外国人が驚く日本の日常/アメリカ人「感謝を受け取られない」「無防備すぎ」背景に性格や社会の差

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日本の日常は、外国人にとっては大きな驚きをもって受け止められることも少なくありません。

インバウンド市場で、人数ベースで第5位の市場を形成するアメリカ市場にはフレンドリーで自己主張がはっきりした性格の人が多い傾向があります。

考え方や思いをダイレクトに伝えることが多いアメリカ人の目には、日本人の性格や慣習はどのように映っているのでしょうか。

今回は、アメリカ人の驚く日本の日常と、アメリカ人の性格の傾向、訪日アメリカ人の特徴について紹介します。

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アメリカ人が驚く日本の習慣

歴史や文化が異なることは一目瞭然ですが、現代の私生活においてもアメリカ人と日本人にはギャップがあります。それは歴史や性格的な理由による違いではないため、初めて日本に訪れるアメリカ人に衝撃を与えることがあります。

チップを払う文化がない

日本の飲食店や宿泊施設では、チップを払う習慣がありません。ある女性が初めて日本で食事をした時、食後にチップを払おうとしたところ店員に困った顔でチップを断られ、驚いたそうです。

アメリカでは気持ちを表すためにチップを渡す習慣があるため、お礼としてのチップが受け取られないことに違和感を感じるのでしょう。

日本は安全だけど無防備すぎ?

日本は治安がよく、夜遅くまで街で遊んだり、電車に乗ったりできることが魅力ですが、「あまりにも無防備ではないか」とも思われているようです。

アメリカでは、女性が夜遅くに一人で帰るのはとても危険なことです。日本人女性が夜中に音楽を聴きながら歩いて帰宅する姿に衝撃を受けたという声もありました。

盗難のリスクと常に隣り合わせであるアメリカ人にとっては、荷物を置いて席を取る行為や、電車の中での居眠りにも驚かされるそうです。

重病じゃないのにマスク?

病を患っていなくても気軽にマスクを付けて外出する日本人の姿は、アメリカ人の目には奇妙に映ります。

海外では医療機関などの専門職を除き、日常生活でマスクをつける習慣がないため、日本の風邪予防の習慣を知らない人は「日本の空気が汚染されているのではないか」「重度の感染症が流行しているのではないか」と誤解し、警戒してしまうこともあるようです。

アメリカ人の性格と特徴

アメリカは15世紀の大航海時代にクリストファー・コロンブスが発見し、それ以来多くのヨーロッパ人が移住した、人口3億人以上の多民族国家です。

独立宣言に至った背景から「自由」「平等」を大切にしており、フラットな人間関係や強い愛国心が特徴です。

自分の意見をはっきりと主張する

アメリカ人は「個性」を重視します。自他それぞれの個性を尊重しており、自己主張が強く、夢をしっかり語るのが特徴です。

自己主張が強すぎると「協調性がない」「わがまま」といったネガティブな印象につながりがちな日本とは対照的だといえます。

アメリカ人に見られる外交的な性格やダイレクトな言動は、調和や婉曲的な表現を好む日本人には違和感があるかもしれません。裏返せば、日本人がよく使う遠回しな表現や謙遜的な態度は、アメリカ人には伝わりにくいということでもあります。

フレンドリーな人が多い

多くのアメリカ人は、初対面の人ともフレンドリーにコミュニケーションを交わします。

例えば、知らない女性に対してもごく自然にレディファーストな振る舞いをしたり、カフェの待ち時間やエレベーターの中で新しい友だちをつくってしまったりと、とても社交的です。

友だち同士では挨拶としてキスやハグなどのスキンシップを取る習慣があり、お互いの身体に触れることに関しても日本人より寛容です。

上下関係があまりない

1776年の独立宣言によって個人を尊重する立憲主義を発展させてきたアメリカでは、「自由」「平等」をとても大切にしています。年功序列による上下関係はあまりなく、フラットなコミュニケーションや関係を築くのが特徴です。

日本語には、自分がへりくだることで相手を立てる「謙譲語」が欠かせませんが、英語にはそれに該当する表現がありません。

「(私は)〜していいですか?」の「Can I 〜」を「May I 〜」に言い換えるといった丁寧な言い回しはあるものの、日本語でいうところの「お」や「ご」などの接辞や、「られる」のような補助動詞にあたる細かな敬語表現はありません。

国への帰属意識が強い

アメリカ人は愛国心があり、国に対する強い帰属意識があります。

具体的には、学校の朝礼の時間に教室の国旗に向かって「忠誠の誓い(Pledge of Allegiance)」を唱えたり、学校行事で頻繁に国歌斉唱をしたりと、幼少期から愛国心を育む教育がなされています。

愛国心が強い一方で文化や歴史が異なる国への興味関心も高く、長い歴史を持つ日本も例外ではありません。

訪日アメリカ人の特徴とは?日本の楽しみ方

2011年は震災の影響で訪日アメリカ人の数が落ち込みましたが、現在は回復し、増加傾向にあります。初夏や秋の過ごしやすい期間に訪れ、日本の文化体験を楽しんでいます。

訪日アメリカ人のデータ

2014年には891,668人だった訪日アメリカ人ですが、2018年には約1.7倍となる1,526,407人を記録しました。

2018年の統計では訪日アメリカ人の66%以上が7日間以上日本に滞在しており、インバウンド消費額は2014年と比較して2倍の2,924億円まで伸びています。

月別の訪日客数を比較すると、最も多いのが6月、少ないのが2月です。アメリカの学校は6月中旬から夏季休暇に入るため、家族旅行での来日需要も高まります。

データでわかる訪日アメリカ人観光客

ニューヨーク人口密度は1,800人/km2(日本でいうと東京の1/3くらい。埼玉と同じくらいの人口密度)。国全体の人口密度は33.7人/km2(日本でいうと東京の1/200くらい。北海道の1/2くらいの人口密度)

約半数がリピーター

観光庁の2018年の調査で、訪日アメリカ人旅行客のうち約47%がリピーターであることがわかりました。

訪日アメリカ人全体のうち 64.8%は男性で、20代、30代がそれぞれ15~16%と、他の年代より大きい割合を占めています。一方女性は35.2%で、最も多い世代は12%を占めている20代です。

全体的には他の国と比較して年齢による偏りが少なく、幅広い世代が訪日旅行に来ているようです。

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アメリカ人の日本滞在時の特徴

海外旅行に出かけるアメリカ人は自国にないものを求めており、歴史や文化体験を好みます。

宿泊は旅館よりも民泊やビジネスホテルを利用し、多くの時間を外で過ごしています。

タトゥーを入れている人が多く、温泉の利用を避ける傾向も見られます。しかし近ごろではシールで隠せる程度の大きさであれば入浴できる温泉も増えており、観光地や施設が訪日客の文化やスタイルに寛容になってきています。

旅行代理店のツアーではなく、インターネット上の情報をもとに個人手配で旅行をする人も多く、口コミサイトやSNSの情報が重視されています。

アメリカ人の特徴を理解して、訪日アメリカ人の呼び込みに役立てよう

アメリカ人は日本の歴史や文化への興味が強く、日本旅行には「アメリカではできない文化体験」に期待をしています。

自由・平等・個性を重んじる性格や慣習の違いを理解し、誤解を与えない表現でサービスの提供を心掛けると良いでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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