山形県のインバウンド事例を紹介!インバウンドの現状と訪日外国人に人気のエリアも解説

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自然あふれる環境やスキー、温泉など観光資源が豊富な山形県は、訪日外国人の旅先としても人気のある都道府県です。

山形県ではどのようなインバウンド対策に取り組んでいるのでしょうか。

この記事では、山形県内で訪日外国人から人気のエリア、山形県のインバウンド事情やインバウンド対策について解説します。


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訪日外国人は山形県のどこを訪れている?

山形県には、蔵王や磐梯(ばんだい)など多くの観光名所があり、温泉やスキーを目当てに山形県を訪れる訪日外国人も少なくありません。

しかし、数多くの名所を有する山形県において、特に外国人から人気のあるエリアはどこであるのでしょうか。

以下では、山形県内の訪日外国人から人気のエリアについて解説します。

村山地域:蔵王温泉郷のある山形観光メインエリア

村山地域は山形県の中央部に位置し、自然豊かな地域で磐梯朝日国立公園や蔵王国定公園などを有します。

蔵王、天童などの温泉郷が多く、城下町の旧跡、最上川の舟運文化など、歴史に関する名所も多くあります。

また、全国的に有名な春のさくらんぼ祭り、夏の花笠まつり、秋の芋煮会、冬の樹氷まつりなどシーズンを問わず人気のイベントが催されている地域でもあります。

2018年には13万7,928人の訪日外国人が村山地域を訪れています。

庄内地域:おいしい米・山の幸・海の幸に恵まれた「食の都」

庄内地域は山形県の北西部に位置し、日本海に面しながら肥沃な土地のおかげで日本有数の穀倉地帯でもあります。県内では「食の都」と呼ばれるほどの食材の宝庫です。

県内名産の米はもちろん、山と海に囲まれた庄内地域の市場では山の幸と海の幸がそろいます。

羽黒山や鳥海山でのトレッキングや加茂水族館が人気で、2018年には4万5,717人の訪日外国人が訪れている地域です。

最上地域:原生林が多く残る大自然が美しいエリア

最上地域は山形県の北東部に位置しており、松尾芭蕉の句で有名な最上川が貫流する地域です。

原生林が今なお多く残存しており、全国的にも有数の巨木の里として知られています。

また、義経や芭蕉ゆかりの地として史跡も豊富なことに加えて、最上川峡は絶景スポットとしても有名です。2018年には1万8,440人の訪日外国人が訪れています。

山形県のインバウンド事情

豊富な観光資源を活かして訪日外国人誘致に取り組んでいる山形県ですが、山形県のインバウンド事情はどのようになっているのでしょうか。

つづいて、山形県のインバウンドについての現状をまとめます。

山形県のインバウンド需要

山形県は、訪日外国人の訪問率、訪問数など全体的に現在は低い数となっています。しかしながら、1人あたり消費額も全国的に見ても比較上位に入っており、また訪日外国人の平均宿泊日数も全国平均以上を確保できています。

インバウンド現状の数字

山形県が2018年に受け入れた訪日外国人の延べ人数は25万2,289人です。

一見多いようにも思えますが、訪問率では全国第42位となっており、さらにインバウンド対策に力を入れていく必要がありそうです。

一方で、1回あたりの旅行消費金額では全国第10位となっており、集客に成功すれば大きな経済効果につながることは間違いないでしょう。

2018年に山形県を訪れた訪日外国人25万2,289人の内、半数以上を占める13万6,565人が台湾からの観光客で、山形県は特に台湾人から人気の旅行先であると言えます。

訪日外国人数は震災前と比べると大幅アップ

山形県は2011年3月に発生した東日本大震災で大きな被害を受けた都道府県の一つでもあります。震災直後は、山形県の観光業界も大きな打撃を受けました。

しかし、トップセールスをはじめとするプロモーションや国際チャーター便就航に注力した結果、着々と訪日外国人の誘致に成功し、2018年には震災直前の2010年と比較して262%の訪日外国人が山形県を訪れています。

特に訪日台湾人市場については未だに大きく成長を続けており、前年比で127%を記録しています。

対応状況

2019年時点における山形県内のJapan.Free Wi-Fi登録施設は1,857施設で、全国第30位です。

通信環境の整備が訪日外国人のニーズとして挙げられることが多いという点を考慮すると、さらに多くのフリーWi-Fi設置を目指して整備を進めるべきと言えるでしょう。

また、外国人観光案内所設置数についても16施設で、全国第30位となっています。施設内案内表示の英語対応率も50%から75%程度にとどまります。

以上のことから、山形県のインバウンド対応状況はまだまだ改善の余地があるといえるでしょう。

山形県のインバウンド事例

対応状況については課題が残されている山形県ですが、具体的にどのようなインバウンド対策に取り組んでいるのでしょうか。

実際の事例とともに山形県のインバウンド対策について解説します。

飯豊町の事例:「雪遊びと農家民宿」信頼関係で体験型観光に成功

震災以前から、雪遊びアクティビティが楽しめる地として台湾人向けツアーで人気を博していた飯豊町では、コト消費の可能性にいちはやく目を付け、雪遊びと農家民宿をセットにした体験型観光プランを企画しました。

その結果、農家民宿という新たな宿泊形態が話題となり、冬以外のシーズンにも農家民宿プランとして集客できるようになりました。

インバウンドの増加に伴い、町が補助金を出してiPadやWi-Fi環境を全民宿に整備するなど、町が一丸となって対策に取り組んでいます。

農家民宿は、観光協会と旅行会社、農家の信頼関係があったからこそ実現したプランであると言え、小さな街ならではの密なコミュニケーションというアドバンテージを活かしたインバウンド対策です。

村山市の事例:外国人向けの居合道体験プログラム

村山市では、居合道の始祖である林崎甚助重信公が祀られている居合神社を活かした居合道体験プログラムを企画しました。

スポーツ庁の調査によれば、訪日外国人が日本で観たいスポーツの1位は武道となっており、居合道体験プログラムはしっかりニーズをおさえた集客対策であると言えるでしょう。

個人旅行、団体旅行に対応する4つのプランを用意されているため、旅行者はそれぞれの旅行スタイルに応じて楽しむことができます。

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県での取組:フリーWi-Fiサービスの拡充、観光案内サイトとの連携も

フリーWi-Fiサービス拡充が課題とされている山形県では、2016年にスマホ向けアプリ「Free Wi-Fi YAMAGATA」をリリースしました。

蔵王温泉エリアなど、訪日外国人が多く訪れるエリアを重点的に網羅して利用できるよう整備を進めており、対応エリアでは誰でも無料でWi-Fiを利用できます

さらに「Free Wi-Fi YAMAGATA」は、観光案内サイト「TRIP YAMAGATA JAPAN」と連動しており、スマホの位置情報を利用して現在地周辺の観光情報やクーポンの配信をしています。

温泉や自然、伝統文化が豊かな山形県は体験型観光でインバウンド誘致

山形県では、温泉や自然、伝統文化などの観光資源を活かしたツーリズムに取り組んでいます。

特に体験型観光には力を入れており、農家民宿やサムライ文化によるインバウンド誘致は功を奏しています。

フリーWi-Fiの整備や観光案内所の設置を進め、外国人受け入れ体制を整えることができれば、さらに多くの外国人誘致に成功することでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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