緊急企画『ポストコロナのインバウンド戦略』では、コロナ禍において、業界の「中の人」に聞くサバイバル術として最前線に立つ方々に特別寄稿いただきます。今回は通訳サービスの「スマイルコール」を提供する株式会社インデンコンサルティング 代表取締役の斎藤正寛氏に寄稿いただきました。
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最高潮から急降下
2020年。本当であればオリンピックが開催される一年でした。年々急成長してきたインバウンド産業に、日本国民も疑いもなく謳歌しました。
2012年から弊社でも「スマイルコール(通訳サービス)」を運営してきましたが、2020年は一つの目標として掲げて来ましたし、日本中が期待するオリンピック、急成長中のインバウンド産業の渦の中にいることは大変充実していました。そんな矢先に2019年武漢市で発生したコロナウイルスは、全てを崩壊するものでした。
インバウンド産業は自動車産業を超える
「インバウンド産業は自動車産業を超える産業になる」という想いを持って仕事をしています。政府目標の訪日外国人の旅行消費額は2020年で8兆円、2030年で15兆円で、自動車産業の輸出額は約15兆円(2017年)です。
日本人の誇りでもある自動車産業を上回るポテンシャルをインバウンド産業は持ち、同時に伸びしろが広い産業であることも大変魅力的でした。
今回のコロナウイルスは産業全体にとって大打撃です。しかし、この事象がインバウンド産業の可能性を奪うことにはなって欲しくないと切に願っています。
今、何ができるのか
これは自戒も込めてですが会社存続する(生き延びる)ことだと思います。
コロナウイルスの影響は国家間での移動が制限されました。この状況では創意工夫のやりようがありません。そして今後は国内移動自粛が緩和され、その後に国家間の移動緩和の流れになると思いますので、インバウンド産業に今までのように観光客が流れてくるのは、まだまだ先の話になると覚悟をする必要があります。
いまはインバウンド需要だけでなく、国内需要に向けて事業内容を変化することも当然の選択です。とはいえ、インバウンド産業は必ず戻る事は常に持ち付けてビジネスをしています。
そんな中で私たちが取り組み始めたのはオンライン語学学習です。
急速なインバウンドバブルによって、言葉がわからなくても商売ができる時代が続きました。とはいえ、本来であれば観光事業でお客様にサービス提供する以上、言葉は勉強しておくに越したことがないツールの一つです。
特に日本人は中国語が全くわかりません。コロナ終息後も中国語圏(中国、台湾)のお客様が中心であることに変わりはなく、今こそ腰を据えて勉強するチャンスだと思ってます。
私たちはこちらにビジネスモデルを切り替え、年初から中国語のオンライン語学学習を始めています。英語と違って、皆が初心者なのでコンプレックスも無く初心者同士で楽しんで授業ができています(余談ですが、弊社社員も、この機会に皆で語学学習を始めました)。
最後に
このたびの新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々、ご遺族の皆さまに謹んで哀悼の意を表します。また、罹患されている方々、困難な状況におられる方々が一日も早く回復されますよう心よりお祈り申し上げます。
併せて弊社、従業員とその家族、お客さま、お取引先の皆さま、そして事業所近隣の皆さまの安全確保と感染拡大の防止を最優先に考えて対応してまいります。
コロナウイルスの長期化に伴い、私たちは強制的に変化を強いられました。また観光産業は世の中が平和であり、初めて成り立つ産業で有ることを認知しました。
それでも言えることは、コロナウイルスは必ず終息して、外国人観光客は戻ってくるということです。
今私どもができることは、インバウンド産業に対してネガティブな発信をするので無く、この時期だからこそ、インバウンド産業は日本の将来にとって有意義な産業であるということを発信し続けること、それこそが大切だと考えています。
著者:株式会社インデンコンサルティング 代表取締役 斎藤正寛
将来の子供たちのためになるビジネスをしたいという思い、さらに学生時代のバックパッカーの経験から、観光業へ参入。
インバウンド業界について思案する日々の中、プライベートでは、ロードバイク、ウイスキー、そして家族をこよなく大事にしている。
緊急企画『ポストコロナのインバウンド戦略』寄稿募集
訪日ラボでは、現在のコロナ禍をどうやって乗り越えていくべきなのか?ポストコロナをどのようにとらえ、今対策をしていくべきなのかなどを、インバウンド業界の「中の人」に寄稿いただく特別企画を実施しております。本企画において寄稿を募集しておりますので、ぜひご応募ください。
ご応募の際には、まずは問い合わせフォーム( https://honichi.com/contact/ )より、
- お名前
- 所属・役職
- 寄稿したい記事内容の草案(タイトルやどんな内容になりそうかが見えれば問題ございません)
をご連絡くださいませ。ご連絡の際には完成した原稿は必要ございませんので、まずはお気軽にご相談ください。
なお、ご応募頂いたすべての方の掲載を保証するものではございませんのでご了承ください。ご応募受付のさいには、お問い合わせの返信を持ってお知らせいたします。
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