新型コロナウイルスの国別対応まとめ、感染拡大防止策や日本と各国の水際対策、政府方針の違い

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2020年2月3日から横浜・大黒ふ頭沖で検疫を実施しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」内の乗客10人について、新型コロナウイルス検査の陽性が確認されたたと厚生労働大臣が2月5日8時43分頃に会見で発表しました。

検査で陽性が確認された患者は、2月5日8時ごろ、神奈川県内の医療機関へ搬送されました。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染確認が増加しているのは日本だけではありません。

厚生労働省によると、新型コロナウイルス感染者が確認されている国は2月3日12時時点で24か国にのぼります。

WHO(世界保健機関)が1月31日未明に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言をするなど、刻一刻と状況が変わると同時に各国の対応にも差が出ています。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染状況と各国の対応について、最新の情報をまとめました。

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WHOは相次ぐ渡航制限に懸念示す

WHOは1月31日未明に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によって医療体制が十分でない国への影響について懸念を示しました。

その一方で、WHO テドロス事務局長は2月3日、中国からの渡航者の入国を禁止する国が相次いでいることについて

渡航や貿易を不用意に妨げる必要はどこにもない。証拠に基づいた決定をするようすべての国に求める

と述べました。

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2月3日から横浜港に到着していたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客から10人の新型コロナウイルス検査の陽性が確認されました。新型コロナウイルス検査の陽性が確認された10人は、2月5日午前8時ごろに神奈川県内の医療機関へ搬送されました。また残念なことに、在ミクロネシア日本大使館はホームページ上で、ミクロネシア政府が2月3日から日本が新型コロナウイルスの感染地域・国であると指定したと公表しています。それに伴い日本からミクロネシアに入国する際には、非感染地域であるグアムやホノルルなど...

コロナへの各国の対応状況まとめ

新型コロナウイルス(COVID-19)に関する各国の状況と対応はどうなっているのかご紹介します。

日本:政府が帰国者の滞在用施設を用意、クルーズ船の検疫も

厚生労働省によると、2月3日12時現在で日本国内での感染者数は16名です。

日本政府は2月1日0時から新型コロナウイルス(COVID-19)を「指定感染症」に指定し、感染の有無にかかわらず入国申請日前14日以内に湖北省滞在歴がある外国人、湖北省で発行した中国旅券所持者の入国を原則拒否する措置を開始しました。

官房長官は2月4日の午後の定例記者会見で、2月2日までに8人の入国を拒否したことを明らかにしました。

政府が手配したチャーター機3便で、1月28日から31日にかけて565人が帰国しました。

帰国者のうち520人は、千葉県の「勝浦ホテル三日月」と「税関研修所」、埼玉県の「国立保健医療科学院」など政府が用意した4つの施設に滞在しています。

その他の帰国者は入院、または帰宅しています。

今週半ば以降に第4便のチャーター機が運航される見通しです。

また、横浜の大黒ふ頭沖に2月3日に停泊したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、1月25日に香港で下船した男性が、香港で新型コロナウイルス(COVID-19)に感染していることがわかりました。

そのため、乗客乗員約3,500人に対する大規模な検疫が行われ、10人の乗客から新型コロナウイルス陽性結果があらわれたと厚生労働大臣が2月5日8時43分頃に会見で発表しました。

検査で陽性が確認された10人の患者は、2月5日8時ごろに神奈川県内の医療機関へ搬送されました。

【発生〜WHO緊急事態宣言まで】新型コロナウイルスのニュースを時系列で振り返り:感染拡大が広がる新型肺炎

WHO(世界保健機関)は、日本時間の2020年1月31日未明「緊急事態宣言」を発表しました。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が中国国外へと広がり、医療制度が整っていない国への感染をふくむ、さらなる感染拡大の危険を懸念しての判断となったようです。この記事では、これまでの新型コロナウイルス(COVID-19)に関するニュースを時系列で振り返ります。※日本では2020年10月10日時点で累計88,267人の感染者数となっています。関連記事【新型コロナ 海外動向まとめ】5月前半 中...

