4月の外国人宿泊者数97.4%減、全国籍90%以上減:コロナショックで【観光庁、宿泊旅行統計調査:2020年4月第1次速報】

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観光庁は5月29日、宿泊旅行統計調査の2020年4月第1次速報を発表しました。

発表された調査データによると、2020年4月の延べ宿泊者数1,079万人泊で、前年同月比76.8%減となりました。また、外国人延べ宿泊者数は前年同月比97.4%減と大幅に減少しました。

この記事では、4月の宿泊旅行統計調査データを参考に、訪日外国人宿泊者の動向や今後のインバウンド傾向について解説します。

《注目ポイント》

  1. 外国人延べ宿泊者数は前年同月比97.4%減
  2. 国別外国人延べ宿泊者数は、全国籍で90%以上の減少

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外国人延べ宿泊者数:前年同月比97.4%減に

2020年4月の延べ宿泊者数は1,079万人泊でした。うち外国人宿泊者数は26万人泊となりました。

▲[延べ宿泊者数推移]:観光庁宿泊旅行統計調査
▲[延べ宿泊者数推移]:観光庁宿泊旅行統計調査

前年同月比は全体宿泊者数が76.8%減、外国人宿泊者数は97.4%減という結果となりました。

4月は新型コロナウイルスの世界的なパンデミックの影響で各国でロックダウンや渡航自粛要請が相次ぎ、日本への入国拒否の対象国・地域も大幅に増加しました。その結果、前月と比較しても全体宿泊者数が54.9%減、外国人宿泊者数が76.8%減と著しい減少が見られます。緊急事態宣言が発令されたことから、日本人宿泊者数も大幅な減少となりました。

客室稼働率:前年同月差48.1%減に

4月の客室稼働率は全体で16.6%で、前年同月差は48.1%減となりました。

施設タイプごとに比較しても、旅館、リゾートホテルビジネスホテル、シティホテル、簡易宿泊所の全てで前年同月および前月(3月)からマイナスになりました。

国籍別外国人延べ宿泊者数:アジア・欧米問わず90%以上の大幅減

前年同月(2019年4月) 2020年4月 前年同月比

アメリカ

736,070人 37,790人 -94.9%

中国

2,147,080人 22,590人 -98.9%

韓国

920,810人 9,750人 -98.9%

香港

576,610人 5,540人 -99.0%

台湾

1,103,120人 5,140人 -99.5%

上の表は、2020年4月において宿泊者数が多かった上位5位までの国・地域の宿泊者数と、前年同月比をまとめたものです。

今月はアメリカ中国韓国香港台湾の順となりました。

3月は相対的に欧米豪の宿泊者数が多かった一方、4月からは入国制限の対象国・地域が広がったため、アジア・欧米を問わず全体的に大きく減少する結果となり、全国籍(集計されている21区分)で90%以上の減少を記録しました。

※国籍別外国人延べ宿泊者数は、従業者数10人以上の施設に限った数値です。

5月分以降はどうなる:国内の第2波抑制がカギに

6月1日現在、日本は111の国・地域からの入国を拒否しています。そのため、今後も宿泊者数は低迷したままでしょう。

3月は中国韓国などに対する日本への入国制限が本格的に始まったことから、東アジア圏と欧米圏で宿泊者数が逆転する現象が起こっていました。しかし4月に入り入国制限が世界全体に広げられたため、宿泊者数は全体的に減少する結果となりました。

5月以降は、緊急事態宣言が解除されたことから日本人宿泊者数については回復しそうですが、外国人観光客の受け入れにはまだ時間がかかることが予想されます。

ただし東アジア圏は新型コロナウイルスの感染が収束に向かいつつあり、情勢が回復傾向にあります。春節期間などに訪日を断念した人の訪日需要も高まっていることから、今後の訪日客の回復は東アジア圏の方が早いと考えられます。

日本国内の感染拡大の第2波を最小限に抑えることで訪日旅行の「安全・安心」を示し、アジア圏に向けた情報発信を行うことが、アフターコロナにおけるインバウンド集客の要といえるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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