ハワイといえば日本人にとって定番の海外旅行先です。年間の旅行者数は1,000万人に迫る勢いで、2020年もこの人気を後押ししそうな各旅行関連業界の動きがあります。
ハワイ同様の海や温暖な気候で人気旅行先となっている沖縄では、昨今インバウンドの需要の高まりが広く伝えられています。
どちらも暖かい気温とビーチが大きな特徴ですが、観光客のニーズには大きな違いがあるようです。
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ハワイ〜日本間のエアライン、ANAはサービスの刷新で強化
ハワイは過ごしやすい気候風土や独自の文化があり、リゾートとして確固たるブランドを築いてきました。2019年の5月、航空大手の全日本空輸(ANA)は2階建てで520席を誇るA380を成田〜ホノルル間に導入しました。
これまでハワイ路線では日本航空(JAL)のシェアが圧倒的でしたが、こちらのANAの路線では全席2階建てで520席もある世界最大のエアバスを導入し、さらにハワイで幸運の象徴と言われる「ホヌ(ウミガメ)」を機体に描きました。こうしたビジュアルのインパクトは、航空会社やハワイのファンの外にまで届くところとなりました。
就航から半年経過後も予約が好調と報じられています。対する日本航空(JAL)はハワイアン航空との連携を強化するなどサービスの刷新で対策を立てており、日本・ハワイ間の航空路線は盛り上がりを見せています。
ハワイに続々オープンする魅力的なホテル
これまでも、ハワイには日本発のホテルが複数オープンしてきました。ハワイの名門ホテルに「ハレクラニ」があります。このホテルは帝国ホテルと提携しており、ハワイ語で「天国にふさわしい家」を意味し、その名の通りラグジュアリーな滞在ができることで旅行者から支持されています。
このハレクラニの姉妹ホテル「ハレプナワイキキ」が2019年10月にオープンしました。ワイキキビーチを臨むスイートルーム4室を含む客室は計288室で、ホテル内には、ハレクラニが運営する「ハレクラニベーカリー& レストラン」が入っています。
日本を代表するホテル「帝国ホテル東京」との業務提携により、ベーカリーシェフが就任しており、パンやスイーツが楽しめます。日本の食品は世界的にも評価が高く、こうした点も同ホテルの評価を高めていくと考えられます。
また同じく2019年に興和グループがワイキキビーチの目の前に超ラグジュアリーホテル「エスパシオ・ジュエル・オブ・ワイキキ」をオープンしています。1フロアに1室のスイートルームのみ、計9部屋しかないホテルです。客室はすべてがオーシャンフロントで、広々としたリビングスペースがあり、それぞれの部屋にバスルームのある3つのベッドルームとフルキッチンという設計になっています。
今月2020年1月には、星野リゾートのアメリカ市場初参入となる「星野リゾート サーフジャック ハワイ」が運営開始します。こうした日本関連の魅力的なホテルは、日本のアウトバウンド市場のみならず、世界中の旅行者のハワイ旅行の機運を高めていくことになるでしょう。
空路と海路でインバウンド需要が高まる沖縄
沖縄県の文化観光スポーツ部観光政策課による「沖縄県入域観光客統計概況」によれば、沖縄の外国人観光客は年々増加しており、インバウンドの需要が急上昇していることがわかります。
訪日旅行の人気が継続していることはもとより、ピーチアビエーションなど比較的低価格で利用できる沖縄発着便の増便、そして空路のみならずクルーズ船の寄港数が増えたことが背景として考えられます。
2019年7月には、ハワイのワイキキにある老舗の高級ホテル「ハレクラニ」の姉妹ホテルとなる「ハレクラニ沖縄」が開業しました。沖縄本島の西海岸、恩納村(おんなそん)に建てられたこのホテルは三井不動産が保有しており、同社は「沖縄はワイキキのような可能性を秘めている」と踏み、開業に踏み切りました。
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ハワイと沖縄の違いは「滞在時間」と「地域らしさ」
ハワイと沖縄の人口はいずれも約150万人弱です。複数の島で構成されており、日本とアメリカに併合された歴史や、米軍基地がある点、ビーチリゾートとして観光業を主要な産業としているところなど、重なる点がいくつもあります。
観光客数はどちらも1,000万人弱、観光客が1日に支払う額も2万円強と同じなのに対し、決定的に異なるのは「滞在時間」です。ハワイは平均8.94日、沖縄は3.75日という差が観光収入に結びついています。ハワイの観光収入は約1.9兆円ですが、沖縄は約7,000億円です。
それぞれの中心地であるワイキキと沖縄の国際通りを比較すると、前者はビーチやリゾートなどの商業施設が一箇所に集中しているのに対し、後者はビーチへから遠く、小さな商店が集中した雑多な空間となっています。
またある調査によれば、日本人旅行者はそれぞれの評価できる点について、ハワイは「気候や雰囲気の良さ」など、全体的な好印象が語られた一方で、沖縄は「海の美しさ」に多く言及されていました。ビーチでの滞在を楽しむならば4日足らずでもよいという判断が旅行者にあるのかもしれません。
鍵となるのは「地域らしさ」琉球王国から続く深い歴史と文化を売りに
かつては有名なホテルチェーンを選ぶことで、清潔な部屋やサービスが保証されていました。しかし今は、有名なホテルチェーンでなくともそうしたサービスが一般的になっています。旅行者が宿泊のために選ぶのは、最低限の快適さがある施設ということも少なくありません。
消費額の大きな旅行者が求めるのは、日常を忘れさせてくれる豪華さです。 沖縄でも上述のハレクラニ沖縄に加え、2020年7月に「ヒルトン沖縄瀬底リゾート」のオープンが予定されています。こうした施設を足掛かりに、旅行消費額の拡大を図っていくことも、今後の沖縄の旅行市場の成長には必要な施策かもしれません。
時代のトレンドや潮流に合わせた観光産業のアップデートが世界の旅行者を呼び込むことにつながります。沖縄には19世紀までの450年で培われた琉球王国独特の文化と自然があります。こうした観光資源の魅力を訴求することで、ハワイに追いつき、また追い越すことも可能となるのではないでしょうか。
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<参照>
PRTIMES:「ハレプナ ワイキキ バイ ハレクラニ」2019年10月25日(金)開業。4月15日(月)より宿泊予約をホテル公式サイトで開始
OPENERS:ワイキキビーチ前に全スイートルームの新ホテルが誕生|TRAVEL
FAISHIONSNAP.COM:ヒルトン、日本初のビーチリゾートホテルを沖縄に開業
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