いよいよ東京オリンピックの開催が迫った今年は、日本政府にとっても、民間のインバウンド関連事業者にとっても大きな節目の年といえるでしょう。
そうした折に、新型コロナウイルス(COVID−19)が今年1月頃から突如として流行し、今も世界各国でその対応に追われています。例年、インバウンド関連事業者にとって新年最初の「書き入れ時」だった中国の春節は、去年までの盛り上がりを見せることはありませんでした。
インバウンド業界にとって「非常時」ともいえる今、インバウンド関連事業者はどのようにこの非常時と向き合えばよいのでしょうか。
新型コロナウイルスの流行でインバウンド業界が打撃を受けている今こそ、本質に立ち返る必要性があります。
今回は、各々が考えるべき「非常時」との向き合い方についてお話したいと思います。
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新型コロナウイルスが流行している中、インバウンド市場と密接な繋がりを持つ大手企業の担当者は今なにを考え、どのように向き合っているのでしょうか。今回は、日本のインバウンド業界において大きな影響力を持つ中国市場にフォーカスを当て、解説したいと思います。
大手ドラッグストア店のマーケティング担当者は、訪日中国人の客足が遠のいていることに対しては冷静に受け止めていました。
現状を把握した上で、今のタイミングで中国人に対して来店を促進させるような施策は効果が薄いと考え、「訪日中国人」だけでなく「在日中国人」へ目を向けた施策を考えています。また、事態が終息したあとを見越した受け入れ対策の整備やブランド認知に注力しています。
中国に限らず、欧米豪を含めた各国が渡航制限を敢行していますが、春節に旅行に行けなかった中国人は特に「行きたくてもいけない」状態が続いています。
この時中国人は、「事態が終息したらどこへ行こう」と情報収集をする心理が働くのではないでしょうか。そうした動きに合わせた、旅マエの情報発信が有効といえるでしょう。
また、弊社と取引のある大手小売店では、予定していたKOLのプロモーション施策を本来2月中に行う予定でしたが、時期を再検討する動きをとっています。
KOLのようなインフルエンサーを用いた施策は、訪日中国人の集客に主眼を置いた施策であるともいえます。そのため、先述したドラッグストアの例と同じく、中国人の渡航が制限されている今のタイミングでの実行は避けた格好といえます。
また、起用するインフルエンサーも「日本在住のKOL」に切り替える動きをとっています。これは、今海外渡航が制限されている中国で、中国現地のKOLをアサインすることはできないためです。
日本在住のKOLが日本の魅力を発信することは、「落ち着いたら日本へ行きたい」という気持ちを後押しするだけでなく、日本在住の目線から情報発信することで、「日本は安全」というメッセージを発信する効果も期待できます。日本在住のKOLを起用することはやむをえない事情もありますが、こうした効果が期待できることも認識しておくべきでしょう。
業界全体が苦しい局面。今持つべき長期的視点とは
新型コロナウイルスの流行だけでなく、昨年からの市場の動きを踏まえても、インバウンド業界は現在厳しい局面に立たされているといえます。2019年7月頃から、日本による韓国への輸出厳格化措置に反発するため、韓国で日本製品不買運動が起きています。いわゆる「ボイコット・ジャパン」といわれる動きです。
また、今年は記録的な暖冬が続いており、百貨店などの商業施設における国内の冬物の売れ行きも低調気味でした。さらに、一部のスキー場は結果として満足のいく営業ができず、ウインタースポーツ目的の訪日外国人の取り込みができませんでした。
インバウンドにおける消費では、昨年7月からの韓国市場を皮切りに、新型コロナウイルスによって中国市場、欧米豪市場までが縮小しています。こうした市場の激動に直面し、年度の予算の再編を迫られているマーケティング担当者もいるかもしれません。
こうした状況を受けて、インバウンド対策予算を減らすという判断は得策ではないと考えています。インバウンド対策予算自体は減らさず、ターゲット市場の再設定と適切な予算配分を再検討すべきでしょう。
いまだ終息の目処は経っていないとはいえ、新型コロナウイルスの流行は、インバウンド業界全体の展望とは切り分けて考えるべきです。
なぜなら、長期的な視点で考えれば、今後国内の人口が減少していく日本経済にとって、インバウンド需要の取り込みは重要な課題であることにはかわらないためです。
そうであるならば、インバウンド対策への予算を減らし、国内の施策に回したところで、レッドオーシャンに予算をつぎ込んでしまうようなものです。
この続きから読める内容
- 韓国が「ボイコット・ジャパン」しきれない4つの事情:浸透する日本製品、あらがえない日本旅行の魅力
- 「正しく理解」し、「正しく恐れる」こと
- 【新型コロナ】デマに振り回される人そうでない人の違い:過剰反応や過剰萎縮はデメリットだらけ
- 認知拡大の一手では限界も。本当のファンをつくる必要性
- 「双方向型のコミュニケーション」の充実が本当のファンづくりにつながる
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