タイ・バンコクのロックダウン半月経過は「意外と日常」 インバウンドのタイ市場回復に期待できる理由

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タイ・バンコクでは先月26日に非常事態宣言の発令から2週間以上たちました。

また、4月2日からは22時~翌朝4時までの外出が禁止、違反すれば罰金か禁固刑(もしくはその両方)、公園の封鎖、そしてさらに4月10日からはアルコール類の販売も禁止となり、日に日に厳しい体制がとられています。

しかし、昼間には、ソーシャルディスタンスを守りながら日常生活を送る人の姿も見られます。

日本の新型コロナウイルス対策へのタイからの評価と、非常事態宣言後のタイ・バンコクの様子を紹介します。

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日本同様、息抜きを奪われるタイ

タイ・バンコクでは日本同様、県をまたいだ移動を警戒しています。

県ごとの自治があるタイでは、バンコクと接していなくても行き来を禁じている県も複数あり、プーケット県などには今は行けません。

市内の映画館やスポーツ施設飲食店、飲食店の店内での喫食が禁止され、休日郊外に海辺のレジャーに行くこともままならず、依然窮屈な生活をしているのが現状です。

そのため県境封鎖前に帰省したひとも多くいるようで、バンコク市内は比較的閑散としているように見えます。

タイメディアは、日本の新型コロナウイルス対策を好意的に報じている

▲BTS(バンコク市内の電車)は新型コロナウイルスへの警告動画を流している
▲BTS(バンコク市内の電車)は新型コロナウイルスへの警告動画を流している

タイ国内で欧米や日本人の読者も多い英字新聞「Bangkok Post」Web版では、新型コロナウイルスの各国の政策とタイの政策を比較分析し、日本の対応を好意的に報じました。

タイ保健省のまとめたデータ"Cumulative number of infections in selected countries after reaching 100 cases"(いくつかの国の100症例に達した後の累積感染数)を参照し、台湾、香港、シンガポール、そして日本を「新型コロナウイルスを制御できた国(と地域)」として賞賛しています。

このニュースを通じて、日本は見習うべき国という認識を持ったタイ人や欧米人も多いのではないでしょうか。また、日本政府の新型コロナウイルスの対応を少々やきもきしながら見守る在タイの日本人にとっても、久しぶりに自国愛の念が高まるニュースだったと解釈しています。

データ上はっきりとした成果も見られるので、日本政府の対応を好意的に見ているタイ人も多いのではないでしょうか。

筆者の身の回りでは、3月26日頃非常事態宣言が出された直後のバンコクでは「Webサイトにお花見に浮かれている日本人の様子が映し出されていてすごくがっかりした。日本人どうなっているの?」(タイ人女性・会社員)と、批判的な声も多く飛び交っていました。

そんな状況に加えて、バンコク市内の日系スーパーで日本人が買い占めをしているのを度々目撃するなど、今にして思えば胸が潰れそうな日常を送っており、余計に上記の報道は明るい話として映りました。

現地在住者の口コミが、日常や旅行者の消費を左右する

現在のような世界的規模での緊急事態下においては、筆者のような海外生活者及び在タイ2世や3世にとっては、「自分が今暮らしている国の施策やローカルな生活」よりも「自分のルーツである国が今どういう政策をしてどういう指針を立てているか?」ということの方に興味関心が高まります。

日本人コミュニティでもタイ人コミュニティでも、SNSや口コミなどで情報が集約され、日常や旅行時の消費行動を左右するという構造があります。裏を返せば、今日本にいるタイ人の動向は、今後のインバウンド消費を占う水先案内人のような役目を果たしているともいえるでしょう。

イレギュラーな状況において、どんな情報に関心が高まっているのか、その関心が高まるタイミングはいつなのかを理解することは、今後のインバウンド戦略にも役立つはずです。

元気に切り盛り、タイの華僑経済圏

▲ヤワラート(バンコク最大の中華街)では仏陀の生誕を祝う花祭りの華やいだ雰囲気。人々の行動に自粛ムードはあるものの、商店街の祝祭の飾りつけはしっかり行われている。
▲ヤワラート(バンコク最大の中華街)では仏陀の生誕を祝う花祭りの華やいだ雰囲気。人々の行動に自粛ムードはあるものの、商店街の祝祭の飾りつけはしっかり行われている。


さて、タイのインバウンドはどうなってゆくのでしょうか?以前ならどこの観光地に行っても、日本人以上に中国人のマダムが連れ立って遊んでいる様子がたくさん見られました。筆者にとってもなじみ深い存在の彼女たち、タイが海外からの渡航を解禁するのを心待ちにしているのではないでしょうか。

在タイの中国人といえばタイ経済を大きく支えている「華僑」の存在を忘れてはなりません。彼らは今どのような日常生活を送っているのでしょうか?

