イマドキは「コト消費」っていうけれど…外国人は何望む?KWは「知識欲」世界の先行事例に学ぶ

THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ- アーカイブ無料配信中
完全無料 訪日ラボ会員 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

2019年10月中旬、子供たちの職業体験施設である「キッザニア」が鹿児島にオープンしたというニュースが報じられました。

現在常設での施設は、東京と兵庫にあり、鹿児島にできる「アウトオブキッザニア」は29種類の職業を体験できる施設となります。

インバウンド・レジャー業界は「コト消費」に向けた多くのプログラムを準備し、広く人気を博しています。

今回は「新しいコンテンツ」を考えたいけどなかなか浮かばない、とお悩みの担当者に向けて海外にはどんな「体験コンテンツ」があるのかを探っていきたいと思います。

外国人が好きな日本文化10選とその理由/インバウンド向け体験コンテンツ3事例

日本の伝統文化の魅力は海外においても広く認知されており、訪日外国人の中には旅行を通して日本の伝統文化について深く知りたいという人々も少なくありません。また、日本全国の伝統文化を海外に向けて発信することや、おもてなしの一環として文化体験サービスを提供することは、「コト消費」がトレンドとなっている現在のインバウンド市場における集客に非常に有効な手段として注目されています。この記事では、近年のインバウンド消費傾向や訪日外国人に人気の日本の伝統文化、実際に文化体験ができるプランの事例について紹介し...


訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)

観光客向け「体験プログラム」多いところは22もの言語で予約可能!

訪日外国人が旅行先でできる「体験プログラム」を英語で探すのにどんなサイトを使用するのでしょうか?

▲[ACTIVITY JAPAN]:公式HPより
▲[ACTIVITY JAPAN]:公式HPより


  • HIS系体験検索サイト「アクティビティジャパン」
  • オランダ発「withlocals」 
  • ベルリン発急成長スタートアップ「GET YOUR GUIDE」

アクティビティジャパンは5つの言語に、withlocalsは6言語に、なんと22の言語に対応しています。

訪日客は来日前に、これらのサイトを通じて、自分にとって使いやすい言語で体験プログラムを探し出し予約することができます。

掲載されている口コミから評判を確認し、旅行時の予定を立てるのにも活用されていると考えられます。

▲[withlocalsでのある体験プランについた口コミ]
▲[withlocalsでのある体験プランについた口コミ]

民泊サイトの先駆け「Airbnb」も、体験提供サイトを開設

民泊サイトで有名な「Airbnb」は、2016年より新たな機能Airbnb Experiences」をローンチしました。

提供されている「体験」にはその土地でしかできない特別な体験があふれており、「Airbnb Experiences」のユーザーがどういった景色や体験に魅力を感じるのかを読み取ることができます。

1. お茶目な羊とティーパーティー

エディンバラから約30Kmにあるイギリス最大の淡水湖ローモンド湖では「羊たちとティーパーティー」を楽しむ経験を購入することができます。

▲[お茶目な羊とティーパーティー]:Airbnb・体験ページより
▲[お茶目な羊とティーパーティー]:Airbnb・体験ページより

壮観な景色の中、ローカルフードとイングリッシュティーを楽しみながら「羊」に餌やりをすることができるこの体験プログラム。自由奔放な羊たちと楽しむ「イギリス文化」経験は、現地滞在を特別に演出してくれます。

2. 防護服を着て養蜂体験(オーストラリア/メルボルン

オーストラリアのメルボルンではいつもの旅行とは違う経験をすることができます。

参加者は現地の養蜂家と一緒に生のはちみつを取ることができるのです。もちろん防具服を着ますから安心です。

2時間に渡る「職業体験」にも近いプログラムは、10万匹の蜂に囲まれるという非日常感の極みを味わえます。

「観光地を巡るだけ」の旅行に飽きあきしてしまった人たちに喜んでもらえることでしょう。

3. 4日間かけて体験する「ホンモノの文化」(スウェーデン/ボーレンゲ)

北欧圏で一番の領土を持つスウェーデンでは、じっくりと時間をかけて現地の生活を楽しむ体験ができます。

ストックホルムから200kmほど北西に行ったボーレンゲでは、森の中で「苔の小屋で宿泊し、毛皮で暖をとる」経験をすることができます。

4日間に渡る行程では、カヌーで行う動物生態見学など「スロー・サファリ」ライフを堪能できます。自然の中でとる「朝ごはん・ディナー」に大きな魅力を感じる旅行者もいるでしょう。

鳥のさえずりで目が覚める経験は、日常の喧噪を忘れさせたという人が夢見る体験かもしれません。

知識欲を満たす、最新のトレンドを意識した体験コンテンツ

その地でしかできないこともさることながら、その地の歴史についての知識を、観光経験として購入する動きも広がっています。

1. ユダヤ教の黄金期・歴史に迫るツアー(ハンガリー/ブダペスト)

中欧・ブダペストではその土地ならではの「文化」にフォーカスした体験をすることができます。

2時間半のツアーでは、観光地として有名な「シナゴーグ」とはまた異なるディープな場所を訪れることができます。

さらにカシュルートのパン屋さんやピザ屋さん、ハンガリーのユダヤ式デザートなど楽しむことができます。

「風土」と「宗教」についての知識を一度に深められ、その土地でないと食せないメニューも楽しめるとあり、観光でなければできないことが存分につまったコンテンツになっています。

2. 研究者と巡るケープ半島(南アフリカ/ケープタウン)

