線利用における新制度のスタートが報じられました。来年5月以降、東海道・山陽・九州新幹線を利用する際に、一定の大きさを超える大きな荷物を持ち込む場合は、事前予約が必要となります。こうした制度変更は、インバウンド市場にどのような影響を及ぼすのでしょうか。訪日外国人旅行者がこの...


翻訳機ポケトークWの使い方|基本操作と手順・各種設定方法・翻訳精度を解説

POCKETALK(


2020年の東京の生活&観光環境を左右する交通機関

2020年の東京オリンピック・パラリンピックが数か月後に迫っています。インバウンドも多く利用する公共交通機関の対応は、増加する観光客と居住者の双方に快適な環境となるかどうかを左右する重大な要素となるでしょう。首都圏を代表する鉄道会社であるJR東日本はこうした点を踏まえてか、英語応対力の強化を様々なサービスを利用しながら進めているようです。

様々な通訳機が普及しつつありますが、決められた時刻に多数の乗客を乗せて発着する交通機関とあっては、翻訳機を起動する時間や翻訳の時間すら惜しい場合もあるでしょう。身に着けた語学能力で対応することで利用者の利便性を優先できる場面があるかもしれません。

また、JR東日本はもはや単なる交通機関の運営会社ではありません。魅力的な店舗やサービスが充実した駅構内の商業施設もあり、こうした関連施設について、また商品について質問を受ける機会も出てくると考えられます。

通訳機によりカバーされる領域は今後ますます広がってくると考えられますが、お土産のおすすめなど、客観的情報の伝達以外のコミュニケーションでは「自分の言葉」で伝えたいと感じることもあるかもしれません。機械により質の高い通訳が提供されることは当然望ましい方法ですが、場合によっては訪日外国人観光客も肉声による交流に価値を見出してくれるのではないでしょうか。

通訳業務カテゴリの資料を一括DL

※資料請求には無料の会員登録が必要です

通訳業務カテゴリの詳細はこちら

<参照>

・CNET Japan:JR東日本、駅社員にオンライン英語研修--行き先案内やSuicaの使い方など

・RareJob:JR東日本が2020年に向けた訪日外国人への応対力強化に向け、オンライン英会話「レアジョブ英会話」を導入

2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】


2024年も残りわずかとなりました。来年2025年は大阪・関西万博が開催されるほか、中国市場の回復などもあり、今年以上の盛り上がりが予想されています。2025年に向けて、訪日旅行者へ向けたマーケティング戦略を強化していきたいと考えている事業者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、株式会社movが毎月開催している「訪日ラボトレンドLIVE」をスペシャルver.としてお届け。今こそ知っておきたい「インバウンド×デジタルマーケティング戦略」を徹底解説します!

<本セミナーのポイント>

  • 観光・インバウンドに詳しい専門家3名が登壇!
  • 2025年に向けた「インバウンド×デジタルマーケティング」の戦略や施策について、「深掘り」した情報を「いち早く」「無料で」学べる!
  • 質疑応答の時間もご用意。インバウンドに関する疑問・お悩みについて、専門家から直接「ヒント」を得られる!

詳しくはこちらをご覧ください。

2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】

【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに