インバウンド市場で近年注目されているシンガポールには、2019年の世界の主要空港の格付け調査結果「最良の空港部門」で7年連続で首位に選ばれたチャンギ国際空港があります。
シンガポール人は日本に次いで、事前ビザなしで目的地へアクセスできる数が多い国です。
訪日シンガポール人も年々増加しており、さらなる誘致を目指すインバウンド事業者が多いのではないでしょうか。
効率よくインバウンド誘致を行うためには、その国の国民性や消費動向を知ることが大切です。
この記事では、シンガポール人の国民性や特徴、人気のお土産、シンガポール人向けの販促について解説します。
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シンガポールはどんな国?
インバウンド市場についてのリサーチをする前に、まずシンガポールがどのような国であるかを知ることが大切です。
国の特性や国民性によって消費行動の傾向が変わるため、インバウンド対策を組む上でターゲットとなる国の基本情報はおさえておくと良いでしょう。
以下では、シンガポールの基本情報、シンガポール人の国民性について解説します。
シンガポールの基本情報
シンガポールはマレー半島の南端に位置し、東南アジアに属する国です。
中華系、マレー系、インド系をはじめ多くの人種が暮らす多民族国家のため公用語が4つ存在します。また50以上の島からなる国として知られています。
民族や人種が多様であるため、信教も仏教、イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教など、地域や人によってさまざまです。
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シンガポール人の性格・国民性
シンガポールでは、学校や企業などにおいて競争社会が形成されている傾向にあり、シンガポール人は順位や勝ち負けを重視する国民性を持っています。
シンガポールでよく使われる言葉でもあるKIASU(キアス)には「負けたくない、1番でなければならない」というような意味があり、何事においても負けず嫌いな一面があります。
また、ガムの持ち込みが法律で禁止され、罰金も高いということがよく知られていますが、ルールや礼儀に厳しいこともシンガポール人の特徴で、シンガポールの街は清潔かつ治安が良いことで有名です。
訪日シンガポール人市場の特徴
2016年の訪日シンガポール人は36万人を記録し、2012年と比較すると倍以上に増加しています。2016年、訪日シンガポール人は一人当たり163,210円を訪日旅行時に使いました。
2018年の消費動向調査から見るシンガポール人に人気のお土産
2018年の訪日外国人消費動向調査によれば、シンガポール人の一般客1人あたりの旅行支出は17万2,821円で、うち買い物代は24.1%にあたる4万1,691円でした。
これは飲食費に相当する額で、宿泊費に次いで多い消費額となっています。以下では、シンガポール人の消費動向や人気のお土産について解説します。
人気のお土産ランキング
2018年の訪日外国人消費動向調査によれば、訪日シンガポール人が購入した費目、満足した購入商品についての調査ではいずれも「菓子類」が1位となっています。
人気お土産ランキング
- 菓子類
- 衣類
- その他食料品・飲料・タバコ
となっており、購入者単価では菓子類よりも上回っている品目もありますが、菓子類の購入率は6割強と圧倒的です。
また、菓子類はシンガポール人にとって満足度も高い商品のため、次回の訪日旅行や越境ECを利用してリピートするシンガポール人も少なくないでしょう。
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購入場所ランキング
2018年の訪日外国人消費動向調査によれば、訪日シンガポール人の買物場所についての調査では
購入場所ランキング
- 百貨店・デパート 70.3%
- コンビニエンスストア 67.8%
- 空港の免税店 61.2%
と続いており、訪日シンガポール人は比較的「百貨店・デパート」の利用率が高いと言えます。ただ、上位の項目間における割合の差はそれほど大きくないようです。
訪日外国人全体を通してのデータでは
- コンビニエンスストア 71.1%
- 空港の免税店 59.2%
- ドラッグストア 57.8%
- 百貨店・デパート 55.8%
という結果となっています。
ムスリムでも食べられるお菓子
