来年に控える東京オリンピックを前にますます盛り上がりをみせるインバウンド業界に向け、「東南アジア人」が訪日旅行で満足・感動するであろうものコトについて書いていこうと思います。
東南アジアと一括りにしても、複数の国がありそれぞれの特色もあるので一概にはいえない項目もあるかと思いますが、出来るだけ多数の国に当てはまるであろう事を記していきます。
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飲める水道水、ソフトドリンクの氷も安心
まずは「食」に関する驚きポイントです。東南アジアを旅行したことのある方は、同じような視点をもっている方も多いと思います。
東南アジアは現在経済発展の真っ只中であり、かつて日本にもあった、経済成長期前後に似ています。その為、インフラ整備が全体的に追い付いておらず「水道水」は基本的に飲めません。どんなに熱帯の国々であったとしても、オフィスやレストランにあるウォーターサーバーから濾過された水を汲み、飲水しています。
最近では東南アジアの飲食店で出てくる「氷」も、濾過された水から作られているところが多く安全に飲むことが出来ますが、旅行ガイドなどではまだ氷入りの飲料を推奨していません。
ところが日本では、水道水は飲水可能で、更に軟水とあってかなり飲みやすくなっています。訪日外国人は水道水で水分補給できること、出先のお店がどんなにみすぼらしくても「氷」に気を使う必要がないことに驚きを覚えるでしょう。東南アジアからの訪日旅行客にとって、日本はかなり便利な場所として感じられそうです。
瓶ビールは「拭かなくてもきれい」
東南アジアの飲食店では、瓶の飲み物を注文した際に「ペーパーナプキン」が飲み口の周りに巻かれて提供されることが少なくありません。拭いてみると、ナプキンが真っ黒になることもよくあります。
こうした地域では飲み口を清潔にすることなく口をつけると、慣れない人であればおなかを下すこともありうるでしょう。
瓶ビールの保存状態が比較的良い日本では、容器が汚れて提供されることなどめったにありません。こうした衛生管理の水準の高さも、東南アジア人を驚かせるかもしれません。
宗教や交通インフラ、そして「冬服」に感激
食以外には、どのような驚きがありうるでしょうか。
1. 「寺」と「神社」が混在
東南アジアの国々は基本的に上座部仏教(小乗仏教)やイスラム教、カトリック教など各地域により異なる宗教が信仰されており、更に宗教の違いを理由とする対立が起こることも少なくありません。
しかし日本では、インド・中国から渡ってきた大乗仏教の象徴である「寺」と、日本の神様が祀られているという「神社」が街中に混在しています。
さらに驚きなのが、日本の人々は生活の中でどちらの施設にも足を踏み入れる機会があるということです。こうした、世界的にみても独特な宗教文化を持つ日本の日常は、もしかしたら訪日旅行の動機付けにもなるかもしれません。
2. 正確な運行の公共交通機関と、さまざまな乗り物
「鉄道会社が、20秒早く列車を出発させてしまい、公式に謝罪した」というニュースは、日本の独自性が顕著に表れた事件として海外を駆け巡りました。
謝罪はやりすぎと感じる外国人は少なくないと考えられますが、その一方で日本の計算し尽くされたインフラは世界でも有名で、好感を持ってとらえられています。本当にそこまで正確なのかと、日本人に直接確かめたがる外国人もいます。
時間に正確な公共交通の運行は訪日旅行客にとっても安心できる旅行を送れることでしょう。時間の正確さだけでなく、バス、地下鉄、在来線など電車に始まり、「新幹線」「リニアモーターカー」「モノレール」「トロリーバス」「ケーブルカー」「フェリー」「電気タクシー」「人力車」など地域によって異なる交通機関が存在していることも、りっぱな観光資源です。「日本らしい交通」イメージの確立は、今後の訪日旅行市場の発展にも寄与するかもしれません。
3. バラエティに富んだファッション、そして「冬服」
東南アジアといえば、その美しい「海」を思い浮かべる方も多いと思います。そのイメージ通り、年間を通して温暖であり「冬服」を着ない国民が多くを占めます。
あるフィリピン人女性に、日本で好きなところはどこ?と聞いたところ「冬服を着られるところ。ブーツを見ると可愛いと思っています」と話してくれました。
日本の秋冬の季節は、東南アジア人にとっては、雑誌やインターネットでしか楽しむことができなかったファッションを直に楽しむことができるめったにない環境ということになります。この時期の訪日旅行は、東南アジア人にとってまたとない経験ができるチャンスです。
こうした視点から、滞在中の体験を提案することも、検討に値するでしょう。
治安の良さ、オペレーションの正確さ
最後に、日本の日常に関する驚きポイントを紹介します。
街を歩いても「拳銃」がない
ベトナム、タイ、フィリピンと旅を続けると、その街中の光景に驚かされることが良くあります。こうした地域では、街中の「警備員」が銃を所持しているということは日常の一部です。国によっては1メートルくらいのライフルガンを持っているところもあります。
日本で「拳銃」を持っているのは警察官くらいですが、国によっては一般家庭でも所持しています。こうした環境が普通だと思っている訪日旅行客にとっては、日本での滞在はかなりほっとするものとなるかもしれません。
「予約」したら絶対に予約されている
日本では電話やインターネットを介して予約したものが「予約できていない」ということは珍しい出来事です。東京や大阪といった大都市や、地方都市に限らず、どんなに田舎でも予約の成立を疑う人はいないでしょう。
しかし東南アジアでは、「事前予約」したものの、現地に出向いたところ予約されていなかったということがよくあります。
また、航空便など国際的な交通インフラではめったにありませんが、現地のネット環境が良好でない場合、サーバーがダウンして不便を被ることも少なくありません。東南アジアからの訪日旅行客は、日本の抜け目のないオペレーションにもきっと驚いてくれるでしょう。
まとめ
東南アジア人からの訪日旅行客がますます増えています。訪日旅行の体験を、さまざまな店舗や関連業界が準備しています。
しかし、実は特別な観光コンテンツを利用しなくても、東南アジアからの訪日旅行客は特別を感じ取っています。こうした「旅行者目線」でのサービスの提供や情報発信が、今後のインバウンド市場をより意味のある成長に導いてくれるのではないでしょうか。
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