「旅行業務取扱管理者」の資格は旅行業界の就職に有利?資格や試験の概要を紹介

「旅行業務取扱管理者」とは、国家資格であり国内外向けの旅行商品を総合的にプロデュースする人を指します。取得すれば組織から高く評価されることも珍しくありません。また専門知識を身につけておくことは、就職だけでなく転職にも有利となると考えられます。

日本政府は2003年に「観光立国推進宣言」を発表し、以来、日本旅行のPRに国を挙げて取り組んでいます。

インバウンドを含む旅行業界は、今後も国の主要産業となっていくと考えられます。旅行業界でも様々な業務がありますが、資格取得によってキャリアアップを図れます。

この記事では旅行業界を目指す際に把握すべき、旅行業務取扱管理者試験の難易度や、問題の内容、対策方法について詳しく紹介します。

旅行業務取扱管理者とは

ここでは旅行業務取扱管理者が行う職務について、そして旅行業界唯一の国家資格である旅行業務取扱管理者の試験について紹介します。

旅行業務取扱管理者はどんな仕事をする人?

旅行業務取扱管理者とは、旅行会社に行くと目にする、広告やパンフレットなどに書かれた企画の立案、契約時の業務まで、旅行者の旅を総合的にプロデュースする人を指します。

ニーズに合う旅行の企画立案から管理にかかわる工程で、様々な役割を担う重要な職務です。

旅行業務取扱管理者は、取り扱う旅行の行先によって3種類の試験があります。

海外旅行を管理するために必要な「総合旅行業務取扱管理者」、国内旅行を管理するために必要な「国内旅行業務取扱管理者」、また営業所が位置する市町村と隣接する市町村の中で完結するツアーの管理を行う「地域限定旅行業務取扱管理者」があります。

「旅行業務取扱管理者」の資格は旅行業界の就職に必須?

旅行を商品として扱う旅行業者は旅行業法に基づき、営業所ごとに旅行業のプロである「旅行業務取扱管理者」を必ず1人置かなければなりません。

営業所の責任者になるためには、旅行業務取扱管理者は必須の資格です。

旅行業界で働くだけなら資格は不要ですが、無資格の社員が行った仕事の管理などを旅行業務取扱管理者が行う必要もあるため、資格取得を奨励する旅行会社も少なくありません。

旅行会社に就職や転職をするうえで有利に働く資格といえるでしょう。

旅行業務取扱管理者の試験と合格率

国内旅行業務取扱管理者と総合旅行業務取扱管理者の試験は、いずれも年に1度、国内9地域で実施されています。

国内旅行業務取扱管理者の試験は費用が5,800円で、9月上旬~中旬の日曜日に実施され、30~40%程度の合格率です。

総合旅行業務取扱管理者の試験は費用が6,500円で、10月上旬~中旬に実施され、10~20%程度の合格率です。

また、旅行業以外からの未経験者が合格者の半数を占めています。

試験は全問マークシート方式で選択肢があり、各科目で60%以上得点することが合格ラインとなっています。

他の国家資格と比較すると高い合格率ですので、しっかりと対策をすれば合格を狙える国家資格です。

旅行業務取扱管理者の資格があるとどんな仕事ができる?

旅行業務取扱管理者の資格を保有することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

仕事上だけでなく、プライベートを充実させる知識が手に入ります。

旅の総合プロデュースを通じて様々なノウハウが身につく

旅行業務取扱管理者の資格があれば、修学旅行や社員旅行といった団体旅行の企画・宿泊先・乗り物の手配、契約・管理にまつわる手続きを行ったり、旅行商品の広告宣伝に携わることになります。

団体旅行の場合は、実践を通じて参加者の意見を取り入れながら旅程を組むノウハウが身につくと考えられます。

また旅行に関する規約についての知識が深まるだけでなく、ツアーに取り入れるべき観光スポットや、交通機関の利用で気を付けるべきポイント、スケジュール管理など、顧客目線を理解する機会にもなります。