シンガポール人から人気のある日本のお菓子ですが、前述の通りシンガポールにはムスリム(イスラム教徒)が多いため、イスラム教の戒律に反しない原材料からつくられたお菓子を選ぶ必要があります。
生産、加工過程においてイスラム教の戒律に反する材料が含まれたり、接触したりしていないことを証明するハラール認証のお菓子を選ぶことも1つの手段です。
ハラール認証を受けている銘菓としては、もみじ饅頭やムソー株式会社のカステラなどがあります。
また、ハラール認証は得ていないものの、とらやの羊羹やヨックモックのシガールなどもムスリムが食すことが可能な原材料からつくられています。
お土産を選んでもらうためのPR方法
買い物代に比較的大きな額を費やしている訪日シンガポール人ですが、彼らに購入してもらうためにはどのような手法が効果的なのでしょうか。
以下では、シンガポール人向けのマーケティングについて解説します。
SNSの活用
「Digital2019」が発表したデータによれば、シンガポールにおけるインターネット利用率は約84%で、前年比では1.9%とわずかに増加しています。
ソーシャルメディアプラットフォームの利用率は79%となっており、約8割の人々がソーシャルネットワーキングサービスやメッセンジャーを利用していることが分かります。
特に人気のSNSはFacebook、Instagram、Twitterで、それぞれ人気ランキングにおいて1位、2位、3位となっています。
そのため、シンガポール人向けのオンラインマーケティングではこれらのSNSを利用することで、より多くのユーザーにアプローチできるでしょう。
また、これらのSNSはそれぞれ異なる特性を持っているため、特性に合わせた運用をすることも大切なポイントです。
まず、1位のFacebookは世界的にユーザー数の多いSNSです。
近年注目を浴びているSNSよりもFacebookを利用している年齢層は幅広く、中高年以上の年齢層にPRしやすいという特徴があります。
2位のInstagramは写真や動画に特化したSNSです。
インパクトのある写真や一目見て興味を惹く写真を投稿できるかがプロモーションの鍵となります。
3位のTwitterは拡散力に長けたSNSです。
リツイートや引用リツイートでは、元のツイートをしたユーザーのフォロワー数に関わらず、引用したユーザーのフォロワー全員に拡散されるため、拡散力に優れています。
リツイートを見たユーザーがリツイートする連鎖を引き起こせば、世界的に有名になることもあるでしょう。
シンガポールの人気SNSトップ3と利用状況
シンガポールは国土がとても小さい国でありながら、1980年代以降急激に発展し、東南アジアを代表する経済大国となりました。発展とともにインターネットも普及し、現在は人口の84%がインターネットを利用しており東南アジアでは最も高い普及率となっています。さらに、SNSの利用率も79%と高水準です。この記事では、インバウンドでも重要な位置を占めるシンガポールのSNSの利用状況や一番人気のFacebookを使ったインバウンド対策の事例について紹介します。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」の...
割引などでお買い得感を
シンガポールでよく見る販促キャンペーンの1つが「Buy 1 Free 1」です。
「Buy 1 Free 1」とは、商品を1つ購入するともう1つ無料でオマケがつくことであり、消費者はお得に買い物ができます。
シンガポールの店舗の多くはこの割引制度と適用しています。またシンガポール人はオープンにお金の話をする人も多く、値段や値引きに関する話をふることもしばしばあるようです。
「Buy 1 Free 1」をはじめとする割引やおまけには目がないため、お得なキャンペーンを実施することで販売促進となるでしょう。
お得感が訪日シンガポール人の消費アップを促進する鍵
訪日シンガポール人は旅行中の買い物代として、1人あたり約4万円を消費しており、これは旅行中の飲食費に相当する額の出費です。
また、菓子類や衣類、その他食料品などが人気で、百貨店やコンビニエンスストアでの買い物が多いようです。
特にシンガポール人はお得なキャンペーンを好む傾向があるため、うまくお得感を演出することが販促の鍵となるでしょう。
インバウンド対策では、それぞれの国民性に合ったプロモーションに取り組むことが効果的です。
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