中国:感染者数2万人超、専門病院建設も医療体制追い付かず

中国の保健当局、国家衛生健康委員会は4日、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者数が2万438人、死者が425人になったと発表しました。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中国湖北省武漢市は23日に、空港や鉄道駅を閉鎖、交通機関の運行を停止する移動制限すると発表しました。

また中国政府は、27日から国内外の団体旅行を禁止するなどあらゆる手を尽くしていますが、感染者数・死亡者数ともに2003年に流行したSARSの数字を上回る結果となっています。

湖北省では急ピッチで建設が進められていた病院が一部完成し、3日から治療が開始されました。

この専門病院では約1,000人の受け入れが可能となっているようですが、1日で患者が新たに2,000人場増えるなど、医療体制が追い付かない状況が続いています。

新型コロナで中国人観光客の団体旅行禁止:日本政府目標「訪日客4,000万人」に急ブレーキ

26日に日本で4例目となる新型コロナウイルス(COVID-19)感染者が確認されました。日本だけでなく世界各地で感染が確認され、感染者数も日を追うごとに増加しています。感染源地である中国の国家衛生健康委員会の発表では、26日時点で中国国内の感染者が2,744人、亡くなったのは80人だとしています。いまだ終わりの見えない新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大が、日本政府が掲げる「2020年に訪日外国人旅行者数4,000万人」に大きく影響し目標達成が難しくなっています。しかしこの目標、実...

韓国:新型コロナウイルス感染症の拡散防止、汎省庁が総力対応

李泰鎬外交部第2次官は1月28日、武漢へチャーター機4機を派遣し、現地に滞在する国民と留学生の帰国支援を行うことを決定したと発表しました。

武漢市および近隣地域に滞在中の韓国人約700人が帰国を希望しており、韓国政府は1月30、31日にチャーター機を派遣するために中国政府と協議したとしています。

また帰国後は、関係法令に基づき一定期間、韓国政府が準備する臨時生活施設(公務員の教育施設を検討中)に隔離し、外部との接触を徹底的に遮断してウイルスが拡散防止対策を行っているようです。

韓国では新型コロナウイルス感染症が疑われる患者が相談や問い合わせができるように、コールセンターも設置しています。

健康保険審査評価院では、1月13日から1月26日までに武漢から韓国に入国した合計2,991人に対し、感染確認調査をしているとのことです。

入国者には、毎日の電話確認、発熱や呼吸器症状がある場合は隔離検査、湖北省から帰国した児童、教職員などに出席可能かの行政措置を行っているという状況のようです。

米国:「公衆衛生上の緊急事態」宣言、強制隔離や入国拒否

米疾病対策センターは2月3日、マサチューセッツで1人、カリフォルニアで4人の新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が確認されたことを発表しました。

これで米国で確認された感染者は11人となります。人から人への感染もすでに2例確認されているということです。

アメリカ国務省はWHOの緊急事態宣言を受け、渡航中止としていた湖北省だけでなく、中国全土を対象に渡航を控えるように呼びかけています。

中国・湖北省に渡航した米国民を強制的に隔離するほか、過去14日間に中国に滞在した外国人の入国を拒否する措置を2日より実施しています。

またアメリカも日本同様にチャーター機を手配し、29日に武漢から約200人を帰国させました。

香港:空港と橋2か所を除き中国との境界閉鎖、完全封鎖求めるデモも

香港の林鄭月娥行政長官は2月3日の午後、香港と深セン(Shenzhen)を結ぶ橋と、香港と珠海(Zhuhai)およびマカオ(Macau)を結ぶ橋を除き中国本土との出入境地点を閉鎖すると発表しました。

一方香港空港は湖北省の住民に対する制限はあるものの、中国本土在住者も利用が可能な状態です。

2月3日には中国本土との境界の完全封鎖を求めて、医師らによるストライキも始まっていると報じられています。

新型コロナ原因で「ディズニー閉鎖」:東京・上海・香港それぞれの対応と違いとは?

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、上海ディズニーランドは1月25日から、香港ディズニーランドは1月26日から休園をしています。日本国内も感染者が確認され、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーでは、1月28日から希望する従業員に対しマスクの着用が認められました。2月28日、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーでも2月29日から3月15日まで休園することが発表されました。政府からの新型コロナウイルス感染症対策の要請に応じたものです。再開は16日としていますが、改めて発...

