インバウンドからも人気を集める渋谷では、2019年11月以降、新たに3つの商業施設がオープンし話題を集めています。それぞれの施設が、ターゲットの客層をふまえてインバウンドを意識したコンテンツも取り入れている点が特徴的です。
この記事では渋谷パルコ・東急プラザ・渋谷スクランブルスクエアの3つの商業施設について、インバウンド誘客に向けたコンテンツやターゲット層の違いに着目し、解説していきます。
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デジタル世代向けにジャパンカルチャーを発信「渋谷パルコ」
2019年11月22日、建て替えで休業していた渋谷パルコが3年3か月ぶりにリニューアルオープンしました。地下1階から地上9階、そして10階の一部に合計193の専門店が出店しています。
世界へ発信する唯一無二の「次世代型商業施設」をコンセプトとし、ファッション・アート&カルチャー、エンターテイメント、フード、テクノロジーの5つのテーマをミックスしたフロア設計が特徴です。
AIロボットによるコミュニケーションサービスや決済システムなど、あらゆる最新テクノロジーを導入した売り場にも注目が集まります。
最低3割以上のインバウンド比率を目指す同施設は、とりわけ訪日観光客のデジタル世代を意識したフロアが充実しています。
任天堂の国内初の公式ショップ「ニンテンドートウキョウ」や、ポケモンの世界観をテクノロジーで再現した「ポケモンセンターシブヤ」など、単なるグッズショップにとどめずコト消費にも対応しているのがポイントです。世界的に人気がある日本のゲームやマンガ、キャラクターなどを据えることで、インバウンドの新たな「オタクの聖地」になることも期待できるでしょう。
飲食ゾーンにある「カオスキッチン」にある路地裏の飲み屋街のような空間も、インバウンドから人気を集めそうです。昆虫料理やジビエを提供するレストラン、ミシュランガイドのビブグルマンに掲載されたビストロ、ヴィーガン担々麺を提供するミシュランレストランなど、あらゆる層の訪日観光客を惹きつけるグルメが集結しました。
"本物"の和食店が充実「東急プラザ渋谷」
2019年12月5日には、再開発のため閉店していた複合商業施設「東急プラザ渋谷」がリニューアルオープンしました。2〜8階と17、18階に全69店舗が出店し、年間500万〜600万人の来店を目指すとのことです。
東急プラザ渋谷は40代以上の男女と、閉館前の主要顧客だった近隣住民をターゲットにしました。物販フロアには生活雑貨店など、シニア層が好みそうな店舗が集まっています。
飲食フロアには「本物の和食」を楽しめる店が充実しています。6〜7階にある全17の飲食店のうち半分以上が和食店で、うなぎやとんかつ、寿司などを落ち着いた雰囲気の中で楽しめるのが特長です。
5階中央にはソフトバンクロボティクスによる初の飲食店「Pepper PARLOR(ペッパーパーラー)」がオープンしました。「Pepper」をはじめ同社が開発したロボットが接客するユニークなカフェで、日本のテクノロジーに関心がある訪日観光客の来店も期待されます。
17階のフロアの約半分は、屋上テラス「SHIBU NIWA(シブニワ)」として無料開放しています。インバウンドに大人気の観光スポットであるスクランブル交差点が見渡せるなど、渋谷の眺望を気軽に満喫できる穴場スポットとしてインバウンドに認知が拡大していきそうです。
立地最高の渋谷、でも「外国人来てもカネ落ちず」人気にかまけて観光コンテンツ不足…来年は”スクランブル交差点だのみ”から脱却?
日本の流行発信地と言われる「渋谷」は、外国人観光客が連日訪れる東京の人気観光エリアです。特に「スクランブル交差点」は渋谷名物として知られており、一気に人々が通行する様子を写真や動画に収めようと世界各国から数多くの観光客がやってきます。しかし渋谷は、この世界的に有名な観光スポットがあるにもかかわらず、集客力を効果的にインバウンド客の消費につなげられないというジレンマを抱えているようです。この記事では、渋谷が抱える課題とその解決策について解説していきます。目次渋谷が抱えるジレンマとは?渋谷は訪...
ナイトタイムエコノミーに応える「渋谷スクランブルスクエア」
2019年11月1日には渋谷駅の真上にそびえ立つ「渋谷スクランブルスクエア」がオープンしました。地下2階から地上14階に合計213の店舗を構えており、他にはない16のフロアをTPOに応じて使い分けられる「縦積み感」が特徴です。
JRの改札口がある目抜きをあえて3階に設定し、百貨店や路面店での出店が一般的なラグジュアリーブランドを取り入れるなど、斬新な設計となっています。
通常であればデパートの1階に設ける化粧品売り場を6階に置き、渋谷最大級となる40以上のコスメブランドを集めた戦略が功を奏し、初動は絶好調とのことです。
渋谷スクランブルスクエアの最大の目玉が、展望施設「SHIBUYA SKY」です。超高層ビルの屋上を全面開放することで、360度のパノラマビューを実現しました。渋谷を世界的な都市にすることを狙ったデザイン設計で、東京の景色を一望できる渋谷随一の場所として、今までにない「世界に通用する展望施設」を目指しています。
23時までオープンしていることから、インバウンドにも需要が高い「ナイトタイムエコノミー」が盛んな渋谷の新名所として注目を集めそうです。インスタグラムでも「#shibuyascramblesquare」の投稿が1万1,000件を超えており、今後もさらなる認知拡大が見込まれます。
「ナイトタイムエコノミー」開拓がインバウンド経済成長のキーポイント!国・地域別の期待を分析(JTB訪日旅行重点15カ国調査2019)
目次インバウンド消費拡大へのカギは夜間のアクティビティイベント・コンサート参加は「コト消費」の代表インバウンド消費拡大へのカギは夜間のアクティビティJTBは、12月4日、インバウンドによる夜間の消費行動に着目した「ナイトタイムエコノミー」に関する各国市場の動向を紐解きました。観光庁によれば、夜間とは具体的に「18時から翌日朝6時まで」。日本で「ナイトタイムエコノミー」はまだ拡大展開の余地があり、今後の経済効果への高まりに期待が寄せられています。JTB訪日旅行重点15カ国調査2019イベント...
まとめ:渋谷の3つの新名所であらゆる層のインバウンド満足度向上へ
2019年後半に入り渋谷に新たな3つの商業施設がオープンし、さらに賑わっていくことが予想されます。
渋谷パルコは若年層やデジタル世代向けのポップカルチャーコンテンツを、東急プラザ渋谷は富裕層やシニア層向けの本物の和食体験を、渋谷スクランブルスクエアはショッピングとナイトタイムエコノミー需要に応えるフロア構成や展望施設を用意し、インバウンド誘客を図っています。
あらゆる層の訪日観光客を魅了する街として、渋谷の注目は今後さらに拡大していくでしょう。
<参照>
・日経XTREND:新生「渋谷パルコ」分析 目指すは唯一無二の次世代型商業施設
・日経XTREND:東急プラザ渋谷が開業 大人狙いの店舗がずらり、和食も充実
・日経XTREND:「日本一の縦積みビルを作れ」渋谷スクランブルスクエアの舞台裏
・instagram:「#shibuyascramblesquare」検索結果
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※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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