リベンジ消費とは/中国ではすでに消費拡大!インバウンド対策もアフターコロナに向けて始動

リベンジ消費とは、新型コロナウイルスの感染拡大を防止のための様々な自粛により、かえって消費意欲が高まり、活発な購入活動が見られる現象です。

ECサイトの利用や国内旅行者の増加など、リベンジ消費を象徴する動きは中国や韓国で確認されており、消費活動がふたたび盛んになるのではないかと期待されています。

「日本インバウンド・メディア・コンソーシアム」が中国のネットユーザーを対象に実施した調査では、新型コロナウイルスの収束後に訪れたい国として日本がトップになるなど、収束を見越したインバウンド対策も重要になるでしょう。

本記事では、リベンジ消費の概要や、中国・韓国におけるリベンジ消費の事例、収束後に向けたインバウンド対策についてご紹介します。

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リベンジ消費が中国・韓国で拡大中

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、外出や海外旅行に制限がかけられていた中国や韓国では、その反動で購買意欲が高まるという「リベンジ消費」の現象が見られています。

この項目では、リベンジ消費の概要や、中国・韓国におけるリベンジ消費の例をご紹介します。

リベンジ消費とは?

リベンジ消費とは、新型コロナウイルスの影響による外出制限の反動で購買意欲が急激に高まることを指します。

長期間の自粛生活によりショッピングや外食、旅行など、さまざまなニーズが抑圧されていた状況から通常の生活に戻り、購買意欲が開放されるとともに消費傾向が強まる現象です。

中国では営業を再開した焼肉店に「全部持ってきて」という注文が届いたり、デリバリーサービス「Eleme」の営業再開後に上海市民によるミルクティーの注文が急増するなど、すでにリベンジ消費を象徴する事例が発生しています。

【中国】5月の大型連休で消費拡大 

今年の5月1日から5月5日は中国の「メーデー連休」と呼ばれる期間にあたり、今年は約12年ぶりの長い連休でした。

「人民網日本語版」の調べによると、今年の連休の5日間で取引総額は1兆5,700億元1日あたりの平均額は3,100億元を記録するなど、4月の週末に記録された平均取引総額に比べて16%増加しました。

とりわけ外食業界やホテル、スーパー・家電量販店・デパートなどで消費件数の増加が確認されており、中でも衣料品店とスポーツウェア店では4月の連休「清明節(チンミンジエ)連休」と比べ、消費件数が20%以上増えています。

また、鉄道をはじめとする移動交通の消費件数も清明節連休の期間より増加しました。

【韓国】免税店の代わりに国内百貨店のショッピングを楽しむ

中国の人民日報海外版のニュースサイト・海外網は14日、韓国・ソウルにある商業施設に多くの客が流入していると伝えました。

フランスのラグジュアリーブランドのシャネルは5月14日に値上げを実施しました。その前日の13日、ソウルの商業施設には、最終列車への乗車を試みる人が押し寄せたとのことです。

また韓国のあるデパートでは、開店時にシャッターが上がると同時に、客が店内に押し寄せる様子も見られました。

値上げの影響もあったとはいえ、韓国では新型コロナウイルスの影響で海外旅行が制限されており免税店の代わりに国内の百貨店で海外ブランド品を消費しよう」という意欲が高まっているのではないかといわれています。

リベンジ消費が期待される業界は?

リベンジ消費の影響により、中国ではインターネット上での消費や、国内旅行の消費が活発化しています。

この項目では、中国で見られるリベンジ消費の影響や、今後期待される消費動向をご紹介します。

リベンジ消費によるECの増加

リベンジ消費により現れた効果の1つに、インターネット上での消費拡大が挙げられます。

中国の貿易と経済を管轄する行政部門である商務部の王炳南副部長は、メーデー連休中に確認された消費の拡大にインターネット消費の急増が影響してると述べています。4月の清明節連休に比べると、商務部が観察している小売企業において1日あたりの売上額は32%増えていることが確認されています。

さらに中国の「人民網」の報道によると、前年と比べて連休中の物販系ネット小売総額は36%の増加を記録しました。

上海市政府主催のショッピングイベント「五五購物節(55ショッピング・フェスティバル)」でも、1日あたりの消費総額が日本円でおよそ2,400億円にあたる156億8,000万元を記録するなど、インターネット上での消費が増加している様子がうかがえます。