フランス:中国との空港便を全面運休、帰国者は隔離

2月3日時点で6人の感染が確認されているフランスでは、航空大手エールフランスが1月30日、中国本土発着の定期便を2月9日まで全面運休することを発表しました。

中国からの帰国者向けには、上海、北京とパリを結ぶ特別便を運航しています。

1月31日から2月1日にかけて、約180人の帰国者を乗せたチャーター便がマルセイユ近くの海辺リゾート、キャリールルエのホリデーセンターに到着たと報じられています。

帰国者たちは検疫を終えた後、キャリールルエから3キロ以上離れた入り江にある保養施設で2週間隔離されるようです。

また2月2日に到着した第2便では、約250人のうち約20人に新型肺炎の感染が疑われる症状が見られ、症状のない人も含めて2週間隔離されているようです。

マレーシア:ビザ発給停止、旅行者の強制帰国

マレーシアでは2月3日時点で8人の感染者が確認されています。

2月2日時点では、中国の渡航歴のない人への国内感染は確認されていないということです。

首相府は先月27日、武漢市および湖北省に居住する中国国籍者へのビザ発給を一時停止することを決定しました。

また28日には武漢からの旅行者14人を中国へ帰国させています。

シンガポール:チャンギ国際空港での乗継拒否、帰国者の休暇取得を義務付け

シンガポールでは2月3日時点で感染者が18人確認されています。

16人は武漢から入国した中国人で、2人は30日に武漢から帰国した92人のうちのシンガポール人2人です。

シンガポール政府は2月1日より中国本土への旅行歴がある旅行者、および中華人民共和国のパスポートを持っている旅行者に対し14日以内に中国本土に旅行したことがある場合は、シンガポールへの入国およびシンガポール経由の乗り継ぎを拒否しています。

また入国管理局(ICA)は、中華人民共和国のパスポートを所持している人に対し、すべての新規ビザの発行を一時停止し、シンガポール国内にあるトランジット施設の利用も停止しています。

それだけでなく、前もって発行された短期ビザおよびマルチプル・ビザも一時停止しています。

さらに中国から帰国する国民、永住者、長期滞在許可取得者には、帰国後14日間の休暇取得を義務付けています。

オーストラリア:入国拒否、帰国者の自主隔離求める

オーストラリアは2月3日時点で12人の感染者が確認されています。

オーストラリア外務貿易省は2月1日、中国全土に対する渡航情報を「渡航禁止」としています。

そのためオーストラリアの航空大手のカンタス航空は、2月9日から3月29日までの間、シドニー~北京、シドニー~上海便の2路線を一時的に運航停止するとホームページ上で公表しています。

オーストラリアのスコット・モリソン首相は2月1日に、中国本土滞在の外国人(オーストラリア永住者を除く)が中国本土を離れ、あるいは乗り継ぎをしてから14日間、オーストラリアへの入国を制限すると発表しました。

オーストラリア人、オーストラリア永住者とその家族は対象外で入国が可能ですが、中国本土を離れてから14日間は自宅などで自主的に隔離することを求めています。

また禁止措置にかかわらずオーストラリアに到着し、直ちに出発地へ戻ることを拒否する外国人は、強制的な検疫措置の対象となるとしています。

ただし、連邦政府は、これは一時的な措置であり14日後に対応を見直す可能性もあると説明しています。

<参照>

AFP BB NEWS:新型コロナウイルス、感染者が確認された国と地域(3日16時現在)

NHK NEWS WEB:新型肺炎 WHO事務局長 各国の相次ぐ渡航制限に懸念表明

厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について令和2年2月3日版)

東京新聞:新型肺炎 どうなる帰国者 第1便、13日に滞在先退去

毎日新聞:新型肺炎拡大防止で8人の入国拒否 菅官房長官

NHK NEWS WEB:新型肺炎 中国の感染者数 2万人超える

NHK NEWS WEB:新型肺炎 中国での死者361人に SARSを上回る

AFP BB NEWS:香港、中国本土との境界を閉鎖へ 橋2か所と空港以外

大紀元時報:米、新型肺炎で緊急事態宣言 強制隔離や入国禁止措置実施へ

産経新聞:エールフランスが中国便を全面運休 2月9日まで 帰国者向けには特別便

JETRO:新型コロナウイルスのマレーシア国内感染者8人、湖北省に限りビザ発給一時停止

JETRO:オーストラリア政府、中国からの渡航者に対する入国制限を実施

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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