旅行商品の広告宣伝を行う場合は、旅行の日程やサービス内容など、旅行条件が規約に基づいたものかどうかをチェックします。広告出稿から掲載までの一通りの流れを経験することになり、旅行だけでなく広告に関係する知識も身につくでしょう。

また旅行中のトラブルや旅行者からの苦情対応も業務のひとつです。団体旅行の企画と同じく、顧客の目線を学ぶことができるだけでなく、トラブル解決のための方策について習得できると考えられます。

旅行会社を独立開業できる

旅行業法では1人以上が資格保持していることで旅行会社を運営できるため、旅行業務取扱管理者の資格があれば独立開業も可能です。

独立することにより、自分で業務スケジュールを立てて仕事ができます。

また、会社の方針に従うという制限がないことで、ツアーの企画も自由にできます。責任と同時にやりがいを感じることも魅力のひとつです。

さらに、身に付けた知識はプライベートの旅行でも役立ちます。たとえば、友人との旅行や家族旅行のプランをプロの目線からアドバイスすることができるでしょう。

友人や家族との旅行にも知識を活かして旅行プランを作れるためプライベートも充実します。

就職採用にも優位に働く可能性が高い

資格を取得することで実務知識を身につけた証になり、履歴書に堂々と書ける国家資格は企業からも評価される傾向にあります。

企業によっては資格手当を支給するところも多いため、昇給・昇進に役立つことが期待できます。

また、資格の勉強によって身につけた正しい知識で接客することができたり、トラブルにも対応できるようになり、仕事における自信につながります。

ただし、資格を持っているから必ずしも希望の旅行会社に就職できる、というわけではなく、あくまでも有利になりうるということです。

旅行業務取扱管理者の資格取得のための準備

試験の内容や準備期間などを知っておくと、資格取得までのイメージがわきます。続いて、試験内容や勉強法について簡単に説明します。

どれくらい前から始めるべき?

試験合格に必要な勉強時間は、一般的に国内旅行業務取扱管理者の取得で150時間程度、総合旅行業務取扱管理者の取得で250時間程度といわれています。

この学習時間をこなす期間は個人差がありますが、6か月程度が必要といわれています。

中には市販のテキストと参考書だけで3か月間独学で学習して合格する人もいますが、合格するための必要な勉強時間は個人差があり、あくまでも目安として考えてください。

現在学生なのか社会人として働いているのかによって確保できる時間は違うはずです。そのため、試験日までの日数を逆算して、どれくらいの勉強時間を確保できるのかを考え、計画的に勉強を進めていきましょう。

何を勉強したらいい?

旅行業務取扱管理者の国内試験は3科目、総合試験は4科目の試験があります。

  • 旅行業法及びこれに基づく命令…旅行業法についての知識を問われます。
  • 行業約款、運送約款及び宿泊約款…お客様とかわす契約書類やキャンセル時の知識などを問われます。
  • 国内旅行実務…バスなどの運送機関に関する規則や、国内の観光地に関する知識が問われます。
  • 海外実務(総合旅行業務管理者のみ)…国際航空運賃や出入国に関する法律、海外の観光地に関する知識が問われます。

独学での学習は経済的ですが、多くの専門的な科目を勉強しなければならないため何から始めたら良いのか、またどのように進めればいいのか戸惑ってしまうかもしれません。

不安な方は、旅行業務取扱管理者の資格取得に特化している通信講座などを利用されるといいでしょう。

旅行業界で仕事をするなら必ず役に立つ資格

旅行業務取扱管理者の試験は、全国各地の試験会場で実施されており、旅行業界唯一の国家資格です。

国内外を問わず旅行商材を取り扱う総合旅行業務管理者に比べ、国内旅行のみを取り扱う国内旅行業務取扱管理者の方が難易度は低く、未経験の合格者が半数を占めるほどです。

営業所の責任者になるためには必須の資格であるため、取得することで就職・転職に有利に働く可能性があり、昇給・昇進も期待できます。

旅行業界への就職を考えている場合には、メリットが多い旅行業務取扱管理者の資格の取得を検討するとよいでしょう。

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!