アフリカでは、壮大な自然を「海洋生物学者」と一緒に巡れる体験ツアーが存在します。

全部で8時間にも渡る行程では、国立公園やケープ・ポイント灯台など異なる景観をもつスポットに立ち寄った後、観光客には知られていないレストランでランチを取り「ボウルダーズ・ペンギン・コロニー」と呼ばれるペンギンビーチに専門家とともに訪れることができます。

世界でまたとない地に足を運べるだけでなく、より深くその地を理解するための手助けをしてくれる識者とのツアーは、観光客に二つとない価値を提供していると考えられます。

▲[海洋生物学者と行くケープ半島]:Airbnb・体験ページより
▲[海洋生物学者と行くケープ半島]:Airbnb・体験ページより

3. 「水中で3分間息を止める方法」を教えます(ハワイ/オアフ島)

ワイメア・ベイで行われるレッスンでは、いかに水中で落ち着いて自身をコントロールするかが肝となる「水中でのロングブレス」を学ぶことができます。

レッスンは全て水上で行われるため、一見するとハワイで参加する動機付けはあまり強くないようにも思えますが、実際には「ハワイで」体験することに価値を見出し、参加を決める観光客も少なくありません。

まとめ

各国ではそれぞれオリジナリティのある「体験」を観光客に提供していました。一口に体験といっても、その切り口は様々です。

現地の動物と触れ合うもの、産業の中に足を踏み入れるもの、生態系を読み解くもの、自然環境や歴史を目にしながら知識と照合していくもの、スポーツの技術を体得していくものなどが実際に提供されていることが確認できました。

こうしたコンテンツをヒントにすれば、日本の各地でも世界中の旅行者を満足させられる体験コンテンツを生み出していくことは十分に可能でしょう。

また、用意した体験コンテンツは多言語で情報発信、予約を受け付けるような体制も同時に必要になってきます。社会の成熟に従って、世界中の「コト消費」の需要はますます高まっていくと考えられます。こうした流れに後れを取らないよう、各業界、組織でのスピード感ある対応が重要になってくるのではないでしょうか。

新たな"コト消費"職業体験×インバウンドで日本の観光立国を推進せよ!相鉄職業体験会ケーススタディ

相鉄グループの相模鉄道と横浜西口エリアマネジメントが連携し、「インバウンドツアー相模鉄道職業体験会」が6月6日に実施されました。海外の学生たちに日本をより深く知ってもらい、鉄道のシステムを理解することで日本に親しみを持ってほしい、相鉄の業務を体験し日本の鉄道の認知度を広めたいとの思いから企画された取り組みです。本インバウンドツアーの様子をふまえ、日本の魅力発信に向けた1つの取り組みとして見ていきましょう。目次外国人学生と駅係員がポケトークでコミュニケーション出発合図や構内放送など、駅係員の...

「インバウンド」ひとまとめでイメージしてませんか?こんなに違う!国籍別、在留外国人が本当におすすめしたい観光名所

2019年3月19日から31日まで、YOLO JAPANが在留外国人会員414名に「訪日外国人にお勧めしたい観光地はどこ?」というテーマでアンケートを実施しました。国籍別で見る人気の観光地も調査したところ、国籍による傾向の違いが明らかになりました。今回は、YOLO JAPANの調査結果をふまえ、国別の訪日旅行コンテンツへの興味関心の傾向を探り、国別のインバウンド対策に重要な点をそれぞれ比較していきましょう。目次インバウンドにおすすめ観光地ランキング:全体ではテーマパークが上位に!?1. ア...


<参照>

お茶目な羊とティーパーティー(イギリス/ローモンド湖)

養蜂場訪問、防護服ではちみつをとる(オーストラリア/メルボルン)

苔の小屋、毛皮で暖をとるスウェーデン森キャンプ(スウェーデン/ボーレンゲ)

ブダペストで学ぶユダヤ教(ハンガリー/ブダペスト )

海洋生物学者と行くケープ半島(南アフリカ/ケープタウン)

水中で3分間息止めできる方法を伝授します(アメリカ/オアフ島)

【12/10開催】【売上4倍事例】地方企業の成長を支える「インバウンド×口コミ」戦略を紹介

沖縄県で複数店舗の焼肉店を展開する「焼肉 もとぶ牧場」。同社は急増するインバウンド需要を的確に捉え、短期間で売上を400%に伸長させました。

その成果を支えたのは、徹底的なマーケティング強化と、口コミを核とした仕組み化・現場改革です。

本セミナーでは「もとぶ牧場」のマーケティング責任者をゲストにお迎えし、沖縄の最新インバウンド動向から、売上4倍を実現させた戦略の全体像まで、余すことなく公開します。

<セミナーのポイント>

  • ローカルブランドが短期間で売上4倍にした実例を担当者から聞ける!
  • 人手不足でも無理のない「口コミ活用の仕組み化」が学べる!
  • 口コミを現場でどう収集し、改善・集客に活かしているのか、その具体的な方法がわかる!

詳しくはこちらをご覧ください。

【売上4倍事例】地方企業の成長を支える「インバウンド×口コミ」戦略を紹介[無料セミナー]

【インバウンド情報まとめ 2025年11月後編】中国の訪日自粛要請、観光庁長官の受け止めは? ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に11月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

訪日ラボ会員にご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

中国の訪日自粛要請、観光庁長官の受け止めは?/ 10月の訪日外客数389.6万人、国別1位は韓国 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年11月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

訪日ラボの会員限定コンテンツ「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!

その他、訪日ラボの会員になるとインバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い教科書コンテンツやインバウンドを分析したレポート、訪日ラボのコンサルチーム登壇のセミナーなど役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 訪日ラボ会員 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに