日本三大祭「天神祭」外国人になぜ人気?多言語の情報発信・SNS活用にヒントあり インバウンド対策事例を紹介

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日本の「お祭り」は、気軽に日本の伝統文化に触れられる機会であることから、訪日外国人観光客に人気を博しているイベントの一つです。

そんなお祭りの中でも特に多くの外国人が訪れているのが、日本三大祭りの一つである大阪の「天神祭」です。

今回は、なぜ天神祭が外国人に知られ、人気を博しているのかを解説するとともに、天神祭において実際に行われているインバウンド対策を紹介します。

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天神祭とは?

天神祭は、国内でも特に大きな夏祭りです。日本国内はもちろん、外国人からの人気も博しているのが特徴です。

まずは、天神祭の基本的な情報と今年の天神祭について解説します。

日本三大祭りのひとつ天神祭

大阪天神祭は、東京の神田祭り、京都の祇園祭と並んで日本三大祭りの一つとされており、毎年約130万人が訪れる夏の大祭です。大阪府内の愛染祭り、住吉祭りとともに、大阪三大夏祭りともいわれています。

天神祭は、大阪市内の大阪天満宮を中心にして毎年7/24に宵宮、7/25に本宮が実施され、県内外から多くの人が訪れます。

天神祭までの期間は、天神祭ギャルみこし奉納花火などユニークな行事が行われ、お祭り当日を迎える前から盛り上がりを見せています。

天神祭で有名なのが、本宮に行われる陸渡御、船渡御です。特に、船渡御は千年以上の歴史を誇り、大阪という地域と共に培った文化です。100隻を超える船が大川を遡航(そこう)する光景は圧巻で、見どころとなっています。

船同士が行き来するときは大阪を中心に行われている手締め「大阪締め」を交わし合い、その真上には約5,000発もの奉納花火が打ち上がるという迫力満点の祭典です。


訪日外国人にも人気

天神祭は、訪日外国人にも人気のお祭りです。月間約180万人のユーザーが閲覧している訪日外国人向けメディア「ジャパンガイド」の天神祭のページには、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、イギリスなどの英語圏からのアクセスが上位を占めています。

「ジャパンガイド」の2018年のアクセス数のランキングでは、天神祭は「さっぽろ雪まつり」や「祇園祭」に次いで第3位のアクセス数を獲得しています。

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多くの訪日外国人観光客...

2020年の天神祭は新型コロナウイルスの影響で中止に

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、天神祭渡御行事保存協賛会は、2020年4月13日、天神祭の練り歩きや渡御行事と奉納花火を今年は中止すると発表しました。全ての渡御行事を中止するのは、終戦直後の1946年以来のことです。

「鉾流(ほこながし)神事」や、境内での神事については、神職のみで執り行うことになっています。直前に中止を決定すると多額の損害が発生するため、4月時点で中止という結論に至ったようです。

天神祭が訪日外国人に人気の理由

先述の通り、天神祭は訪日外国人観光客にも人気となっています。

そこで、天神祭のどういった点が訪日外国人観光客の注目を集めているのかを解説します。

祭りは日本文化を堪能する絶好の機会

訪日外国人観光客にとって、お祭りは日本の文化を堪能する絶好の機会です。お祭りは、縁日の屋台が並び、浴衣や着物姿の人々が行き交い、訪日外国人にとっては異国情緒溢れる非日常を楽しむことができます。

そして日本のお祭りは文化や歴史が感じられる神社や仏閣などで行われることも多いため、お祭りという一つのイベントでいくつもの日本の文化を楽しめることも特徴です。

そのほか、派手な装飾が施されたお神輿や山車、夜空を彩る花火などにも心を動かされるようです。

気軽に参加しやすい

天神祭が訪日外国人観光客に人気の理由として、以下の3つが挙げられます。

  • 知名度が高い
  • 開催期間が長い
  • アクセスしやすい

まず、天神祭は国内外で知名度が高く、情報が手に入りやすいことが考えられます。また、日本語だけではなく、他の地域の言語の旅行サイトで紹介されることで、外国人観光客が安心して参加できることも人気の理由のひとつです。

次に、天神祭の開催期間が他のお祭りに比べて長いことが挙げられます。2日間の宵宮・本宮以外でも、6月下旬から7月末までと長期間行われています。そのため、訪日外国人観光客が時間的な制約を受けずにお祭りに参加することができます。

最後に、天神祭のアクセスのしやすさが挙げられます。開催場所の大阪天満宮はすぐそばに駅があります。最寄りの大阪天満宮駅をはじめ、桜ノ宮駅は花火大会や屋台のある大川のすぐ近く、大阪城北詰駅も大川まで歩いて5分程度、天満駅は天神橋筋商店街に近く、周辺も見どころのあるスポットが満載であることも特徴です。

天神祭が行っているインバウンド対策

天神祭は国内向けのPRだけではなくインバウンド対策も行っています。天神祭をどのように外国人に認知してもらい、訪れてもらえるように促しているのか、取り組み事例を紹介します。

情報サイトの多言語対応

天神祭総合情報サイトは英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語に対応しています。そのため、多くの外国人が正確な情報を知ることができ、天神祭の魅力を多くの人に知ってもらう機会をつくり出しています。

加えて、訪日外国人観光客に対する集客PRのために、チラシの多言語化だけではなくSNSやJapan-guide.comやMatchaなどの旅行情報サイトでの情報発信、展示会への出展など、多角的な情報発信も行っています。

これらのPRによって天神祭を知るきっかけを多く作り、多くの訪日外国人観光客に訪れてもらう流れを生み出しています。

▲[天神祭総合情報サイト]
▲[天神祭総合情報サイト]

映像・写真での情報発信

多言語の情報発信に加えて、天神祭総合情報サイトでは「『天神祭』アルバム」というコーナーが設けられています。「『天神祭』アルバム」では、天神祭を紹介する動画や市民から提供された写真を見ることができます。

実際にお祭りに参加した人やお祭りの様子を見られるため、天神祭を知らない人でもどのようなイベントか、活気や雰囲気を掴むことができます。

多言語対応と共に、動画や写真といったビジュアルな情報も効果的なPRには欠かせない要素といえます。

多言語化や情報発信でお祭りに訪日外国人を呼び込む

天神祭のような大規模なお祭りのインバウンド対策事例を知ることは、これからインバウンド対策をはじめる上では大いに参考になることでしょう。

天神祭は日本三大祭りに数えられる、日本でも有数の規模を誇るお祭りです。今年は新型コロナウイルスの影響で中止となってしまいましたが、例年130万人が天神祭に訪れています。また、日本人だけではなく訪日外国人にも人気を博しており、その人気は「さっぽろ雪まつり」や「祇園祭」に次ぐほどです。

訪日外国人にとって日本のお祭りは、異国の伝統文化に触れる絶好の機会でもあります。こうした魅力と大阪のアクセスの良さも相まって、天神祭の訪日外国人からの人気を後押ししていると考えられます。

天神祭ではインバウンド対策として、より多くの外国人に祭りの雰囲気や魅力を知ってもらうため、情報サイトの多言語対応や映像や写真を使ったPRを行っています。

今回の記事で解説した天神祭の外国人に向けた取り組みを参考にして、地元のお祭りやイベントのインバウンド対策に活かしましょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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