また、中国ECサイト大手の「天猫」などは、新型コロナウイルスの感染拡大中には実施できなかった家電の取り付け作業が再開されたことにより、エアコンをはじめとする家電製品の売り上げが急増していると伝えています。

中国国内旅行に出かける姿も

5月1日から5月5日までのメーデー連休には中国国内の70%近くの観光地が再開され、市外へ旅行に出かける姿も見られます。

野村総合研究所(NRI)によると、メーデー連休中の旅行者数は1億1,500万人に到達したと報告しています。中国の大手検索サイト「百度(バイドゥ)」によると、中国では4月の清明節連休に比べて旅行者数が50%近く増加しており、観光に対しても消費意欲が上昇している様子です。

ほとんどの観光地では新型コロナウイルス感染防止のため、観光客の人数制限制や事前予約制を取るなどの措置を取っています。こうした影響のためか、旅行者数は前年同時期と比べると41%減少してはいるものの、旅行者数は予想を上回る勢いで回復しています。

海外のリベンジ消費の需要、日本はどう取り込む?

新型コロナウイルスの収束後、リベンジ消費により今後日本にも中国人観光客が押し寄せることが予想されます。また、国をまたいで商品を販売できる「越境EC」の利用拡大も見込まれており、日本の企業も新たなニーズに対応する必要がありそうです。

この項目では、中国で見られるリベンジ消費の動向をもとに、日本のインバウンド事業者が取れる対策をご紹介します。

【旅行】中国人の収束後に行きたい旅行先「日本」コンテンツで魅力を発信

「日本インバウンド・メディア・コンソーシアム」は、訪日旅行に関する緊急意識調査を行い、4月14日に調査結果を発表しました。

中国のインターネットユーザー145名を対象に行われた本調査によると、新型コロナウイルスの収束後に訪れたい国の第1位は「日本」(44%)となりました。第2位は「タイ」(12%)で、日本は第2位の国を大きく引き離しています。

日本国内で訪れたいエリアの第1位は北海道で、もともと観光地としての高い知名度に加え、新型コロナウイルスに対する対策が比較的早い段階で出されたことが人気につながっています。

訪日のタイミングについて、最も多かった回答は「自国政府が安全宣言を出したら行ってもよい」(37%)、次いで「日本政府が安全宣言を出したら行ってもよい」(21%)、「1年以内は行かない」(19%)、「1年以上行かない」(9%)の順に並んでおり、58.6%の回答者が安全宣言次第で観光する意向を示しています。

中国人「経済支援として訪日旅行したい」約2割:新型コロナ収束後に行きたい国トップに日本、2位のタイを大きく引き離す

目次旅行復活は安全宣言による経済支援目的で旅行したい人が約2割旅行したい国「日本」がダントツ1位旅行復活は安全宣言による日本インバウンド・メディア・コンソーシアムは、中国のインターネットユーザー145名を対象に、訪日旅行に関する緊急意識調査を行い、4月14日に発表。旅行の復活は、政府の安全宣言が鍵となっているようです。中国・訪日旅行に関する緊急意識調査経済支援目的で旅行したい人が約2割新型コロナウイルスによる影響が収束したあとの旅行意欲について聞いたところ、「従来と変わりなく、行きたいとき...

新型コロナウイルスの感染拡大によりインバウンド誘致に消極的なムードがある中も、日本政府観光局(JNTO)はSNSを利用して日本の魅力の発信を続けています。

日本および海外事務所アカウントによる投稿には数百〜数千件の「いいね!」が付くなど海外の反応が多々あり、SNSを使ったプロモーションに効果が見られています。

また、静岡県・浜松市はプロモーション動画「訪日ブランディング・プロジェクト“Believe in our future”」を公開。浜松市の映像とともに「Believe in our future with us」といったメッセージを載せ、新型コロナウイルス収束への願いを込めたPRを実施しています。