バンコク最大の中華街・ヤワラートは、2020年にMRT(タイの地下鉄)ブルーライン新駅のワット・マンコン駅が開設されとても遊びやすくなったエリアです。

タイトな旅程の日本人観光客も必ず立ち寄るグルメスポットとなりました。現在の非常事態宣言下でも、少々驚くほどの人出があり、タクシーやバスがひっきりなしに走っています。

食料品の販売、露天ににぎわい

食材の調達は一応「不要不急」ではありません。ヤワラート内の大規模なショッピングモールは営業禁止が出ているので閉まっていますが、露店は営業中です。

自粛ムードはどこへやら、高級品の干しアワビの戻したものや、フカヒレ、カンジャンケジャン(生ワタリガニの醤油漬け)、ナンドクマン産のドリアン、あらゆる美食がいつも通り店頭に並んでいます。

ソーシャルディスタンスを守る姿も

くしくも取材に訪れた日は、お釈迦様の誕生日である「花まつり」翌日。露天が並ぶ商店街には、タイ王国の国旗と花祭りを祝う縁起の良い紫の旗を交互につないだものがヒラヒラとはためいており、とても「非常事態下」だとは思われないような明るい雰囲気です。

唯一いつもと違うのは、マスクをしている人が街中にあふれ、ソーシャルディスタンスを遵守していることぐらいです。

▲カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)など、贅沢な食材も売られている
▲カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)など、贅沢な食材も売られている

「金行」のにぎわい

また、特筆すべきは金行(貴金属を扱う宝石商)が忙しそうに稼働していたことがあげられます。「厳しい局面では金(きん)を買う」という中華系のひとならではの消費行動を初めて目のあたりにし、筆者は二重三重のカルチャーショックがありました。

店頭には大きく金のレートが書かれており、中にはたくさんの商品を一気にまとめ買いするOL風の若い女性の姿もありました。

金行以外では銀行も通常稼働しており、窓口の女性もマスクをしてとても丁寧に接客してくださいました。中国・武漢のロックダウンが解除され、中国人にとって新型コロナウイルスは「処し方を心得た」存在であるかのように、こなれた日常を送っているようにみえます。

バンコクでの非常事態宣言の解禁が予定されている今月末には、「どこか海外でも遊びに行こう。日本?台湾?香港?」という計画が中華街で生活する人々の間で聞かれるのかもしれません。それほどに今のバンコクは華僑のひとたちを中心にエネルギッシュに活動を続けています。

インバウンド・タイ市場の回復は思ったより早い?

▲バスも乗客のソーシャルディスタンスを遵守しながら、通常通り運行されている
▲バスも乗客のソーシャルディスタンスを遵守しながら、通常通り運行されている

都市封鎖は、特に家族やパートナーと暮らしを共にする人にとっては時々息の詰まるものです。冒頭お伝えしたようにバンコクは依然公園すら行けない状態が続いています。

子育て世代は子供と連れ立って遊びに行くところが全くないので、困っているという実情は日本と変わりありませんね。

バンコクの場合、渡航できる県もあるので、在タイ歴が長い日本人を中心に週末バイクや車を乗りこなしてお出かけしている動きも見られます。人ごみに行かなければOKというルールは守りながら、特に観光地ではない場所へと、あてどないぶらり旅に出かけているようです。

個人的な日常生活を「サバイバルモード」として可能な範囲で少人数で楽しむ、という遊びは確かに楽しそうです。昆虫採集やエコツーリズム、キャンプなど、自然の中で夢中になれる遊びは健康に良さそうでもあります。出かけるのはいつになるかわかりませんが、筆者もタイの亜熱帯性気候という地の利を生かして、年中採取出来るカブトムシを探しにバンコクの外に出かける計画を立ててみたいと思っています。

何かワンテーマを決めた「冒険心をくすぐるファミリー向けのお出かけ」そのパッケージ次第では、インバウンドの大きなトレンドヒットを生み出すのかもしれません。

バンコクは、ロックダウンから半月経過し、もう「非日常が通常」という言葉がしっくりくるような状態となっています。

極限状態はとうに過ぎ去り、適度な緊張感の中、先の楽しみを家族と話しながら今置かれている現状を静かに受け止めている人も多いのではないでしょうか。

バンコクっ子にとって、4月の最大の楽しみといえばなんといっても「ソンクラン(水かけ祭り)」です。毎年、街中の市民が水でびしょぬれになる派手なお祭りが繰り広げられています。

しかし、今年は新型コロナウイルスの影響で「6月に延期」と政府からの発表がありました。祝日の日程も繰り越しになるので、目下ソンクラン休みを心の支えにしている人も少なくないはずです。

通常ソンクランの期間は休業する企業も多いことから、海外旅行の需要も増えます。上述のとおり、現地報道が日本のコロナ対策を好意的に報道していることもあって、海外旅行が解禁となった折には日本を候補地として選んでくれることも大いに期待できるでしょう。

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<参照>

Bankok Post:Thailand must choose: Italy or Japan, warns expert

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この記事の筆者

平澤晴花

平澤晴花

バンコク在住フリー記者。80年新潟生まれ大学生時代は京都。高校時代にカリフォルニア州に留学経験あり。業界新聞、広告、福祉教育系オウンドメディアなどを経験。市場と料理が好きです。

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