観光庁は7月6日、九州での豪雨で被災した宿泊事業者向けに、特別相談窓口を設置しました。
熊本県などで発生した九州豪雨は、7月7日時点で死者が55人に上り、甚大な被害をもたらしています。また、8日朝には岐阜県、長野県でも大雨特別警報が出ており、被害の拡大が危惧されます。
また、政府は九州豪雨について、「著しく異常かつ激甚な非常災害」として「特定非常災害」に指定する方針を固めました。
2018年には西日本豪雨も特定非常災害に指定されており、日本では自然災害が相次いでいます。観光業がこうした突然の災害に備えるためには、事業継続計画(BCP)を策定しておくことが重要です。
本記事では、災害時の外国人対応の課題と、観光業が備えるべきBCPについて考察します。
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観光庁、豪雨被災の宿泊事業者向けに相談窓口を設置
観光庁は、豪雨で被災した宿泊事業者等からの相談や要望にきめ細かく対応するため、7月6日から九州運輸局内に特別相談窓口を設置しました。
被災した宿泊事業者等から、被害状況や要望を聞いたうえで、活用可能な支援策を紹介したり、九州経済産業局・各労働局と連携して支援をするということです。
中小企業支援策や雇用調整助成金の活用を検討する宿泊事業者には、九州経済産業局や各労働局等の窓口が案内されます。
災害時の外国人対応にはどんな問題がある?
2019年10月に日本列島に大きな被害をもたらした台風19号の際には、日本を訪れていた外国人の多くから、情報の少なさに困惑したという声が聞かれました。
宿泊施設から情報提供があったものの「日本語で理解できなかった」という人もおり、災害時の情報提供に課題があるケースが少なくありません。
1961年に制定された災害対策基本法に基づき、都道府県や市町村は地域防災計画を策定しています。
計画に含まれた地震・津波対策編の中で「外国人」の記載があったのは30都道府県で、基本的に在留外国人を対象とし、記載内容も「災害時、外国人対応も行う」程度に留まっており、具体的な指示や対応策は見られません。
災害時の訪日外国人対策については、全国的にあまり進んでいないというのが現状のようです。
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異なる文化的背景に配慮が必要
災害時の対応をめぐっては、日本人にとっては当たり前の常識が、外国人にとっては理解が難しいことも少なくありません。
例えば災害時の避難所に「ご自由にお持ちください」と届いた物資が置いてある場合、災害時にはみんなで分け合おうという考え方がある日本人は、必要な分だけ持って行くでしょう。
しかし文化的背景が異なる外国人の場合、持てるだけ持って行ってしまうという事例が、過去の災害で実際に起きています。
このような場合、「家族が必要な分だけお取りください」など、文化的背景が異なる外国人でも分かりやすいように丁寧に説明する必要があります。
また日本は、世界で発生する地震の約2割を占める地震大国ですが、海外では揺れを感じる地震がほとんどない国も少なくありません。
そもそも地震がどういうものかよく分からない外国人にとって、地震でどのような被害が出るのか、津波とは何か、余震とは何かといった、日本人にとっては当たり前の知識でも、想像することすら難しい場合があります。
さらに日本では最大震度7、全10段階の気象庁震度階級が使用されている一方、海外では12階級の震度階級が一般的です。
12階級に慣れ親しんでいる外国人にとっては、震度6や震度7の地震は決して大きい地震とはいえないため、「10段階で最も高い」といった説明の方が理解されやすいでしょう。
また震度の「強」や「弱」の表現にも注意が必要で、「震度6弱」をそのまま翻訳すると、「震度6の弱い地震」となり、震度6の地震が「弱い地震」として認識されてしまう恐れがあります。
海外の建物の耐震性が高くない地域では、地震が起きた場合には、建物の外に出るのが良いとされている場合があり、机の下に隠れるよう教育されている日本人と異なり、すぐに外に出ようとする外国人も少なくありません。
行政からの避難指示に関しても、「避難」という言葉の意味が分からなかったという外国人の声が聞かれており、「にげろ」など「やさしい日本語」を使用する必要性が指摘されています。
2019年の台風19号では、長野県がTwitterで外国人向けに「やさしい日本語」で防災情報を発信し、4万件を超えてリツイートされるなど大きな反響を呼びました。
この続きから読める内容
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