毎年多くの人が行楽や旅行に出かけるゴールデンウィークですが、今年はウイルスの感染拡大を防ぐための「ステイホーム週間」として、旅行や帰省の自粛が呼びかけられています。
一方で日本のゴールデンウィークと同時期に長期連休がある中国は、感染拡大防止のための移動規制が緩和されてきたとあり、旅行の機運も高まっているようです。
中国に本社を構える世界最大級のオンライン旅行会社・Trip.comグループが発表するレポートでは、旅行商品の販売数の増加が伝えられています。
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メーデー連休の商品販売、4月の清明節と比べ約2倍に
中国に本社を構える世界最大級のオンライン旅行会社・Trip.comグループは「2020年中国メーデー観光トレンドレポート」を発表し、中国のゴールデンウィークでもあるメーデー連休(5月1日〜5日)での旅行商品の販売は大幅に増加したことを明らかにしました。
4月に中国アウトバウンドツーリズム研究所(COTRI)が発表した清明節休暇(4月4日〜6日)の旅行商品購入人数は約4,300万人でしたが、それと比較して今回のメーデー連休は約2倍になる見通しです。
行き先は、世界における感染状況を受けて、国内旅行が特に増加となりました。
「少人数」「短期間」「レンタカー利用」「若者」がメイン
中国国内の感染が収束したと言えども、まだ長距離の移動を控えたい人が多いからか、今回の旅行者の関心は州をまたぐ旅行や海外旅行よりも、地域密着型の観光へとシフトしています。
Trip.comグループの旅行予約プラットフォームでは、少人数(3〜6人)、短期間(3~4日間)、レンタカーとツアーガイドを使ったローカルグループツアーの予約数が急増したそうです。
これも多くの人が、大人数で大型バスでといういわゆる3密の状態を避けたいという心理が働いたとも考えられます。
今回のメーデー期間中の旅行者は10代から20代が総予約数の約57%を占めており、市場の過半数以上が若年層です。オンラインでのライブ配信や事前販売割引など、若者向けのキャンペーンが若者集客の成功につながったとみられています。
中国旅行市場が回復の兆し、年内にも訪日中国人の期待
今回のメーデー連休に関するTrip.comレポートでは、中国国内旅行需要が変わらず大きくあること、またその旅行形態は新型コロナウイルスの感染防止を意識した形態が人気となっていること、若年層が多数派となりつつあることがうかがえました。
一時は世界的にも感染状況が深刻だった中国ですが、旅行に対する意欲は今後も旺盛であることが期待できます。
中国では10月に大型連休の国慶節を迎えます。また、夏は訪日中国人が年間で最も多くなるタイミングでもあります。中国人旅行者の心理変化を予想、把握しながら、各業界はその消費意欲をどのように取り込んでいけるのかについて戦略を練っていくべきでしょう。
<参照>
・Trip.comニュースルーム:トリップドットコムグループ、「中国のメーデー連休に旅行市場復興の兆し」とレポート ~「スマート観光」の新しい取り組みが広がる
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