コンテンツを通じて、観光資源の魅力と、感染症のリスクに対し安全な衛生状況を保っていることをコンテンツにより伝えることができます。渡航が解禁された折の訪日需要を今の段階から育てることができると考えられるでしょう。

【ポストコロナのインバウンド戦略】「回復準備期」の今こそ、普段手つかずの誘客策に着手を:萩本良秀

緊急企画『ポストコロナのインバウンド戦略』では、コロナ禍において、業界の「中の人」に聞くサバイバル術として最前線に立つ方々に特別寄稿いただきます。今回は元「じゃらん.net」編集長で、メディア運営やDMO、通訳ガイドとしてインバウンドに関ってきた萩本良秀氏に寄稿いただきました。こんにちは。萩本良秀と申します。私がこれまで旅行メディア編集や通訳案内士、DMOなどインバウンド業界で仕事してきた仲間や各観光地の知り合いと、この非常事態の中、日々どうしているか情報交換する中で、共通した悩みや課題が...

【小売】越境ECの展開

越境EC」は国境を越えて商品を販売するネットショップのことで、経済産業省が2018年に発表した「通商白書」によると、2020年には越境ECの世界の市場規模が9,940億ドルに増加する見込みとしています。

また、「通商白書」によると越境ECの利用者は2014年の3億人から2020年には9億人に増えると見込まれており越境ECは今後の成長に期待できる分野といえるでしょう。

越境ECを開業するには、販売先国の市場や法律、配送サービスを調べるなどさまざまな準備が必要になります。

開業には海外での販売にも強いショッピングモールやネットショップ作成サービスの力を借りてみると良いでしょう。

まだ外国人向けネットショッピング「越境EC」やってないの?インバウンド顧客を囲い込む!日本にいながら世界を相手にビジネスできる方法とは

今や一人1台はスマホを持ち歩く時代。インターネットを利用しない日はないという人も少なくありません。30年前に比べると、驚くほど簡単に情報を集められるようになり、世界中の人々とオンラインでつながれるようになっています。インバウンド対策というと、外国人観光客をどうやって自分のお店に呼び込むかという点に意識が偏りがちです。もちろんお店に来てもらうことは大切だと思います。でもせっかくご来店いただいたからには、外国人のお客様に帰国後も顧客でいただくための仕組みを作ってみませんか?目次インターネットを...

大手ECサイト・ネット通販売上高ランキング2019年版/ECをインバウンド戦略に活かす方法

家から出ずにネット通販でお買い物は今では当たり前のことになりました。特に、近年急成長しているのが、自社商品を販売するEC業界です。信頼性が高く、またその便利さから瞬く間に世界中に浸透し、流通総額は17兆9,845億円にものぼります。この記事では、大手ECサイトの売上高など、国内・海外ECサイトの2019年のランキングを紹介します。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる...

リベンジ消費が旅行需要を膨らませる今、収束を見据えた施策を

外国人観光客に向けたサービスを提供する事業の多くは、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響で大打撃を受けました。

しかし中国をはじめとする外出規制が解かれはじめている国では、ECサイトの売り上げが増加し、国内観光の旅行者数に回復が見られるなどの事例が発生しています。

長引く外出制限による反動で購買意欲が高まる「リベンジ消費」を象徴する現象は韓国でも起こっており、中国ネットユーザーのあいだでは収束後に訪れたい国トップに日本が挙がるなど、今後日本でも観光客によるにぎわいが取り戻されそうです。

今後加熱するであろうリベンジ消費の勢いを活用するには、SNSや動画の発信によるPRや、越境ECを利用したビジネス展開などが鍵になるでしょう。

<参考>

PR TIMES:日本の自治体初!浜松市でYouTubeを活用し、「コロナリカバリー」を取り入れたたPR動画を公開

野村総合研究所(NRI):中国リベンジ消費とクラウド観光:日本の出口戦略と消費喚起策のヒントに

ジェトロ:リベンジ消費でもECが活況(中国)

ラオックス株式会社:ラオックスは中国上海市政府が主催する大型イベント「五五購物節」に参加いたしました!

PRTIMES:中国人最新訪日意識調査:コロナ後も中国人の訪日意欲は旺盛! 日本は「行きたい国No.1」に

経済産業省:通商白書2018

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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